第1話 インストール
「異世界」。
浪漫?空想?陰謀論?
関係ない。
異世界とは、「自分とは異なる価値観、思想、世界をもったもの」を指すときもある。
目の前にいる乙田 雄大もそうだ、頭の中は「自分世界」が広がっている。
「なぁなぁ、世界創りゲームやらん?」
「何それ」
「『異世界の神になる』って漫画あったやん」
「あー、アニメ化したやつな」
「そうそう、それのスマホ版ゲームが出たんよ!」
「マ?」
それは驚いた。あんまそういうの見ないからいまの今まで気づかんかった。
「ほらほら、スマホを取り出して!インストール!」
「ここ学校だから」
学校内で使用したら校則違反だろうが。
__放課後、マクドナルド__
「さ、早くしなよ」
「ちょっと待てや」
スマホを取り出してマックのフリーWI-FIに接続し、アプリを検索する。
「あ、あった」
あそれポチッとな。
_____
「で、どういうゲームだこれ」
「ふぇ?ふぉのふぉたんふぉぉ」
「ポテト飲み込んでから喋れ。てかどんだけ突っ込んでるんだよ汚ねぇ」
頬張ってる雄大に注意しつつ、わかる範囲で設定をすすめる。
「ゴックン。そこのボタンで開始な__ってもう全部の設定終わったのか!」
「5分経ってるからな」
「!?」
どんな顔だそれ。
「と、とにかく!その画面で世界を創れるから」
「ふむ、まずは『魔素』をこことここにガンガンあげてー、この辺りにダンジョンつくるか」
「え、飲み込み早くない?」
「そうか?……そうか」
ポチポチと、世界を創っていき、そして、AIに「女神」という役割を与えた。転生者の案内とかをしてもらおう。
_____
「__よし、できた。早速、ヒト族エルフ族ドワーフ族その他知的生命体と、ゴブリン、オーク、オーガ、ペガサス、ユニコーン、ドラゴンは『リザード』を成長させた先の進化の分岐の一つ__」
「待て待て待て、俺よりつくるの早いのなんだよ」
「それは頭いいからだろ」
「自分で言う?」
雄大の台詞を無視して、魔法と科学を同時に発展させる。
スマホの中で、俺の創った世界が動き出す。
『ワニャワニャ』
『ワニャワニャ』
「か、可愛いっ!」
「だろ?ちなみに、近づくと会話の様子がわかるぞ」
ほうほう?とりあえず画面をズーム。
『大変だ、モンスターたちが攻めてきてる!』
『マズイ、どうしよう!?』
『とっとにかく、戦闘準備ぃぃーっ!』
「……だってさ」
「ほら、神様からのお告げしとけ」
「んじゃあ__」
お告げをするために祭壇の方へ画面を動かし、祭壇で祈っている、ボロボロな姿の聖女様を長押ししながら語りかける。店内でするの恥ずかしいな。
「『もしもし、聞こえますか。今、あなたの脳内に語りかけています』」
「ブフォッw」
ちょっとお遊び要素を加えて。ってかこのムーブ楽しいな。
「『今、魔物が攻めてきています。そこであなたに、魔物を退ける力を与えましょう。波あっ!』」
「どこぞの寺生まれさん?」
「2ch掲示板ってか」
__件の聖女side__
「かっ、神様からのお告げ!?……っ、この力は、光は……!」
私の体から眩い光が溢れ、そして力が得られたような、そんな感覚を覚える。
「これなら……!」
そして私は走り出す。魔物たちを退けるための力を携えて__。
__side out__
「……これでいけるのか?」
「いけるっしょ、聖女ちゃんが走り出してるぞ」
「マジか!?」
確かに魔物方面に走っていた。早速、俺が与えし「光の力」を使うようだ。
「……がんばれよ」




