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緋色と華  作者: レフェル
33/59

第27問 登校

『行ってきまーす!』

「はい、行ってらっしゃい♪」


つぐみ達は朝食をとると、悠に見送られて鞄と弁当をもって家を出た。

 その途中で今朝ニュースとなった公園を見に向かうと、規制線が貼られており……。

中の様子は見えにくくなっているのがわかる。

遺体にはブルーシートがかけられており、警察が身元を調査していた。

 痕跡もどうやら探しているようだが、信じがたいという様子で困惑しているようだ。

それもしかたのないことだろう、獣の足跡にしては大きすぎるのだから。

遺体の損傷は激しく、あちらこちらに血液の痕も残っている。


「酷い……」

「これはすげーな。 ずいぶんと腹が減ってたのかねぇ」

「そうでもないと、ここまでにはならないんじゃないかしら~?」


つぐみは青ざめながら口元を抑え、秀久は目を細めながら美桜は笑みを崩さずにつぶやいた。


「なんだ、お前らも来てたのか」

「え?……あ! 光一くんに歩美ちゃんに深紅ちゃん!」


聞きなれた声に気づいて振り向くとそこには光一と歩美と深紅の3人が鞄を肩にかけて立っていた。


「実は私達もニュースを見て……」

「それで、痕跡がないか確かめに来たんよ」

「そしたら、お前らとであったというわけだ」


歩美は拳をにぎりながら言い、深紅と光一は淡々とした態度でここにきた理由を話す。

どうやら考えていることはどちらも同じなのだろう。


「けど、こんなに多くては調べることもできんのう」

「……余計なことに力を使いたくないんで、できればなにもしたくねーな」


考えごとしていると後ろから声が聞こえてきたので、振り向いた。

するとそこには玉藻と明晴が鞄を手にもちながら歩いて来ているのが見える。

おそらく、この二人もニュースを見てここに来たのだろう。


「考えることはおんなじかいな」

「そのようだな……」


深紅と光一は肩を水平にあげて溜息をもらす。


「……あの、ここにいても意味がないのなら学校に行きませんか?」

「そうだよね……警察も私達の話を聞いてくれるとはかぎらないし」


歩美の提案につぐみは頷いて、全員を見渡す。


「なら、さっさとここから離脱しようや」

「時間の無駄だしな……」


深紅と光一はそう言うと踵を返して歩き出す。


「あ、待ってください~~!」


慌てて歩美は深紅と光一を追いかける。

人ごみをかき分けるように抜けていく二人は慣れているのだろう。


「それじゃあ、私達も行きましょうか」

「うん、おねえちゃん!」

「学校でこれからどうするかも考えないといけないしな」

「ではでは、どろんなのじゃ!」

「ねむ……」


美桜・つぐみ・秀久・玉藻・明晴はそんな会話をしながら公園から離れる。


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