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63.暗黒の渦。そのモンスターゲートに俺は手を触れる。

「ただいまー」


帰り着いたのは夜19時。

よっぽどダンジョンが好きなのか、自宅にイモの姿はない。


仕方がない。

イモを探して俺はダンジョン地下2階。草原広場へ向かう。


無敵要塞。そのイモムシマットレスに転がりニャンちゃんをなでるイモを見つけた。


「んにゃ? おにいちゃん?」


「イモー。もう夜だぞー。自宅へ帰るぞー」


「あれ? もうそんな時間なんだ」


イモが勘違いするのも無理はない。

草原広場の天井は24時間無駄に光り輝いている。


つまりは、ダンジョンには夜がないわけで……

うーむ。言われてみればこれは確かに問題である。


ニャンちゃんハトさんが草原広場で寝泊りするにも24時間、常に真昼の明るさが続いたのでは眠りづらい。いずれは体内時計も不調をきたすだろう。


「ニャンちゃんハトさんが大変だ。おにいちゃん!」


ところがまあ、これは簡単に解消できる。


「発動。暗黒の霧マックスパワー。あまねく満天に闇の帳を敷きつめたまえ」


地下2階へ全力で暗黒の霧を撒き散らかした結果。辺り一面、暗黒の霧が全ての光を遮る闇の領域へと早変わりしていた。


「おー。やっぱりおにいちゃんだー! ばんざーい!」


やれやれ……後は朝になれば霧を消せば良いわけだ。


その後、自宅に戻り母をまじえて夕ご飯を食べた後。


「今日もおにいちゃんとお泊りだー」


うーむ。いい加減イモには自宅で眠って欲しいのだが……柔らかいからまあ良いか。



■SSR+ 暗黒魔導士改 LV27 1↑UP


・スキル:暗黒の霧+(五感異常、全能力減少、毒、腐食、魔力減少蒸発、恐怖、麻痺、睡眠、混乱、放心、封印、闇耐性減少、光耐性減少、火耐性減少、水耐性減少、風耐性減少、土耐性減少)


土耐性減少(New)土属性の攻撃に弱くなる


・スキル:暗黒抵抗:暗黒強化:暗黒打撃:暗黒熟練

・EXスキル:プリンボディ:鋭利歯:偽装:牛パワー:赤外線感知





5/3(金)祝日


自宅で朝食の後。本日は自宅ダンジョンを探索する。


「そういえば、おにいちゃんのダンジョンランキング。どうなったの?」


イモがランキングを気にするとは珍しい。

天使であるイモ。俗世の喧騒には感知しないと思ったが。


「今は3861万2821位だな」


「むー。なんでもダンジョンを買うには信用が大事だって。ランキングを上げないと駄目らしいよー?」


そうか。イモもダンジョンについて調べてくれていたのか。

なんと優しい……やはり天使としか思えない。


「だから、そろそろ自宅の地下3階へ行ってもいいんじゃないかな? LVを上げないとだもんね-」


確かに。品川ダンジョンで戦った感じから、俺たちだけでも十分に戦えるだろう。行くのに異論はない。


だが、その前に。


「イモは先に無敵要塞へ行っていてくれ。お兄ちゃんはちょっと寄り道をしてから行く」


自宅ダンジョン地下1階。モンスターゲートの部屋へ俺はやって来ていた。


暗黒の渦。そのモンスターゲートに俺は手を触れる。


─暗黒門LV20:黄金ダンジョン地下1階その1

─現在、自動転送モードで運転中

─現在のステータス:転送中

─対象数:ネズミ獣10

─転送完了まで:あと180秒


……やはりな。

これまで俺が触れたモンスターゲートは。

品川ダンジョン地下3階が、暗黒門LV40。

自宅ダンジョン地下2階が、暗黒門LV30。


必然的に地下1階の暗黒門はLV20となり、俺のLVは27となるわけだから。


─暗黒門を登録しました。

─操作を選んでください。

・自動転送を停止

・手動転送を実行


操作可能となるわけだ。


といっても変更できるのは2ヵ所だけ。

試しに【自動転送を停止】を選んでみる。


─暗黒門LV20:黄金ダンジョン地下1階その1

─登録済み(城)

─現在のステータス:停止中


モンスターゲートから現れるはずであったネズミ獣10匹がキャンセル。以降、このモンスタゲートからモンスターは現れなくなっていた。


続いて【手動転送を実行】を選んでみる。


・別暗黒門へ転送

・召喚転送を実行


まずは【別暗黒門へ転送】で。


─転送先の暗黒門を選んでください。


エラー:転送先に指定できる暗黒門が存在しません。

転送先に指定できるのは、登録済み暗黒門に限られます。


……どうもこの説明からすると暗黒門、モンスターゲートのことだが、登録済みの暗黒門から暗黒門へ転送するための操作に思える。


そして、先ほどこのモンスターゲートに触れた時、暗黒門を登録しました。とメッセージが表示された。つまりはモンスターゲートに触れることが登録条件というわけだ。


今は転送先が存在せず操作できないため、続いて俺は【召喚転送を実行】を選択する。


─召喚する対象を選んでください

 現在のダンジョン魔力:1146


・黄金アメーバ獣:2000

・黄金コウモリ獣:2000

・黄金ゴキブリ獣:2000

・黄金イモムシ獣:2000

・黄金ネズミー獣:2000


これは……黄金モンスターを選んで呼び寄せるというのか?


だとするなら凄まじいメリット。自宅ダンジョンは黄金モンスターが出やすいとはいえ、毎回出るわけではない。


問題はダンジョン魔力というものが必要になるわけだが……どうすれば集まるのだ? これは。


現在は1146と結構な量が溜まっていることから、俺は意図せず何らかの手段でダンジョン魔力を集めることに成功しているわけだが……


まあ。良い。

まずは検証可能な方を先に済ませて行くとしよう。


俺はモンスターゲートの自動転送モードを運転中に戻して部屋を出る。


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