第30話 妖怪退治?
久しぶりの更新ですよ!
夕焼け色の景色の中を子供達が仲良く手を繋いで帰る中で、不穏な空気がでてきた。
どうやら友達同士で遊んで仲良く帰る時間のようだ。
「そういえばさ、知ってるなんかまた子供が消えるんだって」
「え~、昔話みたいに?」
歩きながら男の子が言うと女の子は首をかしげながら聞く。
お互いに手を繋いではぐれないようにしているのだろう。
「そんなのあるわけないじゃん」
「そうだよ、怖いこと言わないでよ!」
話を聞いていた二人の男女の子供は少し怯えた様子で会話に割り込む。
と、ここで子供の泣いてる声が聞こえてきた。
『え~ん! え~ん!』
それを聞いて怯えたように4人は立ち止まるのだった。
いきなり声が響いたらそうなるのは仕方ないことだろう。
「な、なに?」
「こ、子供の声だよね?」
「は、はやく帰ろうよ!」
「じ、神社を目指そう!」
手を強くつなぎなおす子供達は完全に顔が青ざめていた。
それぞれパニック状態であるようだ。
怯えて涙目であることはもうすでにわかりきっていることだが。
各々の判断で手をつなぎなおして子供達は走り出す。
声が聞こえない方へと、急いで。
だが、声は後から追いかけてきているようだ。
どうやら子供達を逃がす気などないのだろう……。
「「だ、誰か~!」」
「「たすけて~!」」
子供達は走る、息をきらせながらそれでも走り続ける。
つまづきそうになりながらも子供達は逃げようとしている。
後ろから追いかけてくるものを見たい気持ちはあるが、それより恐怖心が強いようだ。
子供達はみない方がよいだろう、後ろから追いかけてくるものは異形の生き物なのだから。
さて、どんな異形な生き物かというと、チョウチンアンコウみたいなかざりをもつ大きなガマガエルである。
まあ、チョウチンアンコウのようなかざりは子供をもしたような感じにされてはいるが。
あれはよくある疑似餌である。 チョウチンアンコウがそれをつかい得物を喰らう為のものだ。
子供は逃げる異形なカエルは追いかけることで段々と距離が縮まってきていた。
だが、そんな追いかけっこも現界がきて、走っている女の子が石につまずいてこけてしまう。
「「ちゃこちゃん!?」」
「ちゃこ?!」
それに気づいて立ち止まる男の子二名と女の子。
振り向いたとき、大きなカエルが口をあけていたのが見えた。
つまづいた女の子は振り向いて硬直している、そのときである。
「おいたはそこまでや」
『ぎしゃあああああああああ?!』
ひとふりの刀でカエルの口の中を突き刺すひとつの影。
夕闇色の中では髪の色が銀色に輝いて見える。
本来の彼女の色なのかもしれない。
「は、はやく逃げてください!」
呆然とする子供達に声がかかる。
それはとても優しい声で、安堵感がある声でもあった。
子供達が振り向くと小柄ながらにどこか普通と違う神秘的なそれでいて優しさに満ちた女性。
その隣にいるのはどこか暗闇を背負いしそれでいて体つきが心配になりそうな男性だ。
「……なにしてる」
『あ、ありがとうございます!』
男性に問われた子供達は座り込んでいる女の子の手を引いて走り出す。
それを見て小柄なそれでいて白い衣装に身を包んだ女性が言う。
「そのまま、まっすぐ進んでください! そうしたら大丈夫ですから!」
と、逃げ去る子供達に向けて叫ぶ。
優しい彼女の心からの贈り物といえばいいだろう。
「……さて、警戒中に出会うとはな」
「けど、わっちらの目的のやつやないで」
「仕方ないですよ、あちらも警戒しているんでしょうから」
男性が手をかざすを闇が満ちてきてここ一帯を包み込む。
黒髪の癖げな彼の瞳は赤く光っていた。そんな彼は久遠光一である。
カエルの頭部から伸びてる疑似餌を光の弓で射抜くのは子供達に優しく声をかけた歩美。
そしてカエルの口の中をおもうままに切り裂いたのは神狼深紅。
切り裂かれて悶え苦しむカエルもどきをみすえて冷たい視線を送る光一と深紅。




