寒空の下で
ぱちぱちと火が踊る。
時期は12月を過ぎた山に男と女は居た。
「なぁおいもう帰ろうぜ」
男は少し焦燥感を顔に滲ませながらそう言った。
「いやよ、折角来たんだしもう少し楽しみたいわ」
「物好きだなお前も」
炭化した物が崩れ落ちるのを黙って見る女に男は溜息をひとつついた。
「お前ももう1人か…」
男は感慨深そうにそう呟いた。
「そうね」
素っ気ない女の言葉にカチンときた男は車に向かいながら女に言った。
「ちっ…車に戻るからな!」
その瞬間男の意識が無くなる。
「これでふたりめ」
寒空の下で女は嗤った。