6、vs.ベヒーモス
【筋力増強薬 超】×2
【防御力増強薬 超】×2
【素早さ増強薬 超】×2
試しにバフ能力を上げるアイテムを同時に2個ずつ使う実験をしてみる。
「これは……」
魔法でバフを上げると必ず1度しか効果はなく、2度連続で発動しても効果は望めないが、アイテムとなると上限が無くなるようだ。
「これなら……」
俺はバフの効果を最大限に発揮しようと、足に力を込めベヒーモスの懐に潜り込もうとした。
しかし、素早さが上がり過ぎたのか、ベヒーモスの懐どころか、後ろに回り込んでしまい、自分の素早さに耐えきれず、足を滑らせて転んでしまっていた。
「あちゃぁ〜、これは特訓が必要かな……」
「ウグル大丈夫?!」
ミアが俺を心配そうに見つめる中、ベヒーモスが油断している俺に攻撃を仕掛けてきた。
"ズガァーン"
ベヒーモスの爪が地面を抉り取る。
辛うじてそれを躱し、ミアの元に戻る。
キュクロープスとは違い特殊な能力はないが、素早い動きに強烈な爪の攻撃は、キュクロープスも上のようだ。
「よーし!次は私の番だよっ!」
ミアはそう言うと、自身に雷属性のエンチャントをかけているようだった。
セミロングの銀髪の髪の毛が逆立つ。
(すごい……。獣人は自身に色々な属性を身に纏うことで戦闘力を底上げするのは知っていたが、これほどまでとは……)
「ミア!これも使ってみてくれ!」
【筋力増強薬 超】
【防御力増強薬 超】
【素早さ増強薬 超】
【属性強化薬 超】
新しくミアには、【属性強化薬 超】を振りかけた。
すると。
「わぁ〜!すごいよウグル!力がみなぎってくる!」
やはり、【属性強化薬 超】は魔法だけでなく、エンチャント能力にも効果があるらしい。
実際にミアの雷のオーラが凄まじいほどに、強化されているのが見て取れる。
「じゃあ早速!はぁぁあ!!よいしょーー!!」
"ドッガァーン!!"
ミアは目に見えない速度で、ベヒーモスの頭上に移動し大きく振りかぶった拳がベヒーモスの頭を貫いた。
その瞬間、ものすごい轟音が辺りを響かせ、土煙が辺りを包む。
すると、土煙でよく見えないが、ミアの声が聞こえてきた。
「なにこの威力!!すごい!すごいよ!ウグル!!あのベヒーモスが一撃だよ?!さっすが!ウグルだよ!!」
興奮気味に、土煙から出てきたミア。
どうやら【超】のつくバフアイテムは効果が100倍になるということを初めてミアに聞かされ、自分でも驚きを隠せないでいた。
「確かにすごいけど、ミアに【超】の付くアイテムはあまり使わないでおこう……」
それもそのはずだ、ベヒーモスはミアの雷属性もあってか粉々に吹き飛び、地面には隕石が降ってきたかのような大きなクレーターがあった。
こうして呆気なくして、ベヒーモスを倒した俺達だったが、ギルドに戻ると事件は起こった。
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