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俺とあいつ

いつも来る場所

いつもと同じ夜8時過ぎ

いつものように煙草を吹かしながら壁に寄りかかりながら空を見上げる。

それがいつもの習慣


「だいぶ暖かくなってきたな」


さあーっと風が横切る


「でも、やっぱ風が吹くと寒いな」


煙草の火を消してまた1本取り出して火をつける


「あ、やっぱここにいたんだ」


「ん?なんだ、あかりか」


「なんだとはなによ。外いくの見えたから追いかけてきてあげたのに。ばか」


ほっぺを膨らませて少しすねぎみに怒るあかりを男の子があやまる


「悪かったな」


「悪いと思ってないじゃん。達海たつみは」


「思ってるよお感謝だってしてるし」


「そーだね」


そういってあかりは達海の隣によりかかる


「煙草やめたら?」


「今さら言うな」


三本目の煙草を口に加えていた達海にあかりは言うが達海は受け流すように煙草に火をつける


「今さらじゃないじゃんいつもいってるよ」


「そうだな」


ふーっと煙を吐き出して答える


「達海のこと思っていってるのにまったく」


「わかったよ。箱が終わったらやめるよ」


「ふふふ、どのくらい持つんだろうね」


あかりは笑う。

そう、俺は何回も禁煙を試みてるが1ヶ月が限度だった


「うっせぇーなもうずっとすってんだから仕方ないだろ」


「私、そのたびに禁煙すすめてるよね?」


「・・・・・」


言葉につまる俺を見てまた、おかしそうに笑うあかり


「1ヶ月以上禁煙できたらキスさせてあげる」


「それは彼氏としろ」


俺は煙草の火を消してからあかりの頭を撫でてさっきした道を引き返す


「う、うん、そーだね」


あかりには1年前からつき合ってる彼氏がいる。


「ところで達海彼女は?」


「もう別れたよ」


達海は振り替えって答える


「はやっ、また2ヶ月ぐらいなの?」


「うっせぇーな、1ヶ月と半分だよ」


また、煙草を加えて火をつける


「なんでそんなに短いの?」


「俺が知るかよ」


「それもそっか。私もね。そろそろ別れたいなって思ってるんだ」


「は?なんで」


煙草をくわえてあかりのほうを振り向く達海


「私昔っから好きな人がいるの、その人を振り向かせるためにいまの彼氏とつきあってるけどやっぱり好きな人がいいの」


「まあ、おまえの好きにしたらいいんじゃねえの?それに好きじゃないのにつき合うのは相手に失礼だろ?」


「そーだね。でも、別れさせてくれるかなぁ」


「どうだかな。俺はあいつのこと詳しく知らねえからなんとも言えないよ


あかりの彼氏は俺たちの1個上の高3で校内であんまり印象が良くない。

そんなやつなのにあかりがつきあっているのが不思議だった


「明日別れよって言ってくるね」


「だから、好きにしろって」


「うん。達海帰ろ?」


「あああ」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


翌日の朝


いつもより少し遅く家をでた達海は家から徒歩30分ぐらいにある県立高校林田高校へ向かう。


「おはよ、達海」


「ああ、おはよ」


1年の時からの友達で悪友の鈴木翔太(すずきしょうた)と昇降口で合う


「あれ?今日あかりちゃんは?」


「あかりは今日日直だから早めにいったよ」


「そーなのか、まあ、き教室向かおうぜ」


翔太と話ながら廊下を歩き2年2組の後ろがわのドアを開けたとき


「翔太ーおはよー」


そんな声とともに隣の翔太に抱きつく女の子


「しおりおはよ」


「やあやあ、達海おはよー」


こいつはしおり1年の時からお女友達であかりの親友でもあり翔太の彼女でもある


「しおり、朝から抱きつくなよ」


「いいじゃんいいじゃん。土日会えなかったんだからさー愛情補給なの」


みての通りバカップルだ

俺はおいつらのいちゃつきを放置して自分の席に向かう

俺の席は窓側の後ろから2番目という一番いい位置なのだ


「おはよ。達海」


「ああ、おはよ木部」


俺の後ろの席に座る木部正吾と朝の挨拶を交わして席に座る


「おまえも疲れるなあのバカップルにまじかで繰り広げられてるんだから」


「もーなれたよ」


木部いまだにいちゃついてる翔太たちを見ながらやれやれとした感じででも、暖かい目で見守っていた


「はーい、ほら、ホームルーム始めるぞー」


チャイムと同時に担任が入ってきてみんな席につく。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


昼休み


「達海ー!お昼一緒に食べよー!?」


「ああ、いいぞ」


隣のクラスにいたあかりが昼のチャイムと同時に2組に入ってきた


「あかりー!」


「しおりー!」


しおりはあかりに抱きつきあかりもあかりでしおりに抱きつく

こんなのはいつものことなのでほっておいて俺と翔太、木部で周りの机をくっつける。

1年の時からのずっとこの面子で食べている

1年の時はみんな同じクラスだったがあかりだけ離れてしまったが変わらずこんな感じだ


「あ、はい、翔太。お弁当」


「おう、サンキュなしおり」


しおりは2年なってから翔太に毎日弁当を作っている。

なかなかうまそうなんだよなこれが

なんだかんだで昼休みは終わり放課後


「た、達海!」


「なんだ?騒がしいな」


放課後帰宅するために荷物をまとめていたら1組の男子生徒が慌てて俺をよんだ。


「白石さんが.....」


「はぁ?あかりがどうしたって?」


白石(しらいし)はあかりの名字だ


「白石さんが.....細郷に....」


細郷は前話したあかりの彼氏だ


「だから、どうしたんだって」


「とにかく、体育館裏に行って!」


「お、おう」


俺は男子生徒急かされて体育館裏に急いだ!


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「ごめんね、辰馬こんなところに呼び出して」


「で、なんだよ、話って」


「うん、ちょっとね.......」


あかりは言葉を濁す


「なんだよ」


「あのね、私と別れてほしいんだ」


「はぁ?なんでだよ!なんで別れなきゃならねぇんだよ!!」


辰馬は突然あかりの肩を掴んで揺する


「きゃ、ちょ、いたい!」


「なんで別れなきゃならねぇんだよ!」


どっと体育館の壁にぶつける


「ほ、他に好きな人がいるだけ!」


「だ、誰だよ、誰なんだよ!そいつは!」


「言うわけないじゃん、いったら辰馬絶対許さないでしょ?」


「許すわけねぇだろ、俺の女に手をだしたんだからな!」


「とにかく、別れて!」


あかりは辰馬を押し退けようとするがやはり男の力には勝てない


「別れるわけねぇだろ。まだヤってもいねぇで!やらせろや!」


「やっ!やだ!」


辰馬はあかりの制服の帯をほどいて制服を破く


(た、達海助けて......)


「あかり!?」


「達海?!」


「はぁ?誰だてめぇ?いいところだって言うのに邪魔すんのか?」


「細郷.....てめぇ.....あかりから離れろ」


達海は一瞬で沸点を越えた。

その証拠に拳を握っている


「はぁ?俺の女になにしようと勝手だろ。消えろ」


「いいから離れろ」


「ひつけぇんだよ!殺すぞ」


辰馬はあかりから離れて達海に近づく


「殺す?お前にできんの?」


「このくそがき調子に乗りやがって!!」


頭に血が上った辰馬は達海に向かって拳を降り下ろしたが......

先に殴ったはずの辰馬拳より達海の拳が先に顔面をとらえていた


「そんな大振りで俺を仕留めようと思ってるわけ?無理だからね。かなり印象悪いからちょっとはやるのかなって思ってたけど全然だな」


拳1本でかなりの大柄な辰馬ぶっ飛ばした。

その吹っ飛ばされた辰馬見ながら達海は言う


「てめぇ!殺す、ぜってころす!」


起き上がり、口元の血を拭い血を吐き出す


「こいよ」


達海は挑発的な笑いをする


「このっ!」


「ふっ」


辰馬の大振りの拳を達海は交わす


「この野郎....」


辰馬は砂を投げて達海の目にかけるそのすきにがっていたバットを手にする


「しねっ!」


「達海!」


バットが降り下ろされると同時にあかりが叫ぶ


ガンッ!


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「いてて.....」


「達海のバカ」


達海はバットで頭を殴られ血がでたが気絶にはいたらずそのまま辰馬をぼこぼこにした


「バカとはなんだよ。バカとは助けてやったっていうのに」


達海は立っていられなくなり仰向けに横になっているそれを上からあかりがのぞきこむ形になっている

あかりは達海から渡された上着を羽織っている


「バカじゃん、でも、ありがと。達海なら来てくれるって思ってた」


「ばぁーかお礼なら俺をよんだ斎藤(さいとう)だっけ?そいつに言えよ」


「えっ?斎藤くんが達海を呼んだの?」


「ああ、慌てて呼びに来たよ」


「そっか。あとでお礼言わないと」


それから少しして翔太と木部が先生を連れてやって来て達海と細郷は病院へあかりは保健室へ連れていかれた


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「それにしても入院しなくてよかったぁ」


「よかったじゃねぇよ。謹慎はなかったが放課後掃除させられることになったんじゃねぇかよ」


その日の夜いつもの場所で達海は煙草を吸っているとすぐにあかりがやって来た


「私も手伝うから許してよ」


「はいはい」


最後の煙草を吸い終えて箱を潰す


「禁煙スタート」


あかりは楽しそうに禁煙のスタートを告げる


「そうだな、ところでさ」


「ん?なに、達海?」


達海の次の言葉を待っているあかり


「お前の昔から好きな人って誰だ?」


「えっ?」


達海が口にするのは珍しい単語なのできょとんとしてからぼっと紅くなる


「だから、お前の好きな人だよ。前に昔から好きな人いるっていってただろ?」


「えー.....うん.....言ったよ」


「誰?」


達海は空を見ながらきく。そのとなりでは顔を真っ赤にしているあかり


「わかんない?」


「わからん」


「そっか.......まだ、私の気持ち気づいてくれないんだ」


最後の方は聞こえなかった


「ん?」


「なんでもないよ。達海先かえるね。おやすみ」


そういうってそそくさと帰ってしまった


「変なやつ」


そう呟いて達海も家に帰る



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