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生きる証すらも、愛おしいから
「リアス」
甘く、呼ばれる。
「うん?」
その声に応じるように、俺も甘く声が出た。
目を向ければ、俺を見る恋人。ふっとほころんで、思わず手を伸ばせば。
「♪」
クリスティアも心底愛おしそうに瞳をゆがめて、俺へとすり寄ってくる。
首元にやってきた少し冷えた体温が心地よい。
愛おしい体温を抱きしめて、思う。
――あぁ。
早く堕ちてくればいいのに。
心だけじゃなく、体もすべて。
早く、はやく。
せかすように、首裏を撫でて。身じろぐ恋人に笑いながら、強く抱きしめる。
「なぁに」
「いいや?」
恋人には軽くとぼけて、また抱きしめて。
「今日も愛おしいなと思っただけだ」
甘く、あまく。耳元で囁く。
きっと今、恋人曰く「歪んだ紅」をしているんだろう。
あとで見せてやろうと微笑みながら。
小さく、ちいさく聞こえる心臓の音を堪能するように、恋人の左胸へと耳を当てて。
「……」
早く堕ちてくればいい。
この心臓も、すべて。
そう思いながら。
生きていることを主張する音に、そっと目を閉じた。
『生きる証すらも、愛おしいから』/リアス




