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緋色と華  作者: レフェル
8/59

第2話 改定

時は飛んで放課後。

生徒達は次々と帰り支度をしていく。


「うーん」

「……心、くん?」


腕を組んで悩む彼に由香里が不思議そうに声をかける。


「ん、なんぜよ?」

「……帰らない、の?」


振り向いて笑顔で尋ねると由香里は小首をかしげて見つめる。

それがとても愛らしく心には見えていたりする。


「いや、そろそろ帰るぜよ」

「……そう」


そう言って立ち上がる心を見てほっと安堵する由香里。

それを見て心は不思議そうに首をかしげてる。


「それじゃ、みんなで帰りましょうか♪」

「お姉ちゃん、待ってよ~!?」


笑顔で先導する美桜の後をつぐみが追いかける。

玉藻達はそれを見て苦笑しながら歩き出す。


「まみ先生~! 愛してます~!」

「はいはい、わかったから気をつけて下校しなさいよ?」


その一方で大輝はというとまみにいまだにアピールしているようだ。

心は呆れ、由香里は小首をかしげながら眺める。


「サ、帰りマショウ♪ レンスケ!」

「緋香!? なんで、窓からくるのですか!?」


突然、そんな声が響いたのでそちらを見ると煉介と緋香という美少女が会話している光景が見えた。

いや、彼女が抱きついているようにも見える。


「やれやれ、あの二人はあいかわらずじゃのう」

「ほんと、あきないよね。あの二人はさ」


玉藻と明晴はたまたまその光景に気付いて口元を緩ませて笑っていた。

じゃれつくようなあの二人の関係は誰が見ても付き合ってるようにしかみえないのだが、緋香達は付き合ってるわけではない。

まあ、それはつぐみとある少年のことでもそう言えるのだが。


「あ、ヒデくーん!」

「ん? つぐみか」


靴箱前でつぐみがある人物に気付いて振り向く。

若干頬笑みに見えるのはつぐみだからだろう。

彼の名は影狼秀久といい、彼も純粋な純潔種というわけではない。

とはいっても先祖がえりという枠にあてはまることもない。

外見は銀色の髪に赤い瞳をしており、基本的に鋭い雰囲気を持っている。


「もう帰るの?」

「ああ、今日の晩にそなえてな」


つぐみの問いに真剣な顔で頷く秀久。

一瞬悲しそうな目になったが、彼女はかぶりをふると秀久の手を握る。

それを見て苦笑いし、やさしくつぐみの頭を撫でていると。


「しゅうくん、うちのつぐみを悲しませないでね~?」

「は、はい!」


威圧たっぷりな笑顔で声をかけるのが我らがアイドルつぐみんの姉の美桜さんだ。

彼女は妹のつぐみに対しては過保護といってもいいほどである。

つぐみに近寄る男性はすべて彼女がどこかで試していたりするのだが、それはいつなのか誰にも解明できていなかったりする。


「お姉ちゃん、ヒデくんはそんなことしないよ?」

「うふふ♪ わかってるわよ~」


その様子を見ていたつぐみが美桜に言うとにこにこ笑顔で振り向いて返答する。

秀久はその間に深呼吸していた。


「美桜さんのあの笑顔は強烈だな」

「えぇ……俺もあの笑みには気後れしてしまいますね」

「???」


澪次が苦笑してつぶやくと煉介も同意し、緋香だけはなんのことだか理解できないでいた。

ちなみに緋香は煉介の幼馴染であり、ある種族の血を引いており、炎にはめっぽう強かったりする。

ついでに補足すると秀久は雷が使えるので、落雷とかは平気でいられる。



「人と人外のかけ橋は貫くも大変じゃが、お主達ならできるとワシは信じとる」

「はい、私にできることなら……いえ……大切な友達のためにも。 私のなすべきことをします」


学園長室から帰宅する由香里達を眺めている老人がひげをさわりながらつぶやいた。

そばにいた女性が真剣な目で頷いて決意を新たにしていた。

その女性は笹原まみだ。

お辞儀をするとそのまま彼女は学園長室から出ていく。


「頼んだぞ、希望のかけ橋達よ」


そう言うと彼は一対の写真立てを撫でて、書類にとりかかる。



由香里達が帰宅して、人が眠る頃に人外は動きだすことがある。

それに気付いていち早く対処するもの達がいる。

その者達は、中立であり、人と人外を守り、諭すもの達だ。


「今のところ問題はないかな?」

「……ん、人外も……おとなしい…よ」


二つの人影がビルの屋上から下を観察していた。

一人は狼の耳に狼の尾をもつちみっこい少女と真っ白い髪に真っ白い着物を着ているちみっこい少女ともう一人は猫耳に九本の尾をもつ少女。

彼女達はなにかを注意深く見ているようだった。

お気づきの方もいると思われる、そうつぐみと美桜と由香里の三人である。

他のメンバーはどうやら遅れているようだ。

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