不細工は罪!?
「志信、森を抜けるのに後どれ位の距離があるか分かるか?」
「ん~・・・"町村検索"の矢印の色が薄い黒だから100㌔は切っているから・・・地図の縮尺から考えれば1日はかからないと思うけど・・・」
「そうか・・・この聖樹の分け木が大分弱っているから2日持たなさそうだから不安だったのだが、それならば明日は日暮れになったとしても無理して森を抜ければ大丈夫そうだな」
「うん、それじゃ明日はいつもより早めに出発しよう」
志信とシリエルが森に入りすでに4日が過ぎ、隠蔽等のスキルを駆使しつつどうにか2人は魔物を回避しながら森を進んでいた。
(ホント森に入ってからスキルが鰻登りに上がっているお蔭で昨日は一回も魔物に襲われずに済んだから、このペースを維持すれば明日には森を抜けれるだろう・・・たぶん)
因みに現在のスキルはこんな感じになっている
スキル
斥候6:(気配察知・危険察知・精神耐性に補正効果、器用・知力・俊敏+40)new
危険察知4 :(身の危険を感じるエリア・物・者に対して事前察知できる)new
探検家5 :(危険察知補正効果、疲労軽減)new
見習い剣士3:(剣を装備時攻撃+10装備品に対して重量軽減(微))new
詐欺師7 :(話術を用いて他者を欺く、器用・知力+35)
隠蔽9 :(自らの存在や形跡・姿を他者から認識されにくくなる)
御庭番4 :(気配を消し、足音を消音でき他者に発見されにくくなる、俊敏+80)new
曲芸師2 :(不安定な足場でもバランスを取れる、俊敏+30)new
仙術師5 :(気を極めし者、気で肉体や装備を強化、気配察知に補正効果)new
気配察知EX:(周囲150㍍以内のありとあらゆるものを認識できる)
暗視3 :(暗闇で明かりが無くても周囲を見ることができる)
家政夫EX :(調理・掃除・洗濯等の家事及び雑務に補正)
料理長2 :(調理時に仕込・調理の時間短縮、調理時防御・俊敏・器用・知力プラス補正)new
樵6:(木の伐採、剪定補助、斧・鉈装備時攻撃にプラス補正)
闘士1 :(攻撃・防御・俊敏+20)new
薬師1 :(薬・ポーション製作補助、及び薬草類の鑑定、薬・ポーション服用効果UP)new
農夫6 :(田畑の維持や開拓の大幅補助、植物の成長大幅促進、器用+40攻撃+20)
庭職人5 :(植物の剪定や採取大幅補助、器用+40)
裁縫職人8 :(布・皮製品を加工製作大幅補助、器用+40)
一級建築士4:(建物の建築・解体大幅補助、HP+40 防御・器用+35)
何でもできる!8:(何でもできるようになる やったね♪)
町村検索EX :(近辺の町・村の距離、方角をしめす指針が表示される、地図と併用できる)
精神耐性8:(呪・魔術による攻撃効果を和らげる、精神汚染を防ぐ)
毒耐性4 :(外部・内部からの毒による攻撃を防ぐ、ブレス攻撃に若干耐性あり)
忍耐EX :(逆境になればなるほど、防御力が上昇する、敵のクリティカル攻撃を高確率で無効)
器用貧乏EX :(多種多様のスキルを身に着けられるが、達人にはなれない、器用に対して上昇効果)
逆境8 :(追い詰められるほど身体能力が上昇する、常に幸運を-8の状態にする)
賢者6 :(様々な知識を持つ、知力+30される)
鑑定EX :様々な物の補足説明等を知ることができる)
(正直な感想はスキルが増えすぎてすっごく見ずらい・・・まぁ、とりあえず色々と役立つスキルが増えたので今後Lvが上がればこの世界で生きてゆくのに不便は無いだろう・・・御庭番、曲芸師、仙術師、料理長、薬師は元のスキルがEXになったので上位のスキルに変化して、上の4つのスキルは森に入って新たに入手したものだ。
見習い剣士は剣を持って魔物の攻撃を何回か防いでいるうちに取得したので槍とか弓とか今後使っていけば同様のスキルが手に入るかもしれないが、おいおいでいいだろう今は森から生きて抜けることが先決だからな・・・そういえばエルの話では、エルのスキルも俺以上に多いらしい・・・爺さんがどれだけエルの事を心配して大切に思っていたのかがよく分かった。
さてと、飯も済ませたから今夜はもう寝るとするか)
「エルそれじゃそろそろ寝るか、明日は夜明け前に出発すれば夕方には森を抜けれるはずだから」
「分かった。それじゃ今日も2時間交代でいいのか?」
「あぁ、今日は先に俺から見張りをするよ」
「そうか?別に今日も私で構わないぞ?」
「いや、明日は強行軍になるからエルはしっかり休んでおいてくれ・・・いざって時戦えるのはエルだけだから」
「ふむ・・・分かった。それではお言葉に甘えさせてもらおう、おやすみ志信」
「あぁ、おやすみ・・・エル」
数分も経たずしてエルはスヤスヤと寝息を立てながら眠りについた。
(毎回思うが眠る速さはのび太君並みだなぁ、ホント幸せそうな顔して眠っちゃって・・・明日になれば森を抜けて街道に出れるはずだからようやく人心地つけるかな、一緒に転移した奴らは今頃どうしているのやらまっ俺には関係ないか、人の生き死にが拘わる時にすら平然と遊び半分で切り捨てる奴らなんか如何でもいいか・・・)
そんな事を考えながら志信は焚き火に薪を入れ、周囲の警戒をしつつ森での最後の夜を過ごした。
ハァッハァッハァッハァッ
「クッソ!もうちょっとって時に!!」
「ぼやくな!森の切れ目が見える、こいつらはアンデット系だから日の光が多い所にはハァ、ハァ出て来れないっ テヤッー!!」
夕方に差し掛かった頃ようやく森の端が見えた時2人にスケルトンハウンドの群れが襲い掛かってきた。エルは志信を守りつつ襲い掛かって来るスケルトンハウンドを切り伏せながら出口へと急いだ。
「エルあと少しだ!このまま飛び出すぞ!」
「分かった!」
2人は森から勢い良く転がり出てすぐさま振り向き身構えたが、スケルトンハウンドは森から出てこず恨めしそうに睨むと森へと引き返していった。
「助かったか・・・・はぁ~、なんとか森から出れたー!開放感のある景色最高~!!」
「・・・・・これが外の世界なのか・・・・凄いな・・・」
「あぁ・・・そうだな、元の世界でもこんな景色は俺も見たことが無いよ・・・」
森を抜けた先は緩やかなひらけた丘陵地帯になっており、麓に奔る街道が地平線の彼方まで続いていて、そこにゆっくりと日が沈んでいた。
「夕日とは綺麗なものだったのだな・・・・」
「・・・・・あぁ本当に綺麗だな・・・・」
2人は日が沈みきるまで見つめ続けていた。そしてとっぷりと日が暮れてからようやく町を目指し歩き始めたのだが・・・・・・・・・・・・
「なんでじゃー!!!!?俺が何をしたんだ!」
「だまれオークめ!町にモンスターなど入れられるか!!どんなに人間のふりをしようともこの目は騙されんぞ!」
「っ・・・・・て、またこのオチかよぉぉぉぉぉ!!!!!!」
「こら離せ!そいつはモンスターでは無い!離せぇぇぇ!!!」
「暴れるな!お前の審査は終了していない、早くそのオークを連れて行け!喋れて変装できるオークだ念の為判断は隊長にしてもらう、隊長が来られるまではとりあえず重罪人用の牢屋に入れておけ」
「「「はっ!!!」」」
「こら、キリキリ歩け!オークが!!手間をかけさせるな!」
「くっ、エル!心配するなっ・・・んぐっ、お前はとりあえず宿で待ってっん゛ん゛ん゛ん゛」
2人はようやく町についたのだが、やっぱりと言うか案の定と言うべきか不運にも志信はオークと勘違いされ兵士に連行されてしまった。
はてさてどうなることやら・・・・
次回一応TS回の予定・・・・おそらく・・・たぶん・・・