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第1話 粉々になった宝石
「綺麗なものほど壊したくなる」
「いや、綺麗な物だから壊したくなるのかもしれない」
宝石を粉々にしていく
綺麗なものだから粉々にしていく
形が分からくなるまで 粉々に砕いていく
綺麗でなければよかったのに
そしたら こんな風になる事もなかった
綺麗でなければ ずっとそのままでいられたのに
たくさんの人目を惹きすぎた
たくさんの場所で輝きすぎた
価値が付きすぎた
人を魅せすぎた
だから宝石は粉々に砕けた
綺麗すぎずに 汚れていればよかった
少しでも汚れていたり
傷がついていたりすれば
こんな事にはならなかったのに。
「ストーリー」
人を殺してはならない。
人と人は分かり合える。
その聖女様は、とてもお綺麗だった。
だから、許せなかったんだ。
ぬるい揺りかごで育てられた、甘ったるいその精神性を見せつけられると、どうにもむしゃくしゃしてくる。