36.お泊り
掲示板 【ダンジョン】探索初心者スレpart224
102:名無しの探索者さん
今日さあネズミ獣を倒したら肉が落ちたんだけど
みんな肉ってどうしてる?
103:名無しの探索者さん
ラッキーやん
肉なかなか落ちないからな
食っとけ食っとけ
104:名無しの探索者さん
え? 売るんじゃないの?
いつも魔石と一緒に売ってるぞ
105:名無しの探索者さん
いがいに旨いらしいけどね
他に食べる物あるのに、わざわざネズミ肉なんて食う必要ないわな
106:6日でLV25www
ネズミうまーw
お前らもネズミ食えネズミーw
107:名無しの探索者さん
ウシ獣の肉なんかは旨いらしいから食べたいけど
やっぱネズミはなあ……
108:6日でLV25www
ネズミ馬鹿にすんな
我が家は毎日ネズミ肉じゃーい
109:名無しの探索者さん
ゴキブリ獣の肉とかさあ
あんなのドロップして誰が得するんだろう?
買い取りもしてくれんし
110:6日でLV25www
ゴキも食いてえーw
ゴキさいこうやーw
111:名無しの探索者さん
こいつ頭おかしいわ……
変なのばっか食べるからやろうな
112:名無しの探索者さん
>>110ネズミとかゴキとか口臭そう……消えて?
113:6日でLV25www
アホかwwwお前が消えろwww
それに誰の口が臭いって?www
俺はモテモテwwwこれからお泊りじゃーいww
114:名無しの探索者さん
ウソくせーーーーwww
115:名無しの探索者さん
ほらあれや
ゴキ食いすぎて幻覚が見えてるんやろ
そっとしといたれ
116:6日でLV25www
おいおいwwwそんなヒガムなよ?
童貞はマスかいて寝ろやwwwな?
んじゃ俺は楽しんでくるわwww
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眠る前に再度ダンジョン地下1階へ入った俺は、一番近くのモンスターゲートの小部屋を暗黒の霧で満たして、イモの部屋へ戻る。
朝起きるまでの7時間、暗黒の霧を維持するためのMPを消費し続けるわけだが、LV20で習得したスキル暗黒熟練。暗黒スキルの消費MPを減少する効果もありMPが不足することはないだろう。
後はこのまま眠っている間も暗黒の霧が消えないかどうかだが……眠っている間は無防備ゆえ能力が消滅する可能性もあるのが不安である。
「おにいちゃんお帰りー」
パジャマ姿でスマホから顔を上げたイモが出迎える。
イモも今どきの子らしくスマホが好きだが……
「そういえばイモはSNSとかやってるのか?」
「SNSはやってないよー。ストーカーとか怖いもんね」
確かに天使のようなイモがSNSでも開設しようものなら、危険極まりない。ネットは誹謗中傷の激しい面があり、純真なイモが目にしては危険な場所。ひと安心である。
持ち込んだ布団を床に敷いて、俺は横になる。
「おにいちゃん。そんな床で寝なくても良いのに。イモのベッド大きいから一緒に寝れるよー?」
……確かにいくら布団を敷こうが床は固い。将来を考えれば、腰に負担のないスプリングの効いたベッドで眠るのが筋ではある……それにだ。
「寝ようよー。寝ようよー」
誰あろう肝心のイモ本人が一緒に寝ようと言っているのだ。誘いを断るのは失礼というものではないだろうか?
いや……布団を起き上がる途中で、俺は動きを止める。
イモの純真に付け込むような卑怯な真似をしては、俺は最低な親父の同類へと落ちぶれる。
「すまん。眠っている間も暗黒の霧を維持するため、1人で集中しながら寝ないといけない。イモ。ごめんな。おやすみ」
そのままイモに背を向け布団を被る。
「ぶー……つまんない」
……惜しいことをした。ではなくて集中だ。集中。
俺は親父とは違う。決して妹には手出しをしない。
暗黒の霧を脳裏に意識したまま、俺は眠りに着いた。
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翌朝。目を覚ました俺は一番に自身の能力を確認する。
脳裏に浮かぶこの感覚……ダンジョン地下1階に設置した暗黒の霧は、現在も健在であった。
スキルを意識したまま眠れば、寝ている間もスキルは発動したままとなる。これで暗黒の霧による全自動狩場システムは、問題なく稼働できることが判明した。
■暗黒魔導士 LV20 → LV21
それは良いのだが……床に敷いた布団の上で寝ていたはずの俺が、なぜベッドの上で目覚めたのだろうか?
ベットということはだ……隣を見れば当然、俺に寄り添うイモがすーすー可愛い寝息を立てていた。
まさか……寝ている間に、無意識のうちに俺はイモのベッドに潜り込んだというのか?
だとしたらマズイぞ……
1人で集中しながら眠る。イモには手出ししない(キリッ)などと言っておきながら、イモのベッドに忍び込むなど……兄としてあってはならない不祥事。
イモが目覚めるその前に、ひっつくイモの手をそっと剥がして、俺はベッドを離れ床の布団にもぐり込んだ。
後はイモが起きたタイミングで、何食わぬ顔で挨拶すれば一件落着というわけだ。やれやれ……兄の威厳を守るのも大変である。




