リレー小説企画5
リレー小説企画の第5話です。
初めに謝罪します。遅れてごめんなさいい<(_ _)>
歳がないので本当に良くない文章になっているかも知れません!あれ?ここ違くね?みたいな所あったら僕に言ってください!それか目を瞑って見なかったことにしてください(はは)
パソコンで下書きをして、用事があったので
外で投稿をしました。(だからスマホ投稿)
誤字は結構あるかもしれません。ごめんなさい!
あと、結構ネタを入れたかもしれないです。(ふざけた訳では無い)
いつもはネタ系あんま入れないんですけど
ちょっと.ほんのちょっとですよ?!入れました。
今日、4月○○日 柊翔と優美で花見。1時に駅集合。
壁に掛けられているカレンダーを見て僕はスマホを確認する。
12時15分、とスマホには表示されている。
「まだ時間があるな」
誰もいない無音な自室でポツリと呟く。無意識に暗い自室の中で1番明るいところに向かう。大きい窓を開け、暖かい春風が部屋の中に入り込んでいく。僕は深呼吸をして肺に新鮮な空気を充満させる。
この時期は僕にとって一番好きな時期だ。暖かい春風はものすごく心地がいいし、なんたって桜が咲く。
桜を見れば僕の心は落ち着く。でも落ち着く理由は分からない。ここ最近は桜が綺麗に咲いているので、謎の安堵感に僕はほぼ毎日包まれている。
「とりあえず準備するか」
僕は昨日の夜に用意した洋服に着替える。そして肩掛けバックに今日必要なものを詰め込む。
全ての準備が終わったところで、時計を見るとまだ時間が余っていたので、机の上にある読みかけの小説を手に取った。桜の木の柄が描かれているしおりが挟まっているページを開いて、読みかけの小説を読み返した。
「あ、行かなきゃ」
時計は12時45分を指していた。読んでいたページにしおりを挟んで机に置き、僕はドアへ足を運ぶ。誰もいないリビングを通り過ぎて、僕は玄関に行きスニーカーを履いて、いつも通り「行ってきます」と誰もいないリビングに呟いた。玄関の扉を開け、駅へと向かって僕は駆け出した。
「おせーぞ!」
「ごめんごめん!」
僕が駅に着いた時刻は1時ちょっと前だったが、柊翔が改札に歩き出していたので、僕は何も言わず柊翔の後を追った。
改札を抜けて、ホームに下りると、丁度よく滑り込んできた電車に僕らは乗り込んだ。
「・・・あのさー」
「ん?どうした?」
電車に乗り込んでからずっと部活動や、学校内のどうでもいい話をしていた僕らだが、
三駅目に電車が止まった瞬間、柊翔が急に静かな口調で喋り出した。僕は柊翔とは古い仲だ。柊翔が「あのさー」で話し始めた時は碌なことを喋らないということを僕は知っていた。
「お前ってさ・・・」
「う、うん」
正直、嫌な予感しかしなかった。
「櫻井さんに気があるんじゃねぇの?」
「・・・ちげーわ!」
やっぱり僕の悪い予感は当たってしまっていたようだった。
「本当にー?」
「ああ」
「告白する時は言ってくれよ?その時だけどっか行くからさー」
「あ、ありがとう・・・じゃねぇよ!」
「ナイスボケ!」
と僕がボケたわけでもないのに彼は親指を立てながらそう言った。
電車が動き出して少ししてからも彼は「いやーさっきはナイスな突っ込みだったなぁ〜」
とまだ言っていた。
もうボケなのか突っ込みなのかどっちなんだ。そう疑問に思いながら、とりあえず「それな」とだけ言っておいた。
その後も柊翔は僕が優美を好きということを前提に、クラス内の恋バナをしていた。否定する気も起きなかったので適当に「ははっ、それな」と苦笑気味に相槌を打っておいた。
気づけば窓の外にはビル群の間から、ちらほらとピンク色の桜が見え始めていた。
目的地に着き、駅の南口に向かって僕らは足を進めた。優美とは南口で待ち合わせとなっているらしい。あらかじめ優美と連絡を取ってくれていた彼に僕は感謝する。
「あれー?おかしいな」
「何かあった?」
僕の先を歩いてる彼はスマホを見ながら唸っている。
「いや、ここで待ち合わせのはずなんだよな」
彼はそう言ってあるものを指差した。彼の指先が向いている場所に目を向けると、そこにいたのはこの場所のマスコットキャラクターらしいぬいぐるみがポツンと立っていた。
ぬいぐるみの横に置いてある看板には『さくら⭐︎』とキャラクターの名前が書かれていた。
ドストレートなぬいぐるみを前にもう少しマシな名前あっただろ。てか、最後の星いるか?
もう僕はキャラクターの名前の疑問しか湧かなかった。
ドストレートキャラクターを横目で眺めていると、不意に誰かからバックを押しつけられる。
「わりぃ!トイレ行ってくるわ!なんか櫻井さん先に公園居るらしいから!先行っといて!」
「ちょっ、まっt....」
言い切る前に柊翔はどこかに走り去ってしまった。さっきトイレ行ったのにまた?あと、そっちの方向にトイレないぞ。と彼の背中を見送りながら思う。
しょうがないので僕は桜が見える公園に先に一人で行くことにした。
公園に着くまでの途中、公園までの道路には桜が2メートルずつ植えられていて、桜のトンネルみたいな光景に目を奪われた。
公園の入り口に着く。入り口付近を見渡しても優美はいなかったので、園内マップが書かれている掲示板を見つけ、『桜広場』と書かれている、いかにも桜が咲いていそうな場所に行くことにする。
「ここにいるといいんだけど・・・」
僕は祈るような気持ちで桜広場に足を踏み入れた。
広場に入って3、4歩歩いたその時、凄まじい突風が地面に落ちていた桜の花びらと共に僕を襲った。まるで台風みたいな突風に僕は思わずよろめき、下を向いて目を瞑った。
5秒くらいして、突風は嘘のように止んだ。
目を恐る恐る開け、突風が吹いてきた方に目を向けた。
すると、少し離れた大きい桜の木の下で1人寂しげに佇む女の子がいた。茶色のコートで身を包み、少し大人びた印象だ。
「あれは・・・優美?」
そう僕の視線の先には彼女がいた。櫻井優美が。
彼女は僕の方向とは反対の方に目を向けていて、彼女の後ろ姿はどこか寂しげだった。
僕は彼女の方へ歩き出す。僕と彼女の距離が5メートルくらいになったところで、僕は急に話しかけたら悪いと思って彼女に声をかけることにした。
「あ・・あの!優美!」
僕は彼女に必ず聞こえるくらいの大きい声で喋った。
「あ!やっと来た?」
優美はそう言って僕の方に笑顔で振り向いた。
「・・・っっ!!!」
僕はいつか昔のシーンが頭の中で回想した。
大きい桜の木の下で1人の少女が笑顔で自分の方に振り向いている。その少女の顔は優美にどこか似ていた。
「・・これは・・・いつの記憶だ?」
周りの目を気にせず僕はそう呟く。
昔、ここに彼女と来たことがある?だったらそれはいつだ?彼女は一体何者なんだ?
そういえば前に彼女は「また清春と桜を見れてよかった」そう言っていた。
あの優美の発言からしてやっぱり僕は優美と桜を見たことがある?
いくつもの疑問符が頭の中で浮かぶ。でも考えても、考えても答えは出ない。
僕のシンキングタイムは彼女の言葉によって終了した。
「なにボーっとしているの?」
「あ、ごめん。ちょっとね・・」
彼女が何か知っているかもしれないとも思ったが咄嗟に僕は言葉を濁した。
「ちょっとって何?」
僕の顔を笑顔で無遠慮で覗き込んでくる彼女に、僕は焦って言ってしまった。
「その・・・昔、一緒にここに来たことある?」
直後、僕はすぐに後悔した。なぜなら彼女が一瞬悲しんだような顔をしたからだ。だけどそれは錯覚と思える程一瞬で優美はまたすぐに笑顔になった。
彼女は微笑みながら優しく言った。
「完全に思い出すまで秘密だよ」
「それってどういう・・・」
こと?そう言おうとした瞬間だった。後ろからさっきまで聞いてきた元気のいい声が僕の耳に届いた。誰かと考えるまでもない。・・・奴だ。
「おおおおおおまったせー!!」
何故か『お』が多い彼のおまたせは、僕にとって最悪のタイミングだった。
「上手くいった?」
突如現れた彼の口から意味不明な言葉が発せられる。
「「どういう意味?」」
僕と優美が声をハモらせながら柊翔に尋ねる。でも彼が僕らの言葉を聞いた瞬間顔の表情がニヤニヤしているのに気がついた僕は嫌な予感がした。彼から碌でもないことを言われるのを察したからだ。
「こ・く・は・く・に決まってんじゃん!」
「「・・・・・・・・」」
柊翔、後で覚えてろよ。
心で彼をそう脅した後、僕ら3人の間に気まずい沈黙が横たわる。
「え、あ、ご、ごめん!失敗したの知らなくて・・・」
「失敗してねぇわ!」
僕が告白したのを前提に話をする彼に、もう我慢できなくなって僕は口を開いた。
「えっ?!成功した系?まじか!」
「そもそも告白してないから」
手で口を覆いジャンプして勝手に盛り上がっている彼に、僕は必死に本日2回目の否定をした。
僕が告白?いや、たしかに、前に桜を見たことある?とは聞いたけど・・・。
彼の言っている『告白』とは、男女のどちらかが異性に対して『好き』という伝えることだろ?
たしかに彼女は可愛いけどさ・・・ってなにを考えているんだ僕は。
「清春に告白されたんですよね?」
柊翔は僕の口に無理矢理手を当てて優美に問いかける。
「ぢがんっでいっで!」
柊翔に口を押さえられ思うように言葉を喋れない。ましてや別の意味にも聞こえてくる。
優美は指を顎に当てながら考えている素振りをして、少し間を開けてから口を開いた。
でも、彼女が口にする言葉は僕の予想とは違う返答だった。
「うん!告白されたよ?」
悪戯っぽい笑顔を浮かべながら優美はそう言った。
「おおおおおお!お前やっぱり大胆だな」
「違うから、なにも大胆じゃないから」
何一つ腑に落ちなかったが、僕らの会話を見て笑っている優美を見て、これはこれでいっか。と思いながら桜の花びらが舞う晴天の空に向かって仰いだ。
「んじゃ、色々解決したし行こーぜ!」
一体何が解決したのか分からなかったが柊翔の一言で僕ら3人の花見は始まった。