第4話 農民よ、信仰心をもっと貢げ
今日は学校帰りに、古民家カフェ「ばんじろう」へ行くことにした。
「なあ充ー?」
「なんだ?」
「俺も行かなきゃダメー?」
「雄大猫好きだろ?行くべきだ」
そう、ばんじろうには猫がいる。黒猫の「おはぎ」だ。性別不明。
「そうだけどさー。俺コーヒー好きじゃないんよね」
「紅茶もあるぞ。あとケーキセットは900円で、好きなケーキひとつ、ドリンクひとつだ」
「おお!それじゃ、お得ってことだな!」
そう、かな。まあよくわからんけど、公共施設「コンパルホール」__の横にある路地裏へ入る。
「へー、アールグレイのケーキにしようかな」
「そういうのいいから、早く来い」
外に掛けられているメニューを見ていた雄大をひっぱりながら、玄関へ入っていく。
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「おぉ、ザ・古民家って感じだな!」
「いらっしゃい」
「ばんじろうさん、どーも」
「アールグレイのケーキセット、ドリンクはいつものかい?」
ばんじろうさんは俺の頼むものを覚えている。毎回同じだとそうなるよね。
「ああ。……そうだ、こいつも同じので」
「お前もそれなのか」
「来るたび食べてるよ。ドリンクはホットジャスミンティーだ」
お砂糖は3回入れるだけでいい。それがちょうどいい甘さになるのだ。
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「どーぞー」
「わあい、いただきまーす!」
「いただきます。雄大、ジャスミンティーは砂糖を三杯入れるんだ」
「あそうなの?」
「そう。ちょうどいいんでな」
「そっかー。じゃあ三杯……ほい、ほい、ほいっと」
「んー、美味い」
ジャスミンティーに砂糖を入れたら、添えられていたスプーンでよくかき混ぜる。
ケーキは少し硬いから、切る時は注意して。
「んふー!最っ高!」
「騒ぐな。……と、ガルタン戦記しねーと」
「またログインか」
『ガールズタンク戦記!』
「そりゃな。……今日はそうか、『スターライト・シティ』の欠片か」
「町の名前か?」
「そんなわけないだろ、キャラ名だ」
「シティなのに?」
「うん」
「……その目やめてくれ、作ったの俺じゃないし」
俺の推しだぞ?瞳に映る流れ星が可愛いんだぞ?
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「ごちそうさま」
「ごちそうさまー」
「1,800円だよ」
「チケット3枚で」
「はいよ。またおいでねー」
チケットは、一枚600円分だ。それが5枚セットで2,500円、10枚セットで5,000円で売られている。お得だ。
「美味かったー!」
「猫が膝に座ったときにくすぐったそうにしてたの面白かったな」
「笑うなよ!」
2人で馬鹿みたいに笑いながら通学路を歩き、別れる。
「明日休みだし、一緒に駅行かね?」
「それいいな!そうするか。10時くらいでいいか?」
「おう、そうしよう!またな!」
「おう、また明日」
俺は左、あいつはまっすぐ。2人はそれぞれの家へ帰る。
__鷹羽家__
「たたいまー」
「おう、おがえり」
もうツッコまないぞ。
「いやー!面白いね、『異世神』」
「だろ?」
父さんがそんなことを言ってくる。こりゃハマったな。
「僕は世界樹を中心に置いて、大森林を創ったよ!」
「いや世界樹デカ!?」
「あっはっは!充もそんな反応するのかぁ!父さんやっぱオモレーwww」
「むっ!そういう茜は神らしくないじゃないか!」
「パパよかマシですけどー?」
「なにぃー?」
「あーもう、姉ちゃんも父さんも、親子喧嘩するな!」
『信仰心が上がりました!(+59)』
「お、キタキタ」
「よし、人々に世界樹で暮らしてもらおう!」
「あたしはそろそろ、農民の手助けを__」
そう姉ちゃんが言いかけたところで、姉ちゃんのスマホに通知が届く。
『農民が不作に悩んでいます!』
「そぉら、チャンスだぞー、姉ちゃん」
「よ、よし。『雷雨』と『神の錬金術』で信仰心を……!」
__農民世界__
「なっ!雷雨だ!」
「家屋に逃げろー!」
「ああ、神よ。お助けください!」
農民たちは、突然の雷雨を見て、神がお怒りだ、そう勘違いする。
実際には、創造神・茜は、雷と風で作物を育てようとしていた。
「……晴れた?」
しばらくすると、雨は止み、そして『神の錬金術』によって作物が急成長して実っていた。
「わあい、りんごだー!」
「これは……創造神様の御力か?」
はい、勝ち確。信仰心が上がりました。
__鷹羽家__
『信仰心が上がりました!(+978)』
「あ、あれ、一気に増えちゃった」
「そりゃ奇跡を目の当たりにした農民が多いからでしょ」
「なるほど。……ほらほらお前らー!もっとあたしに貢げー!」
「そういうのはやっちゃダメやろ……」
やれやれ。姉ちゃんは信仰心が増えたことに心底興奮している様子。ガキが。
本作主人公!鷹羽 充!世界は「剣と魔法と科学の世界」!
主人公の姉!鷹羽 茜!世界は「農民だらけな景色」!
主人公の父!鷹羽 良典!世界は「世界樹と大森林」!
主人公の友!乙田 雄大!世界は「スチームパンク風」!




