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楽園を略奪されたので奪還します  作者: 留意茶
1章:いざ、学校!編
21/62

尋ねてみた

そろそろ設定が矛盾しそうでビクビクしています。

 学園長の部屋の前に来ました。

 ドアを3回ノックする。

「誰でしょうか」

「リュークです。リリア、ヨシュア、ルナマリアもいます」

「ああ、入っていいよ。」


 四人で部屋に入る。やはり相手は学園長をするだけのことがあって、相応の威厳がある。緊張しないわけがなかった。


「まあまあ、そんなに緊張しないで、そこに腰掛けてくれ。今日は話があるんだろう?」


 それに気づいた学園長が座るように促す。


「ありがとうございます。」


「いやいや、とりあえず、例の件について話をしようじゃないか。どこまでわかったんだい?」


「はい、よろしいでしょうか。」


「いいよ、どうぞ。」

 許可をもらったのでここに来るまでに考えた内容を学園長に話す。


「まず、魔法の発動ですが。最初から最後までイメージ、つまり思念だけで作るものの方が途中で術式が入るものよりもより強いことがわかりました。」


「ほうほう。で、続きがあるんだろう?」


「ええ。まず、思念で作るものは魔力が小さく、濃くなるようになっていました。小さくなるかは別として、濃かったです。対する術式入りの魔法は薄くて、全体に満遍なく広がっている感じでした。」


「へえ。そこまでわかったんだ。予想以上だったよ。」


「そして最後に、思念のみで作った魔法は術式入りの魔法より高レベルの同じ魔法を使えることがわかりました。先生なら僕がやったこと、さっき理解していたのでしょう?」


「そこまでわかっているのなら、充分に合格を上げれるね。そうだね、君がさっきやったのはおそらく……

 最高Lvの術式ありの魔法と、それと同じ魔力量の術式無しの魔法の組み合わせと、

 最高Lvよりちょいと高めのLvの術式ありの魔法と、それと同じ魔力量の術式なしの魔法の組み合わせを出したんじゃないかな。」


「お見事です。さすがですね」


「いや、僕としてもあの規模の魔法を使われるとは思ってなかったからね、あの魔法、見事だったよ。それに今日1日でそこまでたどり着いたというのも高評価だね。」


「ありがとうございます。ただ、ひとついいでしょうか。」


「どうしたんだい?」


「どうして術式が混ざる魔法は火力が下がるのか、そしてなんで先生がこのことを仄めかす発言をしたのか、確信できないのです。」


 そうなのだ。魔法が強くなるのはいいことだが、その原理とどうしてそれを示唆するようなことを言ったのかが不明だったのだ。これは聞かないといけないだろう。


「リュークくん、君はどうして術式を混ぜて魔法を使っているんだい?」


「それは、ムラが出たからですね。今はどうか、もしくは使い続けていたらどうかはわからなかったですけど。」


「僕の見た感じだと、君の……君たちの魔法は魔力を利用して記述してるよね?」

 確かにそうしている。だがそれが答えになるのか?

「えーと、それがどうかしましたか。」


「それがほとんど答えなんだよ。

 いいかいリュークくん。魔法は魔力でイメージを現象にする力だよ。

 そして君は魔力を使って現象を引き起こすんだ。

 記述があるなら、二つのイメージでね。

 でも、二つのイメージを現象にするのは無理だ。

 そこで、安定性を重視した記述の方に魔力を合わせる。

 すると、一部の魔力はそのイメージのすり合わせに使われるんだよね。

 だから記述があると火力が下がるんだ。」


「……なるほど、ではこのことを示唆したのはなぜですか。」


「まあ、簡単に言うと君には魔法の使い方を知って欲しかったからね。

 魔法って言ったっていろいろあるだろう?

 使い方から効果、その他も拘ればいくらでもあるからね。

 君には思念と記述とのハイブリッドの魔法だけで満足して欲しくなかったんだよ。」


「ありがとうございます、先生。」


「礼には及ばないよ。僕だって君たちみたいな優秀な生徒が入ってきてくれて嬉しいからね。

 あ、そうだ。君たちにいいことを教えてあげよう。

 思念だけで作った魔法は最大火力が高いんだ。

 でも安定するかと言われるとそうでもないだろう?

 だけれども記述を混ぜると火力は下がって、細かい指定ができるようになるんだよね。

 だから細かい調整には記述が混ざってる方が楽だね。

 でも怠けないで思念だけで構築したりもするんだよ?


 これをうまく使い分けるのが最初の目標かな。

 ちなみに、同じ魔法、たとえばエレキボールを思念だけで作ったとしても、記述が混ざってるほうのエレキボールのLvは上がるからね。

 そもそも魔法Lvっていうのは安定して使える上限の指標だから、無視もできるんだよ。苦労はするけどね。」


「先生……何から何まで、ありがとうございます。」


「ふふ、これで僕の知っていた知識はほとんど使っちゃったんだよ。不甲斐ないことにね。だから君たちが新しい運用法を思いつくのを楽しみにしているよ。」


「「「「がんばります!」」」」


「ははは、これは頼もしい。期待しているからね?」




 その後はあったら便利な魔法を5人で考えた。まだ出来てはいないが、完成したらすごく楽になるな。



「ありがとう、楽しかったよ。またおいで」

「それではお言葉に甘えて、また来ますね。失礼しました。」


 ─────パタン。



「「「「ふぅー……」」」」

 扉がしまった瞬間、四人揃って安堵の表情を浮かべた。


「学園長の前だったので流石に緊張しました……」

「まあ、担任なんだけどね。」

「先生の魔法の発想が面白かったの。」

「いやー、まだまだ学が浅いって思い知らされたよね」


「あれ、でもみんなやりきった、みたいな満足した顔だよね。」

「そりゃそうだろ、やっぱり魔法の話で盛り上がるのが一番楽しいわ」

「私は魔法は二番目なの、一番は家族なの。」


 最後の最後でリリアがいい子だった。思わず抱きしめてしまったよ。

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