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緋色と華  作者: レフェル
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第41話美桜とつぐみ

「んにゅ・・・・」

大きな天窓のベッドの中で寝返りをうつ、ちいさな幼女。

本来なら茶髪ぽいが、今回は黒の長い髪でお尻をおおうほどながい。

ベッドのそばにはくまやらいおんのぬいぐるみなどがかざられており、それを幼女は抱きしめて寝ているようだ。

そんな彼女のところへ、近づく影があった。

扉は開かれて、ベッドで眠る幼女に近づく影・・・。

「つぐみ、起きて♪」

ゆさゆさとゆさぶられて起こすために声がかかる。

その声を聞いてゆっくりとまぶたが開かれて影に視線を移す。

「おねえ、ちゃん・・・?」

「えぇ、そうよ♪」

そう言ってつぐみを抱っこして頭を撫でる美桜。

うっとりしながら垂れた耳が出現し、ふさふさのしっぽがゆらゆらと揺れている。

「ふふ♪かわいいわ~♪」

「あー、美桜姉。 そのままにしていたらまた眠るんじゃね?」

つぐみの頭を撫でている美桜に、後からついてきた富士也が声をかけた。

「もうすこし♪」

「それ前にもいったじゃんかよ」

美桜のにこにこ笑顔に富士也は苦笑を浮かべていた。

「あら、そうだったかしら?」

「みゅ・・・?」

首をかしげる美桜とは逆にゆっくりを目を開けて富士也に視線を向ける。

瞬間に硬直して、美桜にむぎゅっと抱きついてしまう。

「やっぱり寝ぼけていて甘えん坊モードにはいっていたか・・・」

「朝は甘えん坊モードになりやすいのよね~♪」

富士也は苦笑を浮かべて、美桜はにこにこ笑顔でつぐみの頭を撫でていた。

「美桜、富士也くん。どうしたんだい?」

そこへ、美桜とつぐみの父親である郁兎が首をかしげて聞いてきた。

どうやら降りてくるのが遅いと思って迎えにきたのだろう。

「ちょっと、つぐみが寝ぼけていて朝から甘えん坊になっただけですよ」

「ああ、いつものことだね」

「ふふ、いつものことよ~♪」

苦笑する富士也に郁兎は笑い、美桜もにこにこ笑顔でいた。

「い、いつもじゃないもん!」

「どうして?お姉ちゃんに甘えるのはいや?」

がばっと顔をあげていうと悲しそうに見つめる美桜につぐみはなにもいえなくなる。

つぐみは美桜が大好きである。だからこそ、放課後や休み時間になるときゅっと美桜に抱きつくのだ。

「それより、富士也くん。 ちょっとお手伝いをしてくれるかな?」

「あ、はい。わかりまして」

そう郁兎にいわれて富士也はうなずくとつぐみと美桜の頭を撫でてから郁兎とともに部屋を出て行く。

「さ、朝のブラッシングしましょ♪」

「う、うん」

寝台のそばにある鏡台に近寄り、そこのいすにつぐみをすわらせて姉の美桜ゆずりの黒髪をブラシですいていく。

あまりのきもちよさにたれた獣耳がぴょこぴょこと動き、しっぽもぱたぱたとせわしなく動いている。

髪の手入れを終えると次は獣耳と尻尾の手入れである。

普段からの身だしなみを大切にするのが美桜とつぐみなのだ。

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