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楽園を略奪されたので奪還します  作者: 留意茶
1章:いざ、学校!編
17/62

入学試験!

 試験当日です。


 ここ1週間の間は冒険者ギルドで登録をして各自で依頼をこなしつつ街に慣れ、金を稼ぎ、鳴かない閑古鳥亭で食事をとって……といった感じでした。


 さて、今、俺は魔術学園の入試会場にいるのですが。

 人の多いこと多いこと。少なくとも500人くらいは、いるはずだろう。

 ちなみに魔術学園と武術学園の毎年の入学者は200人ずつとなっているそうだ。

 しかし、学園の毎年の卒業生の数は約150人となっている。残りの50人は退学か留年している人だ。


 自分達の順番が来なくて暇だったので転移魔法の構成を考えていると、順番が回ってきた。


 入学試験は1次と2次に分けられている。

 1次では的を狙った魔法の発動をするらしい。

 ここで大体の魔法に関する能力を計るということだ。

 2次では対人戦となる。父さんがこの前に使った全部なかったことにするフィールドで学園の中でも上位の生徒と試験官の先生を相手にする。勝てなくても入学はできるらしいが、ここは勝っておきたいところだ。


 名前を呼ばれた俺とリリアは、他の知らない人と10人のグループになり、横一列に並んで的に向かって魔法を使うように指示された。

 正直な話、他の8人の魔法は粗末なものだった。

 的に届かないもの、的から大きく逸れるもの。当たったとしても貫くことも壊すことも出来ずに霧散するもの。入学前だからこんなものなのか?そこんところどうなの学園長!


 次にリリアが魔法を使う。使ったのはロックオンとエレキボール。

 的に向かって一直線に飛び、的の中心を的確に破壊した。

 ほかの受験生たちがどよめく。もしかしたらステータスだけで見た場合に、リリアのステータスは異常なくらいに高いのかもしれないな。


 だとすると俺が魔法を使う場合、本気でやると不味いかもしれない。

「あ、でもウインドアローならいけるかもな」


 最後に俺の番が来た。エレキボールを使ったりしたらどうなるかわからないので、自重してウインドアローを使う。

 的の耐久は見た感じそこまで高くないはずなので、軽く20本ほど展開する。

 そしたら的を満遍なく貫くように発射。


 ─────決まった。


 的は綺麗な形にバラバラになった。

 我ながら満足のいく結果になったと思う。


 問題なく1次試験を通過して昼頃に2次試験の会場に連れられる。

 2次試験を受けることが出来るのは300人だ。

 この人数が10のグループに分けられて1vs1の試験を受けるようだ。

 試験時間は最大で5分。長くても3時間かからないようだ。


「リリア、緊張してないか?」

「大丈夫なの。兄様は心配しすぎなの。」

「そうか、ところでリリア。新しい属性の攻撃魔法を増やそうと思うんだけど、どう思う?」

「三属性までなら十分に育てられると思うの。でも兄様ならもっと出来ると思うの。兄様は魔法育成の変態なの。」

「リリアさんちょっと容赦なくないっすか」


 最近うちの妹が強い気がします。兄の立場が危ういです。


 試験官の先生と生徒だが、なんで足を止めて魔法を使うかが俺にはわからない。あれでは的になるだろうに。一体どういう訓練をしたらああなるんだ。


 そうこうしてるうちにリリアの番が来た。

 相手は試験官の中では一番強いであろう先生だ。

 試験が始まる。


 リリアの エレキボール !

 試験官の 先生は 倒れた!


 一瞬で終わった。呆気なかった。

 リリアの試験が終わったのですぐに俺の番になる。

 相手はリリアと同じ先生だ。よく見てみると膝が震えている。どんなふうに攻撃したらあんなに怯えられるのよ。リリア、恐ろしい子。


 試験が始まる。試験官が魔法を使って来たので、とりあえず全部受けつつ、近づく。

「(ヒールボール)」

 ヒールボールを使って回復をしているので、すぐにHPが満タンになる。先生、火力が低いです……。

 そのまま試験官の腕をつかんで、パラライズを使う。

 膝から崩れ落ちる試験官。だが粘った!しびれる足を無理やり動かして立ち上がる。すごいぞ試験官!がんばれ試験官!


 でもこれ以上試験をやるのもめんどいので、すぐに終わらせよう。

 なんかいい大人が震えながら涙目で立ってるの見てても辛いしね。

魔力の糸(マナストリングス)」「エレキボール」

 体に糸を巻き付けて電気を流す。

 光の粒になって消えていく試験官。場外で復活した。


「うわぁ……」

「みたか?さっきの。ゾンビみたいに回復してたぜ?」

「ひどい……」

「なんという鬼の所業」

「化物!」

「鬼畜!」

「俺、あいつに目をつけられないようにするわ……」


 ほかの受験生、みんなドン引きしてたよ……みんな、そんなに驚かなくてもいいじゃないの。





 一方ジュリア達はというと────



 今日は試験当日です。リューク達は余裕で合格できるとはおもいますが、やっぱり不安です。


「兄さん達、大丈夫かしら」

「あの兄さんが落ちると思うかい?」

「全く想像ができないわ」


 そんなことを言っている兄妹は置いておくとして。

 試験内容が内容なのです。正直なところ、これはひどいです。

 まず1次試験は重量挙げ。ここで大体の人数が決まります。

 最低でも40kgを持ち上げないとダメみたいです。

 2次試験は模擬戦です。先生と生徒から選ばれた試験官と戦います。

 リューク以外の人には負けたくないので瞬殺します。


 まず1次試験が始まりました。

 ダリアが60kg、デルタが70kgを持ち上げて褒められています。

 負けたくないので一番重い150kgを片手で持ち上げたらドン引きされました。


 次に2次試験。

 ダリアが相手の試験官を気絶させ、デルタが相手の試験官を気絶させ、私が相手の試験官を制限時間いっぱい全力でサンドバッグにしました。

 これで相手の試験官の耐久も上がったはず。そう思って振り返ると、やはりドン引きされていました。

 あーれー?こんなはずじゃなかったのになー。


 もちろん試験には合格しました。


 試験終了後───────


「ジュリアー、試験どうだったー」

「呆気なかったわ、ところでそっちはどうだったの」

「呆気なかったな。ドン引きされたけど」

「あ、そっちもだったのね。なんか私たちって結構あれな方法でステータス上げてたっぽいのよね」

「たしかに結構あれだとは思うぞ?なんて言うの、ええと、そう。非常識とか頭おかしいとかそんな感じ」

「ああ……」


「兄様たちはもう少し自重した方がいいの。」

「特にジュリアさんは怖かったよ。だって試験官ビシバシ叩きながら笑ってたし……」

「兄様たちは結構ずれてるからね!気をつけた方がいいわ!」



 今度からは自重しよう。そう心に決めたジュリアとリュークでした。

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