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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

バイトかくれんぼ

作者: 神奈川 道一

「ねえねえ、このバイト知ってる?」


コアラだって裸足で逃げ出すこの暑さに、高校唯一の友達、アヤとタイキがどう言うわけかバイトのチラシを見せる。


「なんだよそれ?」


俺はチラシを取る。


【かくれんぼバイト募集中!最低3人!】

1・・・鬼に見つからない様に隠れてね!

2・・・見つかったらゲームオーバー!

3・・・時給1万円・・・

4・・・最後に残ったら罰ゲーム・・・


「ちょっと待て!時給1万!」


さらっとスゲェ事書いてあんな!


「だろ?俺とお前達2人、つまり3人で行こうぜ?」


「そ、トモが来れば3人!どうかな?」


「行く行く、行くに決まってんだろ!」


高校最後の夏、部活も無し、彼女無し、んな事はいいが、金は無いと遊びもできない!


俺は二つ返事でバイトを申し込む。


そしてバイト当日、山に集合、参加は夕方5時から夜12時まで、本来未成年は参加出来ないが俺達は年齢を誤魔化して参加した。


すんなり参加できた俺達はゼッケンを貰う。


48・49・50番。


つまり50人って事か。


そして鬼役が到着。

ほんとに鬼のお面してるよw


ルールは簡単、鬼役がゼッケン番号をいい「見つけた」と言うだけだ。


開始の合図がなる。


アヤとタイキと別れ俺は鬼の近くの茂みに身を隠す。


「もーいーかい?」


「もーいいよ!」


隣の茂みから声がした。

別のチームが勝手に言ったのだ。


まだ隠れてない人もいる。


隣の女性が笑う。


「いるよな、ああいう意地悪な奴。」


俺は立ち上がり、まだだと言う。

いや、言うのを止めた。


だってそうだろ。


だって、鬼がマシンガン持ってるんだぜ。

最初はペイント弾とか、BB弾とかだと思った。

けど、銃に煙が出てエアーガンとは思えないし。


倒れた人が血を出すなんて無いだろ。


「き、キャァー!」


茂みに居た女性が叫ぶ。


クルっと此方を見た鬼。


スタ、スタ、スタ、スタ。


ゆっくり歩く鬼、そして。


バンバン!


打った・・・


殺した・・・


俺は茂みに隠れた。


ガタガタ震えた。


おばけ?超常現象?

馬鹿馬鹿しい、今の死の恐怖に比べたらなんでも無い・・・


あるかどうかの恐怖より「人」だ、人が怖い。


アヤは?タイキは?いや、それより何人死んだ?帰ったらメシ食べるか、明日の朝ごはんは・・・


何でこんな事考えてるのかわからない、最後に浮かぶのは友達や親とかどうでもいい思い出だ、いや、そのどうでもいい事が幸せなのだ・・・


嫌だ死にたく無い。


コツ、コツ。


鬼が此方に歩みを進める。


こっち来るな!


コツ、コツ。


来たら死ぬ、間違いなく、嫌だ死にたくない、死んだらどうなる、この気持ちや感情あるまま天国や地獄に行くのか?

俺は俺のまま死ねるのか?


コツ、コツ。


色々考えたが、歩みが茂みの前まで来た時には真っ白だ。


待つのが遅く、死ぬかどうかわからない、なんなら覚めてくれ、夢であってくれ。


「はぁ・・・はぁっ!」


息もできない。

苦しい。


ガサガサ!


茂みを分ける音。


ガタガタ。


俺は震える事しか出来ない。


「ゼッケン50番、みーつけた!」


見つかった、殺されるのか?いや、もう死んだ?

いや生きてる、なんで?そもそも見つけた?何を?俺を?


汗でビチョビチョのゼッケンを見ると50番、俺の事だ。


終わったのか?


「はい、次は君が鬼」


鬼のお面とマシンガンを渡される。


は?どう言う事?


「あ、あの、これって」


「ルールに書いてあったろ、罰ゲームだ。」


そう、残ったら罰ゲーム。


「じゃ、私は帰るよ。」


            バン!


頭を撃ち抜く、自分でだ。


意味がわからない。

なんだよこれ。


アヤ、タイキ!


探し回る、そして見てしまった、動かなくなった2人だ・・・


「うげぇ!うぇ・・・」


吐いた、友達が、人が簡単に死んだ・・・


はぁはぁ・・・


逃げないと、こんな意味がわからない状況から・・・


ファンファンファン!


え?警察?良かった、助かった!


「ただ今警察が到着しました、犯人は山に立て篭もりマシンガンを所持し、50人もの殺害をした凶悪犯です、現場からは・・・今、情報が入りました!犯人は高校生で鬼のお面とマシンガンを所持、警察も50人体制で、あ!今犯人が山の奥にかくれました!現場からの中継は以上です!」


犯人・井上トモ

罪状・殺人

未だ捕まっておらず山に隠れてる模様・・・


ほらな、一番怖いのは「人」だ・・・

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