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5話


オレたちがちょうどゼナスについた頃、東大陸の南東に位置する『バーグ』という町の

光景。ここはラジルダの地下の地下。ドラグニール王族の緊急避難施設であり、

緊急司令部でもある『バンカー』と呼ばれる場所。そこに現ドラグニール皇帝であり、

世界各地の竜族の族長であるリュウはいた。バンカーの執務室で書類に目を通している

と、ふと妙な感覚を覚え書類から目をはずしてみる。

「来たか。」

だれもいない執務室でそう一人呟くと、仕事用のデスクの上に乗ってある電話が鳴り始めた。

「リュウさま、さきほどリーネ村近くの竜尾の門が開きましたが調査団を派遣しますか?」

どうやら相手はIT部の技術官らしい。オレ達が使って来た『門』や世界各地に点在する

ドラグニールが管轄する転送装置は全てこのIT部で監視されており、許可を受けていない

転送装置が使用された時には皇帝に報告するのが規則だった。

「いや、調査団は必要ない。あれはたつだろう。」

技術官にそう答える。リュウの第六感だろうか、それとも他に確信する要素があるのか。

「たつ様がこちらにいらっしゃたのですか!それで転送装置の行き先をこちらで設定したの

ですね、ドラグニールに入らせないように。」

「ああ、今のドラグニールに入っては敵に捕まりに行くようなものだからな。」

「たつ様への連絡はどうなさいますか?」

「たつのことだから向こうから掛けてくるだろう。執務室の直通の番号も知っていることだしな。じゃあ、そろそろ仕事に戻っていいぞ。」

「わかりました。でも、これでようやく戦況が変わるかもしれないですね。では失礼いたします、陛下。」

切れた電話の受話器を置く。そして、本棚に近づき一枚の写真を見た。一年前、たつが帰るときに仲間みんなで撮った写真だ。写真をみながらふと考える。

「すまないなたつ、わざわざ呼んじまって。俺が不甲斐ないばっかりにこんな結果に……。」


一方その頃、リーネ村の宿屋に入ったオレ達は。

「うめぇ!おいたつ食ってみろよ、このメシすげぇうまいぜ!!」

先ほどまでグミと戦いの練習をしていた吉田はよっぽど腹が減ってたらしい。さらに、新環境

という事実が相まってカナリのハイテンションだ。

「食ってるから!吉田、ご飯こぼしてるし!!」

ふと見ると、ご飯つぶがお盆にこぼれている。口角には米がついてる。かっ込む食い方すりゃ当然だ!

「それにしても、吉田もようやく属性の加護を受けたな。」

おつゆを啜っているケンちゃんが吉田に話しかける。ケンちゃんは、この農村の料理が気に入ったらしい。

村に入る前、10回ほどグミと戦っている時、吉田の刀に風が収束して攻撃するという技を覚えたところだった。

風の刃はグミを切り裂くほどで、発動が早くなかなか強い。吉田は風の属性を持つことになったのだ。

「あはは!ケンだってダメージを受けずに倒せるようになったじゃねえか!そういえば、技に

名前をつけたのか??」

ケンちゃんはびっくりする程の成長をし、攻撃はもちろん防御も使いこなしかなり効率的に敵を倒せるようになっていた。

「うむ……色々考えていたのじゃが、『破砕拳』っていうのはどうじゃ?全てを砕く拳という意味を込めたのじゃが。」

「いいんじゃない!あの技は、ぶっ壊し!!って感じがするし!!吉田は??」

「オレはもう考えたぜ!『風衝撃』ってな!風で敵を衝く剣撃っていう意味なんだけど!」

「確かに。あの技は風で衝いておるな。出も素早く敵を強襲しておるしぴったりだと思うぞ。」

「吉田って、頭悪いけどこういう事だけは頭回るよね。」

「あはは、そういうなって!!」

馬鹿話に花が咲き、和やかな空気で場が包まれる。だけど、やっぱり気がかりなのはリュウの事だ。

食事が終わった後、オレは宿の外に出て電話を掛ける。携帯電話を開きプッシュボタンを押す。

何回かのコールの後にリュウが出た。

「よっ、元気してるか?リュウに呼ばれたから来たんだけど何かあった?」

「悪いなたつ、呼び出しちまって。実はな、ドラグニールが襲撃を受けて占領された。」

一瞬理解できなかった。難攻不落のドラグニールが、よもや敵の攻撃によって占拠されたなんて。

竜族は人間より遥かに身体能力が勝っている、その竜族が敗れるなんて信じられなかった。

オレが無言でいると、リュウが話を続けた。

「奴らは突然飛空挺で上陸してきたんだ。もちろん、その時はたかが人間の軍隊って思ったんだけど、あいつら、謎の機械を使ってオレ達の能力を封じてきたんだ。んで、そのままなす術なく占拠された。

俺は宮殿にいたから、そのまま宮殿にいたほかのヤツと一緒に緊急避難装置を使ってバンカーに逃げたんだけど、宮殿にいなかった他の民はきっと捕虜になってると思う。」

全然リュウの話が頭に入らない。頭が真っ白になったみたいに考えることもできない。

「たつ?聞いてるか?」

リュウの問いかけにようやく正気を取り戻した。そうだ、オレだってNo.2としてこの状況を把握してどうにかしなきゃいけない。そのために来たんだから。だけど、予想以上の自体だった。

「やっぱ、目的はドラグニールの軍事力か?」

ドラグニールは他の国を束ねる国家で、軍事力は相当のものだった。ほとんどオレの世界の技術を駆使したんだけど。コンピュータによる管理とか、衛星の製造とかね。それが敵の手に落ちたとなると……。

「おそらくな。でも、撤退する時にコンピュータにロックを掛けてコード6(非常事態)を発動しておいたから、しばらくは制御室に入れないし、状態は悪くならないと思う。今は別の衛星を使って世界を見てるけど、衛星からここの場所の足がつかないとも限らないからあまり動けないんだ。」

「で?オレはまずはバンカーに行ってお前と合流すればいいのか?」

「ああ。合流後はなんとか衛星を自由に使えるように設定しなおしてくれ。あとは、今後の作戦だな。」

作戦……もしかしたらケンちゃんが使えるんじゃないか?確か兵法を勉強してるって前に聞いたことあるし。

「オレのダチもこっちに来てるんだ。戦闘はまだ未熟だけど、あっちの世界の兵法を勉強してるから使えるかもしれない。」

「ほぅ、その方はウォルデ(いわゆる日本とか、地球のこと)の軍師なのか??」

「違う違う!こっちは超平和で戦争なんて起きてないから。独学で勉強してるんだって。」

「そうか。まあ、今は非常事態だから向こうの人間が、とか言ってられないな。是非力を貸してくれ。」

「わかった。オレから話しておくよ。今パソコンを開いてドラグニールのセキュリティシステムを見てるけど、リュウが言った通りしばらくは大丈夫っぽいね。じゃあ、そろそろ切るわ。」

「あ、たつ!……その、悪いな、俺のせいでこんなになっちまって。」

「リュウのせいじゃねえよ。私は陛下の命に従っただけです、なんてな!!まあ、マジでそんなこと気にしなくていいから。じゃあ。」

オレは電話を切ると部屋に戻りみんなに今の状況とこれからやることを話した。

ケンちゃんは快く引き受けてくれた。吉田も必要なら雑務でもやるといってくれた。

とりあえず、今日は寝て明日はバンカーのあるバーグに出発する。ここからだと、

バイゼルという町に行って、そこから海路でバーグに行くのが一番近い。

何が何でもドラグニールを奪還しなくては。これから本当に長い旅が始まったのだった。


〜6話に続く〜


ゲトバク5話を読んでくれてありがとうございます、5話は終了です。やっとわかった今の世界の状況。

さあ今日のゲストはドラグニール皇帝のリュウさんです。パチパチパチ!!

「どーもー、今ご紹介に与りましたドラグニールの皇帝に就かせてもらってますリュウです。」

皇帝についている割にはお若く見えますけどおいくつですか?

「これでもたつと同い年の17歳ですよ。竜族は長命ですけど、俺はリアルに17歳です。」

お答ありがとうございます!じゃあ次の質問です、リュウさんはかなりお強いと窺いましたが、たつさんと比べてどちらが強いんですか?

「難しい質問ですね。世間一般では、俺カイザードラゴンがNo.1でセイントドラゴン、まあ

たつの事ですね、がNo.2だと思われていますけど、実際人間の姿で戦うとわからないですね。

たつの銃は本当に脅威に思っていますから。」

それはぜひとも戦っていただきたいですね。味方同士の戦い相を書いてもいいですか?

「それはもちろん!でも、敵になった、とかはいやですよ?闘技場とかで戦うっていうなら全然オッケーです!!」

じゃあ、番外編かなんかで書かせてもらいます!もっと質問したいところですけどそろそろ

お時間のようです!今回はゲストに参加なさっていただいてありがとうございます。

最後に一言あればどうぞ!!

「これからも閲読よろしくお願いします!!」


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