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異世界で自由気ままな目録記  作者: MOMO
11/35

いざ!出発!!

 





 「で、どうすればいいの?」

 「まずは爺さんのアイテムBOXを探してからだな、とりあえず俺が持っているこれと似たのを探してくれ鑑定すればアイテムBOXかただのカバンか分かるから」

 「わかったわ、手始めにじい様の部屋を手分けして探しましょ」

 「はいよ」


 っと意気込んで爺さんの部屋に入った2人だが、分かりやすく部屋の真ん中にアイテムBOXは置かれており志信たちは苦笑いしつつ手に取った。すると志信の目の前に不意にメッセージが表示された。


 『持ち主の岸本きしもと 勇作ゆうさくの死亡を確認されました。新たな所有者を 英田あいだ 志信しのぶに変更しますか?』

             『Yes』       『No』


 (あっそうか・・・アイテムBOXは所有者にしか取り出し出来ないから、俺じゃなくエルに渡さなきゃ)


 「エル、メッセージが表示されたら『Yes』を押して所有権の変更をしてくれ」


 そう言いながら志信はエルにアイテムBOXを手渡した。


 「ふえっ!?えっと・・・ん~・・・こうか・・・?おぉ、『所有権がシリエルに変更されました』って出たぞ!これでイイのか?」

 「うん、それじゃ中身を教えてくれるか?所有者にしか中身の確認と取り出しは出来ないから」

 「わっ分かった。ちょっと待ってくれ・・・え~と・・・・」


 エルは初めてのアイテムBOXの操作でたどたどしく空中をタップしてゆく・・・


 「ん、分かったぞ・・・中身は本が1冊と地図が1枚と・・・後は水がたるで20個とモンスターの皮とか牙とか骨とかのドロップ品と蜂蜜が少々と弓3つと矢が600本位だな・・・」


 「そうか・・・とりあえず地図と本だけ出してくれ」


 そうして取り出された地図はかなり古びており所々にシミや穴が開いていたが十分使えそうだった。けれど地図としては微妙な所だろう・・・なにせ爺さんが冒険していた頃の物だろうから最高で千年前の地図って事になるだろうからとりあえずは森を抜ける方角だけ分かればよしとしよう、どのみち町村検索のスキルで確認すれば分かることだし・・・ 後は本の方だがパラパラと読んだ感じこれは爺さんが死ぬ前に言っていたエルに渡すためのこの世界の常識などを記した物どろうから後回しでよさそうだ。


 「うん・・・本の方はエルが持っていてくれ、それじゃ出発の準備をしよう・・・まず水を俺に少し分けてくれ井戸でも汲むが樽は作るのに時間がかかるから念の為2人で持っておこう

 後食料もそれぞれで持っておいて・・・着替えや直ぐに使わない物はアイテムBOXに入れてポーションを数本と水筒、包帯なんかの医療品を少々とそのまま食べれる保存食を数個小さ目のリュックに入れておけばいいよ

 武器はいつもどうり装備しておけばいいけどもしもの時用にいつでもアイテムBOXから代えの武器を取り出せるように意識しておけばイイかな?調理器具は重複するのはそれぞれで持てばいいけど基本は俺が持つよ俺は戦えないから食事くらいは作るし・・・それじゃ自分の家の方に取り行ってくるから1時間後に出発ってことで!」


 「分かった。そうだ志信!武器はこれを使え、じい様の剣だ訓練用の木剣を持っていってもしょうがないだろ?」

 「ありがとう!でもイイのか?爺さんの俺が使っても・・・」

 「この剣は片刃だから私じゃ使いにくいし、ちょっと軽すぎるんだ。だから使ってくれるとじい様も喜ぶと思う・・・」

 「そっか・・・分かった。ありがたく使わせてもらうよ」


 剣を受け取り2人はそれぞれ準備し始めた。何度も中身の確認をし合い忘れ物は無いか行き先の確認など含め2時間近く掛かったがなんとか準備を終えて2人は旅立とうとしていた。





 「志信、何をしているのだ?」

 「ん?もしもさ、誰かこの森を訪れた時に休憩小屋として使えればいいかなっと思って鍵の場所と井戸とか風呂やトイレの使い方を記しておこうかなってね」


 そう言いながら志信は扉にプレートを取り付け鍵を掛けて扉の脇にある小さい箱の中に鍵をしまった。


 「よさそうか?」

 「あぁ、じゃあ行くか!とりあえず目指すのは一番安全だと思う白い木を経由しながら"ムリェール"って町を目指そう・・・既に町村検索のスキルで方角は分かるからこのまま村の入り口を東南を指していて矢印の色が黒だから最短でも100㌔は離れてるみたいだな」


 「そうか・・・それでは行くか」

 「おう」


 2人は気を引き締めて村を出た。そして村が見えなくなるギリギリの所でエルが一度振り返り、じっと聖樹の方を数分ほど見つめ、そして無言のまま視線を戻し町を目指し歩み始めた。


 志信も無言のままエルの後をついて歩き始める、志信はあえて声を掛けないでいた。何故なら彼女の表情を見れば言葉など不要なのが分かったからだ。何か決意を決めた凛々しい表情に慰めの言葉も気遣いも不要だと感じ取ったからだ。


 2人は歩み始める・・・薄暗がりの森を・・・まだ何も分からず、目指すべき道すら見えず・・・それでも歩み続ける、未来に向かって・・・・・・・・・・・。

今回は短めです。次回は町到着かな?

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