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さまざまな短編集

最強の冒険者ですが“男性恐怖症”でダンジョンに潜れません!

作者: にゃのです☆

 かっこいいからって何でも許されるわけじゃない!


「ねぇキミ。ぼくと一緒にパーティー組もう」

「嫌です」

「じゃあ俺と組んでよ!」

「嫌です」


 通りを通るだけでイケメンが続々と声をかけてきてくれる現状はいい。

 普通ならウキウキする場面になるんだろうけど。

 私はある欠点がある。

 それが“男性恐怖症”なのだ。

 小さい頃からずっとこれがある。

 例外はない。

 赤ちゃんだろうが、おじいちゃんだろうが体に障られると拒絶してしまうのだ。

 

「はぁ……」

「ははは! そんなため息ついてまた見つけられなかったのかい?」

「女将さん……自分が悪いんです。こんな特異体質なので……」

「パーティーが組めなきゃダンジョンは潜れないしね。おまけに規定が規定だし」

「誰が作ったんでしょうね。“パーティーは最小単位を男性、女性のペアとする”なんて書いた奴」

「ははは! どこでもそんなもんだろうさね!」

「私の冒険がぁ~」


 そう。ダンジョンに潜るにはペアは男性とパーティーも男性女性が必ず一人はいないと入れない決まりになっているんです。

 イケメンが近寄るのは私の容姿がいいからではないんです。

 他国のダンジョンに行く途中で冒険していたりしてレベルで言えばマックスの状態でダンジョンにあるような伝説的装備だらけ。

 ただ、それが目的なのです。

 お金もいっぱいあるし、別にダンジョンに潜れなくてもいいんだけど。

 冒険とか、みんなと楽しく攻略したいのにぃ~!


「でも、その体質じゃね~」

「一回だけ男性とペアになって潜ってみたけど、ダメだった。離れて行動すればいいと思っていたんだけど、距離とかの問題じゃないみたい」

「そうかい。まぁ、運命の王子様に出会うといいね」

「女将~!」

「ははは! 今日も付き合ってやるさ! 飲もうじゃないの!」


 こうして今日も終わっていく。

 飲んで寝て、潜ることができないダンジョンを見て悔しがって。

 そんな生活……いったいいつまで続ければいいのだろう?


 

 次の日は、様子が一変していた……。


「あ、あのぉ、ここは何処ですか?」


 肩を叩かれて、振り返ったら同い年くらいの男の子がいた。

 って、え? 

 拒否反応が……ない?


「大丈夫です? 聞こえてます? あ、もしかして言葉がわかりませんか?」

「大丈夫……だけど、あなた誰? 何者?」

「あ、ボクは知らないうちにここに来ていたんですよ。転生? みたいな感じです」

「ちょうどよかった! 私と一緒に来て! ダンジョンに潜って!」

「え? わッ!」


 私が初めて男の人と手を握った!

 拒否もない!

 これで念願だったダンジョンに潜れる!


「あの! ペア登録お願いします!!」


 息を切らしながら、ダンジョン参加申請係に飛び込んだ。


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