この国の成り立ち
司祭のリヒティーさんに連れられて教会(安土桃山城の天守閣)内部に入るとそこは外観とは打って変わって、普通のキリスト教などの教会となんら変わりの無い造りになっていた。
「意外でしょ?外観はあんなのなんだけれど、内装は吹き抜けで他の教会の礼拝堂と変わらないんですよ」
内部の造りは、壁に沿って回廊や階段が設けられているが上まで吹き抜けの造りになっていて木を主体とした落ち着いた西洋の教会の構造になっていた。
「確かに・・・内部は普通なんですねぇ、外観とはまるで違うんですが何でですか?」
「この教会はこの国が700年前の革命で初代女王様と共に戦ったとされる渡り人の方が好きだった建造物を真似ていると聞いています。革命成功後に病死されたようで、その時に彼を慕っていた人たちが作ったらしいので、改築とかできないんですよ」
「へ~・・・・」
(なんだ、渡り人の奴がセンスが無いイカレた奴ではなっかたようだ。先っきは心で罵倒してごめんなさい見知らぬ同郷の人よ・・・・)
そんな事を話しながらリヒティーさんの案内の下、礼拝堂の奥へと歩みを進める・・・
「あっそういえば結局、聞いていませんでしたが今日はどういった御用だったのでしょうか?」
「そういえば話していませんでしたね・・・私達は教会も無い小さな集落で育ったもので、未だに魔法が使えないんですよ・・・なので魔法の解放儀式のお願いに来たのですが」
「そうゆうことだったんですね、では儀式の間に行きましょう儀式自体は直ぐ終わるのでお布施の方はできれば、お1人様20クートからお願いします。後はお気持ちで・・・・」
「あれ?お金っているんですか!?聞いた話では無料と言われたのですけど・・・」
「えぇ・・・建て前上は無料なんですが、教会といえどやはりお金は必要なので・・・お布施っとゆう形で頂いています。」
「あぁ・・・なるほど・・・・」
「・・・?なぁ志信、お布施ってなんだ?」
「えっ?あぁ・・・お布施ってのはまぁ教会を利用する時の代金みたいなモノかな?教会は弱きを助け人々に安寧と救済を胸としてるけど、何をするにせよお金は必要だろ?けれど弱者からはお金はもらえないし取るつもりもない、だから建て前としては無料で誰でも利用できるけれど実際は利用した人の気持ちしだいでお金を払ってもらうってやつだな」
「ん?気持ちしだいでは人によってでは払わなかったり、1クートだけ払う人もいるのではないか?それでは実際は全然儲からないし、意味が無いじゃないか?」
エルの疑問にリヒティーは微笑みながら答えた。
「そうですねぇ・・・確かに中にはそうゆう人もいるでしょうが、やっぱり誰にでも罪悪感ってのはあるじゃないですか、たとえ無料だといっても目の前にお布施箱が置いてあり回りの人が払ってる中で自分だけ払わない人はなかなかおりませんよ、それに人は他人から好かれたいとか良く見られたいとかって気持ちがあるので、お金を持っている人・地位の高い人程・・・見栄で大金を払って自分はイイ人アピールをしたがるものなんですよ」
「・・・・リヒティーさんって意外と・・・その、なんてゆうか・・・」
「言葉が辛らつですか?又は不信人者?それともリアリストでしょうか?どちらにせよこれくらいの心構えでないと男で司祭なんてやっていられませんよ、実際この国は奴隷や貧民はいませんが小さな村では困窮して暮らしている人も居ますし、魔物や魔獣に襲われ治療できずに亡くなる方もいます。そういった人を全員助けることは不可能ですから、私はせめて自分の目で見える範囲の人だけでも助けたいのです。たとえそれが偽善と分かっていても・・・ね」
「「!!!?」」
「って、リヒティーさんて男性だったんですか!?」
リヒティの突然のカミングアウトに驚愕する2人・・・
「えぇそうですよ?見えません?」
「全然気づきませんでした。その・・・凄く綺麗でしたから・・・」
「あら、嬉しいこと言ってくれますね♪でも普通の人は一目で分かってしまうんですよ?」
「え?」
「お2人は町は初めてみたいなので知らないかもしれませんが、男性で女性の格好をしている人は必ず見える所にアクセサリーで、このマークが付いた物を身に着けなければならないって法律があるんですよ」
「へぇ~ そうなんですか・・・・」
そう言って見せてくれた指輪には薔薇の後ろにバツ印が入った物だった。
「これで間違って女性だと思って求婚やナンパされるといったトラブルが無いんですよ。革命後今のように女性上位主義で男性でも女性の用に美しければ優遇されるといった法整備が行われたのですが、最初の頃はかなり差別や偏見での事件が大かったと聞いております。」
「すまない話の腰を折ってしまうのだが・・・女性上位主義の意味が私には分からないのだが、女性が立場が上だとなにか良い事があるのか?兵士にしろ畑仕事にしろ男のほうが体力も力も強くて、この町のように女ばかりが兵士だと、いざとゆう時に対処できないのではないか?」
「・・・・・・・もっともな疑問ですね・・・確かにそれはあります。けれど女性でも私のような力の無い男でも魔術刻印等で強化された装備や武器を使えば遜色なく戦えます。けれど・・・元々屈強な男性が装備したほうがさらに強いには確かな事ですが、この女性上位主義には弱者救済や他の秀でた技能の無い者にたいしての拠りどころにもなっているのです。」
「・・・・・なるほど・・・・・つまりは容姿も才能のうち、そして経済活性の意味もあるんですね?」
「まぁ、良くお気づきになられましたね」
「?・・・何で女性上位主義が経済の活性に繋がるのだ?才能のうちとゆうのはなんとなく分かるが・・・」
「それを詳しく説明するにはこの国の成り立ちを説明せねばなりませんね・・・」
リヒティーはこの国の始まりをゆっくりと語り始めた・・・・。
この国の名は"ウテロ"・・・革命によって独立した国だ。元は"リベラリズモ"とゆう国だったらしい・・・この国は典型的な軍事国家で男性中心の力こそ全てが支配する国だったらしい、力が強ければハーフだろうと何だろうと上へ上れるある意味自由な国だった。
しかしそれは弱い者、貧しい者に鞭打つそんな国だった。そんな時に当時奴隷だった初代女王と渡り人が民衆を纏め上げ革命を起こし、見事当時の国王や王族・貴族や騎士達を倒し革命を成功させたのだ。
そして初代女王は奴隷制度を廃止し、軍国化を止め、民衆が暮らしやすい国作りを目指して"女性上位主義"と"美人厚遇"を布告したのだ。この法律の優位性はまず誰でも美人ならば騎士でも貴族でも上位の地位になることができるっとゆうことが1番に上げられる
普通女性で美人ならば結婚は略できるし、上手くすればシンデレラストーリーのように玉の輿を狙えるが、もし女にしか見えないやせっぽちの男が場合どうだろう?力も無くなよなよした男は女性からの恋愛対象からは外れるだろうし稼ぎも悪いだろう・・・しかしこの"美人厚遇"のおかげでそんな人物でも普通の生活が送れるとゆう訳だ。
力や知恵など自分で切り開ける才能を持っている者ならば、どんな場合でも可能性がある・・・だが容姿がいいだけの人間では自分でどうにかすることは難しく、力や知恵で成功した者に見初められるくらいしか方法が無いのだ。
女ならばこの方法でどうにかなるが、男となると・・・である、そしてこの制度が経済に効果があるというのはちょっと考えれば誰でも分かることだろう・・・美しければ美しい程、優遇されるのであれば誰もがもしかしたら自分もと思い挙って美容関連の品物を欲しがるだろうし、それを手に入れるため努力するだろう・・・しかもこの制度は、もし自分の子がそうして優遇されたら親もその恩恵に預かれるのだ。
故に子は自分のため、親は子のため額に汗して働くのだ。そしてなにより美容関連の商品は消耗品だ化粧道具も肌を手入れする物も・・・それがたとえ安い物しか買えなくともそれが経済を回すのだ。
事実初代女王は奴隷からのし上がったのだし、当時の革命に参加した者の殆どが一般市民だったからそれらの革命に貢献した人物達は貴族なり領主などになれたし、たとえ近親者だったとしても何人かを農民出や村人から貴族や騎士にしてやれば、その噂は国中を駆け回りもしかしたら自分もと考える人物は多いだろう・・・ そうすれば生きてゆくのに希望が生まれるし、そして容姿で優遇されるならば種族やハーフといった差別感情も薄れるといった側面も持つのだ。
「っと、これが女性上位主義が経済効果があるとゆう理由になるわけです。」
リヒティーは掻い摘みながらも、分かりやすくこの国の始まりと制度のことを話してくれた。
「・・・・いっ一応納得ができた。教えてくれてありがとう・・・・」
「エルゥ~?本当に理解できている?途中から頭の上にハテナマークが飛んでいたように見えたけど?」
「うっ・・・そんな事はないぞ!十分に理解した。さぁっそんな事より早く儀式を済ませてしまおう、急がないと今夜泊まる宿が無くなるかもしれないぞ!?」
ワタワタと焦りながらエルは無理やり話題を変えようとしていた。そんな姿を見て志信とリヒティーは顔を突き合わせて笑っていた。
「フッフ・・・そうね、今日はこのまま南の宿町を回ってみましょうか・・・」
「ンッフフ・・・あれ?お2人はまだ宿を決めてなかったのですか?」
「えぇ・・・昨日この町に着いたのですが、昨日泊まった宿は1日だけなら空いていると言われたのでまだ今夜の宿を決めてないのですよ」
「それならば、今夜はこの教会に泊まれてはいかがですが?」
「教会に・・・ですか?」
「えぇ!建国際で何処も彼処もお宿がいっぱいで大変でしょ?それで本来は旅の信徒用の宿舎を開放して簡易宿として利用できるんです。まだお部屋は空いていたと思うのでいかがですか?」
「それはありがたいです。昨日みたいにまた歩き回るのかと覚悟していたものですから」
「それでは1泊お一人様80クートになります。」
にっこりと満面の笑みでリヒティーは両手を差し出してきた。
「あっ・・・やっぱり料金はいるんですね・・・」
「勿論です!さらに、お布施を弾めばお食事とお部屋の質が変わるかもしれませんがいかがですか?」
「ぬ・・・抜かりないですねぇ・・・・それじゃあ儀式代と合わせて120・・・・」
「えっ?200・・・・?」
「ック・・・・230クートでいいですか・・・・・」
「まいどありがとうございます♪お2人に神の祝福が在らん事を♪」
はちきれんばかりの笑顔でお金を受け取ると、リヒティーは跪き神に祈りを捧げた。そして2人を儀式場へと案内するのであった・・・。
俺はたった1日の話にいったい後、何話書くのだろ・・・答えてくれゴヒ!小説家になろうは答えてくれない・・・俺は後何回この凡庸な頭をフル回転させるのだろう・・・・ (`・ω⊂)