第21話 景品お披露目会?
「俺達のも玉藻たちとそうかわらんようだな」
「でも、なんだろうね? この卵みたいなの」
「あらあら~。不思議ね~」
つぐみ達は宝箱を見ながら疑問符を浮かべていた。
中身はチケットだったり、腕輪だったり、指輪だったりとペンダントだったり。
中には不思議な気配のする卵だったりと、謎いっぱいである。
「孵してみたらわかるのかな?」
「危ないからやめた方がいいんじゃないかな」
つぐみの問に澪次が苦笑しながら止めるように言う。
「確かにむやみにするのはよくないよな」
「でも、面白いものかもしれないわよ~?」
秀久も澪次の意見に同意するように頷いた。
美桜は興味深そうに卵をじっくりと眺めていた。
「む、先生がきおったぞ」
「考察は後回しのようだな」
そこへ玉藻と明晴が来て、つぐみ達に告げる。
言われたとおりの方へ視線を向けるとそこにはまみ教諭がおり、苦笑いを浮かべていた。
「す、すいませんっ!」
慌ててつぐみは謝罪して席に着席する。
澪次・秀久・美桜も頭を下げてから着席する。
全員が着席を終えると教卓の前にまみ教諭は立った。
「さて、今日は全員が楽しめたかしら?」
と、笑顔で尋ねると。
『おー!!』
威勢の良い声が返ってくる。
それを聞いて満足げに微笑みを浮かべるまみ教諭。
「うんうん、みんなが楽しめたようで先生も嬉しいわ」
本当に嬉しそうに笑う彼女に見惚れる男子生徒達。
一部を除いてだが、彼女に惚れている人は大勢いるのだ。
「あ、そうそう。景品の交換はありだから、欲しいものがあったら各自で交渉して交換してね」
『はーい!』
まみ教諭の言葉に全員が頷いた。
大輝がそれを見ながらそわそわと身体を動かしている。
まあ、始まる前のことを覚えていたらこうなるのは当たり前だろう。
「それじゃ、時間もちょうどいいし。 今日はこれでおしまいよ、気をつけて帰ってね?
最近はとにかく物騒だからね」
名簿を閉じると教室を見渡して注意を促すとチャイムが鳴り響く。
それを合図に一人の生徒が立ち上がり、号令をかけて解散することになった。
「おねえちゃん、これからどうする?」
「そうね~、買い物でもして帰りましょうか」
つぐみは鞄を机の上に置きながら教科書類をしまいながら尋ねる。
美桜も同じような作業しながら微笑んで言う。
「ヒデくんはどうする?」
「俺はバイトがあるから、じゃあな」
つぐみは秀久に問いかけると、彼はそそくさと教室から出て行った。
いつもながらそっけない秀久。
それを見る度にしゅんと、落ち込むつぐみをなだめるのが美桜である。
「まったく、秀久はつぐみちゃんの気持ちにきちんと気づくべきじゃないかな」
「レイくん、今、わたしのこと子供扱いしなかった?」
やれやれと呆れる澪次はつぐみ達のそばに近寄る。
すると、落ち込んでいたつぐみは顔をあげてじと目で澪次を睨んでいた。
同い年なのに子供扱いされるということが彼女には嫌なのだろう。
「あ、え~と・・・」
「これこれ、ここで喧嘩なんて起こすもんじゃないぞい」
「というか、見た目が見た目だけに仕方ないと思うんだが・・・」
これに冷や汗をかく澪次。
そこへ話を聞いていた玉藻と明晴が鞄を手にこちらへと歩いてくる。
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