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緋色と華  作者: レフェル
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第26問

久しぶりの更新だよ~

つぐみ達が買い物をして、そうそうに帰ることになった。

 それはあの謎の言葉の真意を探る為でもある。

なにか起きたら各自で調査していこうともこのときに全員が一致した。

その晩頃であった、一人の女性が夜道を急ぎ足で走っており、その後ろを黒い影が追うように忍び寄る。

 いまどきのOLの風貌にスーツ姿の女性は違和感に恐怖を覚えながら足をはやめる。


「……どうして、どうして誰もいないのよっ!」


女性は帰り道の中を走りながらつぶやいた。最初は普通に歩いていたのだが……。

 次第になにかの恐怖を覚えて早足から走ることに変わった。

それだけが恐怖の対象ではないだろうと思われる。

なぜなら、いくらまばらな人通りでもちらほらと人影があるのが普通なのだ。

だが、今回はそれがなく、まるで一人だけ取り残されたような光景となっている。

それが余計に彼女の恐怖心を煽っているのだろう。

しだいに女性の足が重くなり、息も荒くなっていく。ここいらが限界だった。

 公園が目の前に見えて、慌てて駆け込んで子供が遊ぶ遊具のトンネルへと隠れる。

汚れることもいとわずに中に入り、深呼吸をして息を整える。

彼女がそこにはいってからおってきた黒い影も遅れて現れた。

女性は音を鳴らさないように必死に息をこらして影が立ち去るのを待っていた。

だが、影はなかなか去らないで周囲を見渡している。

 黒い影は大きな一つ目で周囲を見て、舌なめずりをすると匂いをかぎだす。

まるで犬ように匂いを嗅いでいるようにも思えるが、そんな生易しいものではないことがわかる。


「…………っ」


女性は必死に涙を流しながら息を止めていた。

はやくはやく影が去るようにと願いながら……。

 だが、女性の願いもむなしく崩れ去ってしまう。

なぜなら反対側の穴から女性に向かって手が伸びていたからだ。

 その手に掴まれた女性は悲鳴をあげてしまい、そのまま反対側から引きずり出されてしまう。

引きずり出したのは像のような大きさの虎のような姿をした化物だった。

背中には人の手のようなものがくっついている。

これで女性を引きずり出したのだろう。


「や、やだ……た、たす」


がちがちと歯をならして怯える女性の最後の言葉は助けを求める声。

 虎の化物は女性の頭から噛み付いて、頭蓋骨をくだいた。

息絶えた女性を乱暴に芝生に置くと腸を引きずり出して、それそ咀嚼するを繰り返す。

最初におっていた一つ目は忌々しげに見てから、近寄るのだが。

 一瞬のうちに横に真っ二つにされてしまった。

そして崩れ落ちると溶けるように消えてしまい、虎の化物は笑うと再び女性の死体を貪り食う。

暫くして食い終わったのか虎の化物は、静かに闇に消えた。

 後には無残に食い散らかされた女性の遺体だけを残して……。


そして早朝……。


「ばうばう!」

「どうしたんだよ、べるって……ひい!?」


犬の散歩をしていた男性が公園の前を通りかかると、

一心に吠える犬の視線をむけ、女性の遺体を発見する。

それから、慌てて携帯を取り出して警察を呼ぶことになった。


そんな早朝の事件がテレビで放映されたのを見てつぐみと秀久は息を飲んだ。

テーブルを囲んで朝食を食べ終えてからのことだった。


「最近はなにかと物騒になってきたわね~」

「なに、他人事みたいに言ってるのかしらね、この子は」


コーヒーを口に含む美桜に呆れる悠は溜息をついた。

 まあ年長者である彼女にとってはそれほど恐ることではないからだろう。

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