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詩集  作者: 香坂茉音
22/32

オットマン

不思議の国のアリスを大人の世界に変化させて書きました。(2/4)


僕は震える声で貴女を呼ぶ

罠に嵌って深い穴へ

ひと目見た瞬間から

こうなるとわかっていた


ひるがえるピナフォアの前で靴を磨く

不完全なオットマンに

情状酌量の余地はない

人形のようなその笑みで

僕を好きに焼いてくれ



僕を震えさせるのは貴女だけ

めかしこんで会いにいく

誰かに追われるように

貴女の元へ急ぎます


波打つベルベットの前で媚を売る

あえて嘘つきにもなる

存在理由を知るために

夢境むきょうのようなその瞳で

僕のくちを噛んでくれ


僕の女王あなた

貴女がそばにいない時は

寂しさで死んでしまいそう


不揃いなキャノピーのそばでけむを巻く

時間のないオットマンの

深層心理の成れの果て

耳を澄ませて合図を待つ

僕を好きに呼んでくれ


仲間を裏切ってでも

貴女の元へ急ぎます

人形のようなその笑みで

僕を好きに焼いてくれ



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