神話創生 アトラス歴1462年【538年前】4-5
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◆ナギside◇
Aブロック一回戦は青龍の圧倒的な勝利で終わった。
そして、その直ぐ後に二回戦であるレイトン=グラディンとナインス=レジーの戦いが有ったが、特に見所もなくナインスが勝利した。
「……泥沼過ぎる戦いで、全く面白く無かったんだが……Bの一回戦はもう少し面白い戦いしてくれよ?」
そうしないと俺と青龍戦以外、確実に面白く無くなる。
「それでは! 続いてBブロックに入りたいと思います! ──西門より〜、ジン=テンガン選手の入場です!」
「「「わぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」」
会場はジン=テンガンの入場で湧き立つ。
「へぇ、ジンって言うのはそこそこ人気があるんだな?」
「おぅ! アンちゃんはジンの事を知らねーのかい?」
アンタ誰?
「有名なのか?」
「あったぼうよ! この街でジンを知らねぇ奴は居ねえってもんよ! 何せこの街では負け知らずの剣闘士だからな!」
成る程……確かにこの会場を闘技大会だけで使うには勿体無いだろう。つまり、普段は剣闘士達が此処で戦ってるって事なのか?
「それはそうとアンちゃんも次は試合だろ? 俺はアンちゃんに賭けてるんだから勝ってくれよな!」
「お? 俺に賭けてくれたのか! 任せろって! それじゃ行ってくる!」
俺は応援された事でテンションが激上がりし、ルンルンで控え室に向かうが途中で賭場のオッズが目に入る。
「……大穴枠じゃん俺……」
上がった俺のテンションが激下がりした。
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「さっきのオッちゃんの話しの感じだと俺の次の対戦相手はジンって事になりそうか? まぁ、どっちが来ても俺には関係ないか」
コンコンッ。
俺が居る控え室にノックの音が響く。
「お? いよいよ出番かな」
「ナギさん。前の試合が終わりましたので準備をお願いします」
「分かりました。直ぐに行きます」
そうして俺はスタッフさんに案内されて西門に向かった。
その途中、前の試合結果が気になったので聞いてみた。
「そう言えばB一回戦はどっちが勝ったんです?」
「それが、マルチ選手が勝ったんですよ……」
「へぇ、そのマルチって奴も中々強いんですね」
「それもあるのですが……ジンさんの体調が終始悪そうでした」
……もしかして盛られたか? ──だとしたら、俺がこの試合に勝ったら次の試合前に接触して来そうだな。
まぁ、取り敢えず目の前の試合に集中するか。
◆ レスター=デインスside◇
これから私の試合が始まる。
「さぁ、Bブロック二試合目を始めたいと思います! それでは西門よりナギ選手の入場です!」
「「「お前に賭けたんだ! 絶対勝てよぉぉ!!!!!」」」
相手は予選を運で勝ち上がってきた道化だ。私が負ける要素が見当たらない。
そして、この大会の決勝は私と青龍様の試合……きっと歴史に残る戦いとなるだろう。
「続いて東門より、レスター選手の入場です!」
「「「きゃぁぁ〜〜! レスター様、頑張って下さい!!」」」
私はファンの方々に手を振りながら会場に入っていった。
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「それでは両者出揃いました為、直ぐにでも試合を始めたいと思います! では……ファイッ!!」
司会の言葉と共に銅鑼がかき鳴らされ始まりを告げた。
「さて、君に忠告だ。怪我をしたくなければ大人しく降参してくれないか? 私も青龍様との試合前に君如きで体力を使いたくないのだが……」
「何を上から目線で言ってるんだ? 俺とお前の実力差が分からないのか?」
「──成る程。大した道化だな……だから、青龍様も君で遊びたかったのか。──分かった良いだろう。ならば私も君と遊んであげよう」
「ガタガタ言ってないで来いよ。何で弱い奴程良く吠えるんだよ……」
弱い? よりにもよってこの私に向かって"弱い"と言ったのか?
「良いだろう……ならば無事に此処から帰れる事を祈るのだな!!!」
「はいはい、能書きはイイから早くしてくれ」
私は自身の神子としての能力、槍術無双を起動する。
「槍を持つ私に敵は居ないと知れ! この道化がぁぁ!!」
槍による連突きを道化に繰り出す。
しかし、
「おっせぇ!」
私の突きは全て躱される。
「なっ!? 躱しただ……と?」
「もう一回言ってやるよ。俺とお前の実力差が分からないのか? これが最後だ。無様にやられたくないなら降参しとけ」
「ふざっ! ──ひっ……」
巫山戯るな! と言おうとしたが、道化の殺気を感じた瞬間、自分の首が刎ねられる光景が見えた。
「どうした? 首でも無くなる夢でも見たか?」
「き、きさ、貴様! 私に何をした!」
「特に何もしてないぜ? まぁ、強いて言うなら少しだけ、力を解放してお前に向けただけだ」
「……貴様、予選では道化を演じていたのか?」
「それが分からないなら大人しく東門に戻れ……」
「……」
そうか、青龍様はコイツの実力を知っていたからこそ決勝を楽しみにしていたのか……だが、
「私も戦士の端くれ! ただでやられる訳にはいかない! ──せいゃぁぁぁぁ!!」
気合いと共に全力全開の突きを繰り出す。
「──無双連突き!!!」
しかし、
「これで終わりだレスター」
私の槍は一瞬にして、12本のガラクタに解体された。
「……参りました」
完膚無きまでに私の自信は砕かれたのだった。
見て頂きありがとうございます。




