第36話 放課後
久しぶりの更新ですぜ!
昼食もおえて授業も終えての放課後、教室の中にで駄弁る者。
部活へと急ぐ者、そんな人達で溢れかえる時間。
「僕に頭を撫でられて嬉しそうだね、小雪ちゃん」
「べ、別に嬉しいわけじゃないですよ!? いや、嬉しくないわけじゃないですけど!
じゃなくて、あうあう~!!」
くすくすと笑う澪次に慌てて振り向いて言う小雪。
軽くパニック状態に思えるのも彼の雰囲気によるものかもしれない。
同じ種族同士惹かれあうものでもあるのかもしれない。
小雪の長くて銀色の髪は地面にすれすれまであるほど長い。
「面白いおもちゃ見つけたみたいにいじるな、澪次は」
「せやねェ、よほど気に入ったんやろ」
光一と深紅はその様子を見て苦笑を浮かべている。
「お姉ちゃん、あれってそういう仲なの?」
「ん~、どうかしらね~♪」
「ただわかることは、澪次が楽しんでいるってことくらいだな」
つぐみがそう声をかけえると彼女はくすくすと笑っているだけだ。
秀久は澪次と小雪の様子を見てつぶやく。
「まみさーん、好きだあぁぁぁ!!」
「こんな大勢いるまえで叫ばない! 気持ちは痛いほどわかったけどさ」
大輝に飛びつかれるが軽く横に回避するまみ教諭。
彼のことを嫌いではないんだろうけど、なかなか近寄らせようとはしない。
それはいったいなぜなのだろうか。
「心、くん……帰ろ」
「ん? そうじゃな。 帰りにどっかよって帰ろうぜよ」
由香里はそんな状態をスルーしつつ声をかけ、心も気にした様子もなく頷いてカバンを持つと席を立つ。
傍からみると恋人同士にみえるがそうではない二人の関係。
まあ、学園内公認の仲だから当然といえば当然である。
「レンスケ、帰ルでスよ~☆」
「わかりましたから、くっつかないでください!?」
背中にくっつかれて慌てている煉介と楽しそうな笑みを浮かべる朱香。
こちらの二人も付き合っているわけではないが仲が良い。
「うむうむ、仲良いことはよきかな」
「俺達も帰るぞ、めんどいことが起きるまえに」
玉藻が頷いていると明晴は手に二人分のカバンを持ってだるそうに声をかける。
いつもだるそうにしているため、彼の本気などみたことがないだろう。
「すやすや~」
「公園さん、起きて。 下校時間だからさ」
机に伏せて寝ている日和を起こそうと身体をつかんで揺らす剛。
世話好きな彼だからこそ、こうやって世話をやいていくのだ。
だから、澪次の次に人気者だったりする。
「に、賑やかですね」
「そうね、いつみても賑やかよね」
「いつもこうなのかねェ」
みなもとかなえと慎翔はその様子を見てぽつりとつぶやいた。
「そういえば、つぐみ。 彼が帰ってくるんですって」
「ああ、あいつか」
「フジくん、また野蛮なことして追い出されたのかなぁ」
様子見を決め込んでいた美桜が笑顔で言うと秀久はすぐに納得する。
それを聞いてため息をもらすつぐみ。
フジくんとは天城富士也といい、つぐみのイトコである。
ちなみに彼女と同じく人ではない存在だ。
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