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俺のデバフは理を破る!〜俺が強い?違うなテメェ等が弱くなったんだよ!〜  作者: 鋼夜
一章 出会い編

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十デバフ

更新です。


 パーティー名が決まった昨夜、ミノ肉を使っての歓迎会で逢いの絆の面々は大いに楽しみ、記憶が無くなる迄飲む者も現れる位に騒ぎまくった。



「その代償がこれか?」


 翌朝、目を覚ました俺の隣には、見覚えの有る女が寝ていた。


「んんぅ……」

「何で、ロリが下着姿で俺の横で寝てるんだよ」


 確かに宿は同じだが、別々の部屋を取っている筈。

 それなのにこの状況はどう言う事だ?


 俺は記憶が無い間にロリ道へと歩んでしまったのか……。


 もしも、隣で寝てるのがリリーナやファリスとかなら、こんなにも動揺する事は無かっただろう。


 ゴメン嘘、リリーナならもっと動揺してたわ。


「ふむ、記憶が全く無いどうしよう……」


 取り敢えず、ロリが目を覚ますと面倒な事になりそうだから、此処から避難するか。


「よっこらせっ──」

「…………」


 俺がそう考えて布団から出ようとした時、ロリのガン開きの瞳と視線がぶつかった。


「…………」

「……やぁ、ハニー! 昨日は楽しかったね! へぶしっ!?」


 俺のボケに鉄拳で返事をしてくれたロリである。



 俺の顔面にはロリの拳の跡がくっきりと残された、


「痛いよぉ〜」

「男の子ならあれ位でガタガタ言わないで」


 酷くない?


「まぁ、ロリが俺の部屋に居た理由は分かったよ」


 あの後ロリから詳しい話しを聞くと、急遽仲間になったリリーナの分の部屋が取れなかったので、ロリが自分の部屋をリリーナに使わせて、ロリ自身が「私ならアイツと同じ部屋でも襲われる事は無いでしょ」とか言って俺の部屋に忍び込んだとの事らしい。


 ──でも何故に下着姿で……しかも、俺の隣で寝る必要があった?


 それも伝えたら「私はベットの中では下着姿で寝るのがジャスティス(正義)なのよ!」と言いながら俺にローキックしてきた。


 お前のジャスティス(正義)は理不尽が過ぎるだろ。


「しかし、お前の判断は正しいな。俺がお前を襲う事は絶対に無い! だから安心しろ」


 俺は紳士だからな。


 ロリよ安心するが良いさ。


「それはそれで、何かムカつくわね……」


 その後も俺とロリは、ギャアギャアと騒ぎながらファリス達と合流した。


「更科さん大丈夫でしたか!?」


 ファリスよ、俺の顔には拳の形に象られたマークが頬に付いてるのをチラッと視線で確認したよね?


 俺の方が被害者だって分かってくれるよね?


「えぇ、大丈夫よ! 案の定コイツに私を襲う度胸は無かったわ」


 コイツ……何?

 俺の事煽ってるの?

 次に同じ状況になったら痛い目に合わせてやろうか。


「それは良かったですね。美香の言う通り翔さんは信頼の出来る方でしたね」


 ……もしかして、会話の流れ的にロリは俺の事を信頼してるって事か?

 俺はロリの顔を見てみると、その顔は少しだけ紅潮していた。


「そ、それは仮にもパーティーリーダーだしね! た、多少は信頼してるわよ……」


 何だよ少しだけ可愛い気も有るじゃん。


 俺はニヤニヤしながらロリを見ていると、何かの気に障ったのか、またローキックを食らった。


 流石に俺を蹴りすぎだろ。


 そんな下らないやり取りを終えた後、朝食を食いながら今日の予定を話し合う。


「今日はどうするの? 昨日の続きでナルゥ大迷宮の続きを攻略する?」


 ロリがそんな事を言うが、正直、俺はダンジョンに飽きていた。


 何故なら景色がずっと薄暗くて壁しか無いし、ジメジメもしてるしで居ても楽しくなかったからだ。


 ダンジョンはロマン! とか俺は最初に言ってたけど、実際に潜ると楽しいのは最初だけで、ロマンもクソも無いよなって実感出来た。


「あれだな、ダンジョン潜って思ったけど、別に面白くも無いから次の街に行くべ! そして美味いもん食おう」


 俺の言葉に、魔王軍を早く倒して欲しいリリーナとしては若干の難色を示したが、最終的に三人共賛成してくれた。


 よし、それじゃ拠点移動だな。


「次の町は何て所?」

「次に近い町は……海に面した港町、エビザですね。海産物が有名な町ですよ!」


 流石ファリス! 直ぐに答えてくれた。


 ──だが、ファリスは早くもエビザの食い物の妄想をしてるのか、顔が若干ヤバい事になってる。


「エビザはとても活気がある町ですよ。異世界人の美香と翔さんには是非楽しんで頂きたいです」


 リリーナまで推して来るのなら、もう行くのは確定だな。


「よっし、それじゃ次の目的地をエビザの町とする! 移動距離とか調べて必要物資も揃えたら向かうぞ」

「「「おぉ〜〜!!」」」



 僕達はエビザの港町に来ていた。


 何でも、この町には魔王軍の幹部の一人であるシャークフライが現れるとの事だからだ。


 情報収集をする為、其々が別れて街の人達から話しを聞いている。


「そうですか、情報有難う御座います」

「良いって事よ、それじゃあな」


 街の人は快く色々と教えてくれた。


「──く、ん。 拓哉君!」


 暫く情報を集めていると、僕の耳に結衣さんの声が届いてきた。


「拓哉君、シャークフライの情報集めてきたわよ」

「そうですか、それでどんな感じでしょうか?」


 これは結衣さんが風魔法を応用して作ったオリジナル魔法。


 効果は一言で言うなら地球の携帯電話だ。


 彼女が使う便利魔法で会話を進めた僕は、


「分かりました。それじゃあ美幸さんと雪さんも今朝集まった場所に集合しましょう」

「「「分かりました」」」


 僕の言葉に三人も快く返事をくれた為、直ぐに集合場所へと向かった。



「お待たせしました。それじゃあ早速、皆さんが集めたシャークフライの情報を共有しましょう」


 僕の言葉に皆んなが頷いた後、結衣さんが口火を切る様に喋り出した。


「シャークフライは全長70メートル程ある巨大なサメであり、空中を泳いで現れるらしいわよ? まぁ、その巨体のお陰で、襲撃直前は街の者も直ぐに気が付く為、避難事態は容易みたいよ? だから、一般市民への直接的被害は未だに出てないそうよ」


 成る程、確かにそんなに大きいのが空を泳いできたら気付き次第、町の人達も逃げだす。


「但し、それはあくまで一般人には被害が出てないと言うだけで、街を防衛する冒険者や兵士達、各種戦闘員には結構被害が出ているみたい」

「……もっと早く来れたら……」


 被害を減らせたかもしれない事を考えると後悔が沸いてくる……。


 そして、僕の後悔が表情に出ていたのか三人にも伝わってしまった。


「拓哉君の所為じゃ無いよ! 他の勇者パーティーがもっと頑張ってくれれば、こんな事にはなって無いんだから!」


 雪さんが僕を励ましてくれるのは嬉しいが、他の勇者達も苦労してる筈なのだから、悪く言うのは可哀想だ。


「雪さん有り難う。──でも、他の勇者は僕達みたいに完全に戦闘特化したパーティーでは無かった筈だよ? だからそんなに悪く言わないであげて」


 僕の言葉に雪さんも「そうだよね、御免なさい」と言ってくれた。

 元々彼女にこんな事を言わせてしまったのは僕の所為でもあるのに、彼女に謝らせるとか……自分が情けない。


 僕は心も体ももっと成長しないといけない……。


「……それじゃ他には何か有るかな?」



 その後も僕達は色々と情報を出し合ったが、皆んなの情報はどれも似た様な物ばかりだった。


「つまり、話しを纏めるとシャークフライが来るまでは僕達は受け身でいるしか無い様だね」

「そうですね。敵が何時来るか分からないので私達も街から動く訳にはいかないね」


 美幸さんの言う通りだ。僕達は何時来るか分からない敵の為に足止めを食らわされている。

 他の地でも魔王軍に苦しめられてる人が居るかと思えば、この状況はとても歯痒かった……。



 デカッ!?


 何これ、サメかよ!


 何でこんな所の空を泳いでる訳、B級映画宜しくかってんだよ!


「翔さん、あれはシャークフライです。あれも魔王軍の一匹ですよ」


 流石の図書館系女子!


 まだ疑問しか浮かべて無いのにもう答えてくれた!


「おっしゃーー、任せろ! あれだけデカければデバフ掛け放題だぜ!」


 何時も通り頼むぞ! 俺の正ヒロイン、感覚崩壊ちゃん!


 喰らえ!センスコラプス×100。


「掛けたぜ、それじゃファリス! 空から叩き落としてやれ!」

「任せて下さい! ──炎とは生物の根源に灯される心の火、其れを扱うは生物の道理、ならば我等は道理となろう……ファイヤーボール!!」


 ファリスは詠唱を唱えると、物凄い勢いで超特大ファイヤーボールをマシンガンの様に飛ばしていく。


「す、凄い……」


 リリーナがファリスの魔法を初めて見てビビっている。


 色んな事に詳しいリリーナが驚くって事は、やはりファリスの魔法ってヤバいんだろうか?


 まぁ、考えるのは後だ。


 今はサメちゃんに集中しよう!


「サメちゃんが落ちてきたら、リリーナは前衛頼むぞ! そしてロリよ、近い内にフカヒレカーニバルだ、ヒレ以外は派手に獣魔に食わせちまえ!」


 本当は今日食いたいが、まずはヒレを乾燥させる所から始めないといけないしな!


「承りました!」


 ファリスの魔法にビビっていたリリーナではあったが、突然の魔王軍とのエンカウントに少しだけ嬉しそうだった。


「任せて!」


 そしてロリの足元からは今迄捕まえてきた、総勢150体の獣魔が湧いてくる。


 俺達はそうして準備万端で待ち構えるが、サメちゃんは俺達とは違う方向に向かって、滑空する様に落ちていった。


「「「「…………」」」」


 うん……この何とも言えない空気どうすんの?


「なぁ、ロリよ……これってフカヒレカーニバルは無しって事か?」

「落ちていった場所迄行けば可能だと思うわよ」


 かなり遠い場所に落ちた気がするんだが……どうなのよ?


「あちらの方向は、これから行くエビザの方ですね。まだ距離的には何日か掛かりますので、他の方に先に回収されてしまうかと思います」


 リリーナが俺のQ&AにAをしてくれた。


「そうか、まぁしょうがない! 切り替えて町に向かうべ」


 こう言っておかないと、敵を落としたファリスがまた凹むかもしれないからな。


「そうね。フカヒレ何て、きっとエビザに行けば幾らでも売ってるでしょ」


 ロリも俺の意図を察してくれたのか、乗っかってくれる。


「あのシャークフライ……私が魔法撃つ前から落ち掛けてましたね〜」


 ファリスは何か気になったのかそんな事を言っている。


「もしかしてですが、カケルさんの感覚崩壊で空を泳ぐ感覚が弱くなって制御出来なくなってしまったのでは? あれ程の巨体だと自重を支えるのも大変そうてすし……」


 ファリスの疑問にリリーナがまたアンサーしてくれていた。


 んっ? つまりは俺の所為って事?


 …………。


「……よし! 切り替えてエビザに行こっ!」


 俺は手をパンパンッと叩いて言うが、そんな俺をロリが許してくれなかった。



 一般市民の完全避難をさせる間もなく突如(・・)、エビザに突っ込んで来るシャークフライとの戦闘に突入した。


「僕達は遠距離攻撃の手段がありません。結衣さんお願いします!」


 このパーティーは結衣さんの四属性掌握しか遠距離攻撃手段がない。


 正確に言えば僕が持つ神剣の一つを解放すれば可能ではあるけど……威力が大きすぎて、街中で使うには被害が出てしまう。


 それでも、もしも結衣さんがダメだったら僕がやるしか無い。だけど、それはあくまで最終手段だ!


 それに結衣さんならきっとやってくれる筈……。


「任せて。──炎とは生物の根源に灯される心の火、其れを扱うは生物の道理、ならば我が歩みを阻む物は、これ即ち生物に在らず、全ての敵の道理を燃やし尽くす為に我の道理をぶつけよう……行き着く果てには只、灰になる迄焼き尽くそう── 疾る灼熱の業火(フレアドライブ)


 ゴォォォォ! っと炎が放つ特有の音と共に、巨大なファイアーボールの物がシャークフライへ大量に飛んで行く。


 大量に暴れる炎は全てシャークフライに着弾し、ドォォォォォンと言う轟音と共に空を泳ぐサメは堕ちた。


「流石ユイさんの上級魔法です!」

「シャークフライは街から少し逸れた所に落ちて行きました。……お疲れ様です結衣さん!」


 僕はユイさんに話しかけると、かなり魔力を消耗してしまったのか辛そうな顔をしていた。


「ハァハァ……拓哉君、有難う。何とかあいつの突撃を防げたわ、かなり疲れちゃったけどね」


 魔法のダメージに加え、あの高さからあんな落ち方をしたのだ、シャークフライは問題無く倒せただろう。


「それにしても、あれ程の質量を持つシャークフライが街に落ちなくて本当に良かった」


 それを防いだ結衣さんには本当に頭が上がらない。


「凄かったな! アンタ達のお陰で、この町は救われたよ!」

「そうだそうだ!」

「今日は魔王軍の一人を倒した記念の日だな!」

「「「「「ワハハハハッ!!」」」」」


 町の人達は思い想いに、今日と言うめでたい日を楽しむ事にした様だ。


 そして、すれ違う人々が皆、僕達に感謝の言葉を伝えてきてくれる。


 本当に良かった、町の皆んなが無事で……。


 僕達が倒したシャークフライの素材は被害が有ったこの町の復興に役立てて貰おう。


 その事を町長さんに伝えたら大変喜ばれた。


 これで僕達は何の憂いも無く次の町に行ける。

何時も見て頂きありがとうございます。

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