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人生を決める滑り台   作者: お父さんはエセ作家
序章~生前~
4/12

夜景って素敵だよね

2014/6/13 記号を変更しました。

「あっ!光ったよ!」


「ねぇ!見て見て!こっちも光り出したよ♪」


 子を宿した母胎は、天使たちを誘っているかのように強弱を付けながら輝いている。これは、魂だけが見ることの出来る光だ。


 綺麗だな…………


 夜の暗い大地に点灯する光は幻想的で、昼間の母体探しの疲れを一瞬で吹き飛ばしてくれた。が、同時に切ない思いも芽生えていた。



 胎児は魂が入ることで、母胎内で成長することが出来る。しかし逆を言えば、どんなに母体が子どもを望んだとしても、魂に選ばれなかった胎児は、不要な物として体外へ捨てられてしまうのだ。


 【魂】とは、【こころ・精神。また、肉体に宿る精気のことを指す】


 違う!魂は、そんな風に簡単に言えるようなモノじゃない!


 改めて魂の役割の重要さと、自分がその魂であることの重大さに思わずため息をついてしまった。



 あ~!!!もうっ!!!余計な知識を入れなければよかったなぁ~……はぁ……


「やっぱり君は他の子たちに比べ、大分変わっているね」


「えっ?あ、神様?」


 後ろに立たれたの気づかなかった……


「そんなに変わってますか?」


「うん、かなりね。だって君は、他の子たちが聞かないことまで尋ねてくるし、知る必要の無いことまで調べてるからね」


 えっ?じゃあ、何で天界に資料室なんてモノがあるの?確かに、ボクしか利用してなかったみたいだけど……


「ん~、だってボクの選択一つで、周りの者たちの人生が変わってしまいますよね?だったら、簡単に選べないな~って」


「フフっ♪やっぱり君は変わってるよ。他の子たちは、親選びで頭がいっぱいなのにね。そう言えば君に似たような子を見たことがあるなぁ~、あれは確か……」


「希に見る変わり者ですか?前回は千年前位だったって聞きましたよ」


「そうそう!他の管理者から聞いたんだね♪」


 ……あれ?言ってなかったっけ?神様は一人じゃないよ。何千・何万とある魂をさ、一人で管理出来る訳ないじゃん!因みに、神様も魂です。魂と魂は触れ合うことが出来るんだよね



「さてと、変わり者くんは目ぼしい母体を見つけたかい?」


 か、変わり者くん?確かに、前世の記憶が無い以上、今のボクらには名前が無いに等しいけどさ~


「まだ、見つけてないんですよ。あっ、神様?質問なんですけど……」


「何だい?」


「あまり右側の大地を見る者が少ない気がしますが……やっぱりあそこは?」


「魔族種が中心として納めてる大地だね」


 聞いてて良かったぁ~!!!周りがうるさくて集中出来ないから、明日からは雲の一番右側に陣取るつもりだったんだよね……


「じゃあ、左側の大地が人種中心の大地ですよね?」


「そうだね」


 よし!明日からは左側だけに絞っ…てっ…て……?ええっ!?大地と大地の間には海しかなかったよね?何で光ってるの?


 目を凝らしてよく見ると、大陸が見える。


 今まで一度も光ってなかったからか、見落としてたのかもしれない……だけど、何でガイアの中心とも言える所に全く気づかなかったんだろ?ん~……ん?


「城?」


「あれはお城だね」


 城ということは……裕福だ!!!ならば!


「神様?あそこはどの種族が治……!?」



 人種の女性が泣いている。その女性を抱き締める人種の男性の姿も見える。また、人種の兵士らしき者が彼らを庇うように囲んでいるのが見える。城の周りでは、人種と魔族種が争い、双方の死体があちこちにゴロゴロと転がっているのが見える。


 これは……戦争だ!!!戦争中だというのに、何故、あの女性は魂を……いや!子ども求めているのだろうか?……なぜ?……わからない……もしかして……助けを求めているの……?


「…………」


「え?今、何て言ったんだい?」


 あれ?ボクは今、神様に何て言ったんだったっけ?……ああ、そうだった……




「神様すいません……滑り台仕様許可証……今すぐ発行して下さい……」




読んで頂き有り難う御座います。ゆっくりですが続けて行きますので、宜しくお願い致します。

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