まだ一度も逢ったことのない あなたに
抱き合わなくてもいい
唇を重ねなくてもいい
見つめ合う必要すらない
あなたの心に僕の心を重ねる
それだけでいい
僕たちは逢う必要なんてない
何もいらない
あなたの真っ直ぐな視線も
あなたのレモン色の吐息も
あなたの素肌のぬくもりも
あなたの愛すらもいらない
僕はあなたにそう言ってきたはずだ
なのに
あなたに
あなたに逢いたい
あなたの瞳を見て語り合ってみたい
本当のことを知ってしまったのに
僕はあなたに逢いたいのです
この星のどこかで
この冬空に輝くシリウスを一心に見つめているはずの
まだ一度も逢ったことのない
あなたに
もちろん僕は知っています
決してあなたに逢ってはならないことを
けれど
僕も本当はあなたに逢いたいのです
愛するあなたに