曇りときどき晴!?
「ごめん、別れて.....」
「うん、わかった」
金曜日の放課後林田高校の屋上達海は1ヶ月前につき合った彼女に振られた
「達海くんってさぁ私のこと好きだったの?」
「別に嫌いじゃねぇよ。好きじゃなかったらまずつき合わないから」
達海は女の子の返事に興味なさそうに答えるふ
「達海くんってやっぱ白石さんのことが好きなの?」
「あかりはただの幼馴染みなだけ。恋愛感情とかまったくねぇよ。もう、腐れ縁だな」
また、あかりかって思いながらやれやれとした表情を浮かべる
「でも、達海くんは白石さんの事ばかり思ってない?私はそれが嫌だったの。私とつき合ってるのに他の女の子のことばっかり....」
「別にあいつのことなんか思っちゃいねぇよ。ただ家が近いってだけで一緒に登校してるだけだし」
達海は少しイライラしながら答える
「とにかく、別れたいなら別れたいで俺はひき止めねぇからさ。とっととしてくれない?」
「わかった....別れよ、ばいばい」
そう言って女の子は屋上から走って出ていった
「また、1ヶ月か」
そう呟きながらポケットをガサガサとあさる
「あ、そうか禁煙中か忘れてた.....」
禁煙してから1ヶ月半たった。
そろそろ吸いたくなる時期にさしかかる
「帰るか」
頭を掻いて屋上をあとにする
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「あれ?あかりなにやってんの?」
鞄をとりに教室に戻ると、自分のクラスではないのにあかりが待っていた
「達海と帰ろうかなって思って教室来たら屋上に行ったって聞いたから待ってた」
「そっか、なら、帰るか」
鞄を持ちあかりと並んで昇降口に向かう
「達海また、別れたでしょ?」
「うん」
昇降口に向かう最中にあかりは見透かしたように問い詰めた
「早いね」
「そうだな、俺は恋愛は向かないよ」
「達海はいいところ一杯あるのになんでだろうね」
「しるか、そしていいところ何てねぇよ」
下駄箱で靴をはきか終えるとあかりがそんなことをいう。
少しばかり赤くなった
「あるよ、なきゃモテないよ」
「別にもててもないけどな」
「またまた、モテてるよ。私のクラスでは彼氏にしたいひとで一番なんだよ?。うちの女子は嘘つかないからね」
なぜか、あかりは自分のことのように誇らしげに語る
「ふーんそれは、あかりクラスのことであって他のクラスではないかもしれないだろ」
「まあ、そうなんだけど。でも、それでも達海と付き合ってくれるひといるんだからモテてるんだよ」
確かに彼女いない時期よりいた時期の方が長かったそれはモテてるとはならないと思うんだよなって思う達海
「恋愛に向かないのは私も同じだよ」
「どこが、おまえはつき合ったら長いじゃん」
「長くたって見る目なかったらだめじゃん」
あかりの元カレの細郷を思い出す
「まあな、あいつはおまえがつきあうにしちゃおかしかったな」
「それは......達海の気を引くためだよ」
最後の方が小さくて聞こえなかった
「ん?なんかいったか?」
「なんでもないよ」
聞き返すと何事もなかったように返されたので問い詰めることができなかった
「じゃね、達海また明日」
「ああ、また明日」
いつのまにか家についていたのであかりと別れ自分も家に入る
「ただいま」
そう声をかけても帰ってきた記憶は1度もない
達海の家は両親とも共働きで夜遅く帰ってきたり帰ってこなかったりするのでいつも一人で食事をしたりたまにあかりの家に呼ばれたりあかりが作ってくれたりおっそわけをもらったりしている
「今日はどうするか」
とりあえずソファーに座り出前にするか買いにいくか作るか考える
「煙草買いにいくついでにコンビニで買うか」
そうと決まったら鞄をもち着替えるために部屋に戻る
部屋についたところで携帯が鳴った
「ん?誰からだろう」
鞄をあさりお目当ての携帯を取り出すと液晶に見慣れた番号が写っていた
「あかりからだ......もしもし?どうした?」
俺の携帯
着信履歴を半分以上埋めているやつの電話を出る
『ごはん一緒に食べない?』
「うん、別にいいけど俺としては助かるし」
『わかった、そっち持ってくね』
「あ、いや、俺がそっちいくよ」
『ううん、今日は二人で食べたいからそっちに持ってく』
「そういうならわかったよ」
『じゃ、あとで持ってくね』
そういってあかりは電話を切る
「二人で食べたいとかどうしてだろう」
首をかしげたがかんがえてもわからないので着替えた煙草買いにコンビニに向かう
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「あ!達海煙草吸ってるでしょ!」
「吸ってない」
「吸ってるわよ!だしなさい!」
達海がコンビニから帰ってから30分ぐらいたった頃にあかりが夕飯を持って来た
そのときにあかりに煙草の存在がばれてしまった
「わかったよ.......」
達海は観念してポケットから煙草とライターをだす
「禁煙だっていったじゃん!まったくなんで2ヶ月続かないの?」
あかりは煙草を受けとり少し心配そうに声をかけた
「俺にだっていろいろあるんだよ。そういうもんに頼りたいときだって」
「今日別れた彼女のことすごく好きだったんだね?だからって煙草に頼っちゃダメだよ」
「わかってるよ、だけどそういうものに頼るしか俺にはないんだよ」
家には頼れる人なんて昔からいなかった
達海の世話は幼馴染みのあかりの親がやってくれてたが、達海にとっては迷惑をかけちゃいけないそういう風に思っており余り頼ろうとしていない。
金銭的には親が毎月いれてるくれるので困ったことはない
「私たちに頼ればいいじゃない。私だってお父さんもお母さんも達海のこときょうだいだと思ってるし子供だと思ってるんだよ?」
「おばさんたちには迷惑かけたくない。親が迷惑かけてるのに俺がかけるわけにはいかないんだよ」
「そんなの全然気にしないのに。達海はいつも抱え込んで考えて考えて自分で解決しようとしちゃうところ悪い癖だよ?」
「それでもなるべく頼りたくない俺に心の拠り所なんて要らない俺に関わるとみんな不幸になるから」
達海と関わった人たちはなにかしらの不幸に見舞われる。
それはたぶんたまたまなのだろうけど達海は自分のせいにしてしまう
「そんなの、たまたまじゃんよ。きにすることないわよ」
「そんなこと言っても、もう、嫌なんだよ。俺と関わったやつが不幸になるのもこんな辛気持ちになるのも。だからもう.......」
少しの間の次にだす言葉を口にしてはいいものなのか戸惑いたように感じた
「俺はもう恋なんてしない....誰も好きにならない.....そうすれば相手も俺も傷つかなくていいから」
あかりはその言葉を聞いて少しビックリした表情になった
「人を好きにならないって言っても不意に恋に落ちてしまうことあるんだよ?」
「わかってる.....わかってるけど.....!!」
「辛いよね?苦しいよね?大丈夫達海には私がついてるじゃん」
あかりは達海を後ろから抱き締めて頭を撫でながら優しく問いかける
「うっ....」
「達海には私がいるじゃん、私じゃダメなの?」
「お、おまえは幼馴染みでそういう関係を壊したくない....」
達海の声は震えていた
「そっか、でも、幼馴染みだろうとなんだろうといままでの関係が崩れる訳じゃないんだよ?」
「わかってるよ、わかってるけど.....」
「わかってないよね?達海は自分のことばっかりじゃん。自分が傷つかないように殻にとじ込もって誰も寄せ付けない。確かに達海の家庭環境ではそうなるかもしれないけど達海はひとりじゃないんだよ?」
「..........」
「私は達海の味方だし、ずっとそばにいるよ?」
あかりはよりいっそう達海を抱き締める
「あかり....ありがと」
「達海が私を守ってくれたように私も達海を守る」
あかりは達海を振り向かせてそのままキスをする
「!?」
「い、1ヶ月以上禁煙出来たらき、キスしてあげるってい、言ったじゃん!!だからなの!」
「ほんとするとは思わなかった....」
「わ、私のファーストキスだからね!あ、ありがたくおもいなさいよ!」
あかりは顔を紅くして達海と目が合わないように泳がしている
「はっ?ファーストキス?おまえが?」
「お前がってなによ!?キスしてると思ってたわけ?」
「思ってた」
ほんとに驚いた、あかりには最近まで彼氏がいたからキスぐらいはしてると思ってた。
もしくはもうやるところまでやってると思ってた
「ひどっ!私キスはどころかまだ処女だよ!」
「そうなのか」
「達海は違うの?」
あかりはなぜかうかがうようにおそるおそる聞いてきた
「いや、俺もまだだよ?キスもしてない」
「そ、そっか.....」
なんか、喜んでるように聞こえたのは気のせいだろうか
「ま、まあ、ご飯食べよ?私お腹減った」
「俺もだ」
少し照れながら二人は向かい合って席に座りあかりが持ってきた夕飯を囲んで食べ始めた
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翌日
「たつみ!!起きなさい!遅刻するわよ!」
ゆさゆさ
「うーん......」
「まったく達海は起きないさい!」
ゆさゆさ
「こうなったらっ!えいっ!」
ぼすっ
「ぐへっ!?」
あかりは達海の寝ている布団に向かってダイブした。あかりのいつもの起こし方だ
「やっと起きた」
「げほっげほっ....おまえ、その起こし方やめろって言っただろ!?」
「達海が普通に起こしても起きないからだよ」
「だからってなぁ!?」
「それともキスで起こしてほしかった?」
あかりは意地悪そうな笑顔を浮かべて達海をからかう
「そ、そんなわけねぇだろ!ばかか」
達海は顔を赤くして目をそむける
「ふふっ」
「なんだよ」
「なんでもないよー」
俺たちは昨日夕飯を食べ終わったあと。つきあうことにした。
どちらかというとあかりが一方的に言ってきたのだが俺もあかりとだったらと思ってつきあうことにした。
いずれお互い他のひとを好きになったとき別れることを条件に
「ほら、達海早く着替えないと遅刻するよ?」
「あ、ああ。」
もそもそと布団からでてきて着替え始める
「わ、私先に降りて待ってるね!?」
あかりは慌てた様子で階段を降りていく
「ん?なに慌ててんのあいつ?」
首をかしげながら着替えを始める達海
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「はわわ、び、ビックリした....急に着替え始めるんだもん。達海無防備過ぎるよ.....」
あかりの顔は真っ赤だった
「でも、あいつが無防備なのは私のこと信頼してるからなんだろうな」
そう思うと嬉しいあかりなのだった
「あかり腹減った飯は?」
「もうできてるよ」
服装をばっちり決めた達海があくびをしながら降りてきて第一声がそれだった
「今日はパンか....」
「ご飯がよかった?」
「いや、別にパンでもいいただ、昨日の朝もパンだったなって思って」
「あ、昨日はいけなくてごめんね?」
昨日はあかりは日直がありこれなかったその為買い置きしておいた食パンにジャムを塗って食べたのだ
「いや、俺に付きっきりも無理だろ。俺だって子どもじゃないんだから自分のことぐらいできるよ」
「そっか、うん、食べよ?」
「うん」
あかりは納得したようにうなずいて朝ごはんを食べ始める
「なあ、たばこ返してよ」
「だーめ。体に悪いんだから渡さない」
「ちぇー....」
そのあと何度も交渉したがすべて却下されたのでとうとう達海は諦めた
「さて、いこっか学校に」
「うん」
二人揃って玄関を出る
「二人揃って登校も久しぶりね」
「それもそうだな。どっちかが特にお前が朝早くいくことが多かったからな」
「ごめんごめん。生徒会とかも忙しいんだもん」
「頑張ってください次期生徒会長様よ」
あかりは林田高校の生徒会現副会長であり次の生徒会長になると決まっていた
「うわ、なんか嫌みくさいんだけどー!?」
「ん?嫌みだよー」
「うわ、ひどい、仕方ないじゃんよー」
そしてあかりはぎゅっと抱き締める
「や、やめろ」
「あー照れてるー」
あかりはにやにやと笑いながら顔を覗いてく
「うるさい」
と、そこに
「二人ともおはよ」
「!?お、おはよ。翔太」
「おはよ。翔太くん」
声をかけてきたのは鈴木翔太だった
「おまえら、やっとくっついたのか」
「うん!やっと思いが通じたの!」
「・・・・・」
「達海は無視かよ」
「うっさいなぁ。あんまりくっついとか言うなはずいだろうが」
「なんだ、おまえも照れるのか」
少し意外そうな顔をする翔太を無視してすたすたと歩き去る達海
「あー待ってよー達海!?いこ、翔太くん」
「おう」
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昼休み
「やっとかやっとくっついたのかおまえら」
昼休みいつものように4人とすごしていると俺とあかりのことが木部にもしおりにもばれてしまった
別にに隠す訳じゃないけどばれたくなかった
「くっついてない....!」
「うん、つき合うことにしたんだー
ヤバイ超幸せ」
あかりはそんなことをいいながらぎゅっと腕を抱きしめる
「やめろ、恥ずかしいだろうが」
「おまえでもやっぱ照れるのか?」
「意外だね」
「どういう意味だ木部!しおり!まるで慣れてるような言い方するんじゃない!」
「えっ?慣れてるんじゃないのか?」
「慣れてるんじゃないの?」
木部としおりは馬が合うのでしおりと木部がつきあてるんじゃないかって思うときがある
その事で一度二人に聞いたのだがふたりして友達との関係だからこんなになかがいいんだよって言われたのだ。
それに翔太も気にしてないのでいいのだろうとほっといている
「慣れてねぇーよ!そんな、ベタベタしてくるやつとつきあったことねぇからな」
「まあ、あかりはベタベタするの好きだもんね。最初の頃細川にもベタベタしてたし」
「あ、あいつの話はしないでよ....」
「あ、ごめん」
細川に嫌な思いをさせられたのでもうおもいだしたくないだろう
「別にいいけどさ、ベタベタしてたのは事実だし.....」
雰囲気がずーっと沈んでしまった
こういうときすかさず場を盛り上げるのが翔太だ
「なに暗くなってんの?あかり。あいつとつき合ったのもそこの鈍感やろうを振り向かせるためだろ?いま、やっと振り向いてくれたんだからいいじゃねぇーかよ」
「ちょっとまてぇい。誰が鈍感だ!」
「鈍感だろ」
「鈍感でしょ」
「鈍感だな」
「鈍感よ」
3人同時に攻めてきたので言い返すことができなかった
「まったくどのくらいアプローチしたと思ってるのよ」
「近すぎて、わかるわけねぇだろ」
幼馴染みってのはかなり近いから好意に気づきにくい
「まあ、いつも一緒にいて、なにするにも一緒だったからね私たち」
「羨ましいなぁ幼馴染みっての」
しおりが微笑ましい顔で俺たちを眺める
「まあ、幼馴染みじゃないけどしおりには俺がいるだろ?」
ぎゅって後ろから翔太がしおりを抱き締める
「そーね。私には翔太がいるから幸せだよ」
(((あーバカップル降臨......)))
翔太としおり以外の二人は心のなかでそう呟いたのであった
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「なーあかり?」
「なに?達海?」
夜
今日はあかりが夕飯を作ってくれた
それを食べ終えてリラックスしていたとき達海があかりを呼んだ
「こっち来て?」
「えっ?う、うんわかったわ」
達海からおいでとか言われるのが珍しいので少し拍子抜けしていたがあかりは嬉しそうに隣に座った
「なに?」
「膝貸して」
「膝?」
きょとんとして頭をかしげるあかり
「膝枕するから膝貸して」
「あ、膝枕ね。わかった」
やっと理解できたあかりは素直に膝をだしたすすぐに達海は膝枕をする
「落ち着く......」
「達海は膝枕好きなんだ。はじめて知った」
「好きっていうか。なんか落ち着くんだ。なんかあかりが一番落ち着く」
「私が?なんで?」
あかりは達海の頭を撫でながら達海に聞く
「よくわからないでも、一番落ち着く。居心地がいい」
達海は眼を瞑って静かに寝息をたて始めた
その光景を見ながらあかりは微笑んでいた
「私も達海のそばが一番落ち着くよ?おうちにいるより達海の家で二人のんびりとしてた方が落ち着くよ?」
「あかりの家はいろいろときびしいからな」
「お、起きてたの?」
「すぐに寝るわけないじゃん」
「それもそっか」
はははってあかりが笑ってから少しの間無言になった
「ん」
達海が起き上がりあかりを見つめる
「ん?なに?」
達海は答えずなにか迷ってるようだった
それから
なにも言わずに顔を近づけてきた
「えっ.....?」
戸惑うあかり
自分からはなにもしてこない達海がいまは積極的にしてきていることにたいしての戸惑いと恥ずかしという思いが重なってどうしていいかわからないという状態だった
「眼、閉じて」
「うん.....」
あかりは達海に言われた通り眼を瞑り
達海の唇が自分の唇に触れるのを待った
当然顔は真っ赤
「んっ」
達海の唇が自分の唇に触れた
「た、達海...」
「なに?」
「雰囲気がやばいよ.....」
「みなまでいうなわかってるよ」
初めてキスした時とは違うなんか違う雰囲気に二人は戸惑っている
このまま進んじゃっていいのか悪いのか未経験の二人にはわからなかった
「た、達海のバカ.....変なことするから変な雰囲気になったじゃないのよ」
「ご、ごめん。あかり見てたらキスしたくなってつい.....」
ここでまた間が空く
二人にとっては1秒も1分に感じただろう長くて短い間だった
「べ、ベットいこ......?」
あかりは勇気をだして言った
「お、おう....」
(わーば、ばか。私ばか....すごく誘ってるみたいじゃないの......)
(あ、あかり、ほんとにいいのか......)
各々心でそう思いながらベット腰かけた
達海の部屋のベットではなく帰ってくるはずのないおやのベットに腰を掛けた
「た、達海のす、好きにしていいよ....?」
「えっ....」
「そ、その代わり、や、優しくしてね?」
上目使いであかりは達海を見る
(ば、ばか....それ、反則......)
「そ、その眼は反則だぞあかり.....」
「だ、だって....こ、怖いんだもんなんか......」
「や、やめる.....?」
「そ、それもやだから.....だから、するの!....」
目一杯に涙を貯めてその上顔を真っ赤にしてでも、強い意思で達海の眼を見る
それを見て達海はあかりを強く抱き締めた
「そんなに怖いなら誘うなよ.....女は痛いんだからさ......最初は」
「いいの、達海だからいいの.....」
「ばか.......」
達海はそのままあかりを押し倒した
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「んっんーん.....」
あかりはいつもよりはやく目覚めた
だけどいつも寝起きするベットで部屋でもないことに気づいた。
「あ、そっか昨日達海の家で寝ちゃったんだ.....」
隣にいる達海を見て思い出す
そう、昨日達海と一線越えてしまったあと、そのまま二人して寝てしまったのだ
その事を思い出して朝から顔を赤くするあかり
「き、昨日。達海すごく優しかった....すごく嬉しかったな。大切にされてるんだな私.....」
また、つき合ってそんなにたっていない
でも
幼馴染みだった18年という絆と信頼がある
だから、つき合って間もなくてもすべて受け入れ受け止めることができるのだ
「んー......」
達海はまどろみタイムに入った
「お寝坊さん」
そう、呟いてなんかのためにおいてあった制服をくローゼットから取り出して着替える
「ほんとにこの制服を使うとは思わなかったわ.....」
「んー.....」
まどろみタイムを終了した達海がもそもそと布団から起きてきた
「おはよ、達海、ご飯にする?お着替えする?それとも。わ・た・し?」
冗談半分楽しさ半分であかりは言ってみたそしたら
「おまえにするかな......」
「えっ......」
ぼっと赤くなるのが自分でもわかった
達海はくすって笑ってあかりを壁に追い詰める
「えっ.....ちょっ.....達海....朝からはちょっと.....」
「おまえが言ったことだろ?」
「そーだけど.....」
達海はあかりにキスしてやる
「おはようのキスな」
「ぅ、うん....」
真っなりながらでも、少し残念そうにうなずくあかり
「続きは夜ね?」
そう、耳打ちはして達海は部屋に着替えに戻る
「た、達海のばーか!!」
真っ赤にしながら盛大に怒ったあかりだった
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「あれ?なんかお前ら違う」
「えっ?なにが?」
昼休み
いつも通りのグループで食べてると木部が急に変なことを俺とあかりにとにかけた
「なんて言うか雰囲気が違う」
「別に普通だろ?な?あかり」
「えっ?あ、うん、普通だよ?どーしたの木部くん」
木部の言ってる言葉がいみわからない二人はきょとんとしている
「お前ら一線越えた?」
「「えっ?」」
木部はそういうのするどいんだった
「「そ、そんなわけないじゃん!」」
同時に否定してた。
それがよりいっそう真実だとわかってしまう
「へぇー、あかりも卒業したんだ」
「う、うるさいわね.....別にいいでしょつきあってるんだから.....」
顔を真っ赤にしているあかりにしおりは追い討ちをかけた
「どーだった?幸せだった?」
「う、うるさいっ。幸せだったわよ!」
「よかったね。あかり」
しおりはあかりをぎゅーって抱き締めた
「へへっ、ありがと、しおり」
あかりは幸せそうな笑顔を見せた
それを見た男三人は和んでいた
「木部はほんと鋭いよな。そーいうの。翔太のとこもすぐに当てたよな」
「雰囲気でわかるからねそーいうのって普通にしててもやっぱわかるんだよ」
「だからって当てるなよなー」
翔太はサンドイッチも片手に木部をうんざりそうにみていた
「悪い悪い、そーいうのって言いたくなる性分なんだよ」
「そういうのあんまりいいことじゃないぞ?気を付けろよ?」
達海は箸をくわえながら木部に忠告した
「忠告サンキュ。でも、こういう性分はなおらんな」
「まー俺たちならいいけど他のひとにはそういうところだすなよ?反感買うぞ?」
「わかってるって」
木部は涼しい顔をして答えた
その顔を見て少しだけ不安を感じる達海と翔太だった