ゆいこのトライアングルレッスンB〜サプライズ誕生日会〜
トライアングルレッスンウィーク!
毎日、投稿中。
最近、ひろしとたくみが、なんだか素っ気ない。
「ただいまー」
「ゆいこ、ハッピーバースデー! フゥーー!」
突然、クラッカーが鳴り、たくみが現れた。
「ゆいこ、誕生日おめでとう!」
ひろしも現れた。
「な、なんで二人がうちに!?」
「サプライズ大成功!」
たくみがはしゃいでいる。
「サプライズ!? 最近2人が全然話してくれないから、わたし何かしちゃったのかって……」
「たくみがゆいこといたら、口を滑らせるだろ? だから、近付くなって俺が言ったんだ」
「ったく、それで、ゆいこに寂しい思いをさせたら意味ないってのに! なぁ?」
「そうだったんだ。安心したー」
こうして、わたしの誕生日会がスタートした。
「ゆいこのために、二人でケーキ作ったんだぜ!」
「たくみは、いちごをのせただけだろ!」
「ゆいこ、はい! あーーん!」
「えっ!? たくみ、ちょ、ちょっとぉ!」
「ゆいこ、俺からも、あーーん!」
「えぇ!? ひろしまで!?」
2人に祝福され、お姫様のように扱われ、更にはプレゼントも貰った。ひろしからはアロマキャンドル、たくみからは写真立てだ。
「2人とも、今日は本当にありがとう!」
2人が帰宅したあと、チャイムが鳴った。ドアを開けると、たくみの姿があった。
「あれ? 忘れ物?」
「ゆいこ、一緒に来て!」
たくみは、わたしの手を引き走り出した。
「ちょっと! どこ行くのー!」
辿り着いた場所には、観覧車があった。
「ゆいこ、乗ろうぜ!」
乗り場へ向かうと、入口でスタッフが記念撮影のサービスを行っていた。
「一緒に撮るぞ!」
「へっ!?」
言われるがまま、記念撮影をする。
スタッフに近付くよう指示され、たくみの顔が近くて妙にドキドキした。
「俺達、周囲からどう見えてるのかな?」
「どうって、それは……」
動揺しつつ、ゴンドラに乗り込むと、辺りはすっかり暗くなっていた。
「観覧車とか、急にどうしたの?」
「ん? 二人っきりになりたくて」
たくみはそう言うと、上昇していく夜景に目をうつした。
「結構、高いね」
「怖いのか? 手、握っててやろうか?」
「だ、大丈夫! 全然余裕なんだから!」
わたしはずっと落ち着かず、ソワソワしているうちに、観覧車は一周した。
「ゆいこ、もしかして、俺が頂上で何かすると思って期待してた?」
「はっ!? ま、まさか!」
「へへっ、何もしねーよ。今日はな?」
今日は!? ってことは、この先は?
もう、何よそれ!
鼓動がちっとも落ち着かない。
「さっき撮った記念写真やるよ!」
「くれるの?」
「これを写真立てに入れれば、俺からのプレゼントは完成だぜ?」
「え! 初めからそのつもりで!?」
「言ったろ? サプライズって! これは2人だけの秘密な!」
わたしはこの日、ひろしに言えない秘密を作ってしまった。
こんなサプライズはいかが?
明日は、シンデレラ編!!
ちょっと、大人のラブストーリーです。