31.暗黒の霧 LV16
掲示板 【ダンジョン】品川ダンジョン攻略スレpart206
102:名無しの探索者さん
すみません
今日ダンジョンで外国の人を見たんですけど
外国の人ってダンジョンに入れるんですか?
103:名無しの探索者さん
いや探索者資格を取るなら日本国籍必須やぞ
見た目だけじゃ分からんし日本国籍もってんじゃない?
104:名無しの探索者さん
あー俺も見たわ
しばらく前から来てるね
105:名無しの探索者さん
米軍なんじゃないの?
自衛隊と米軍はしょっちゅう共同で探索してるやん
106:名無しの探索者さん
あれは軍人とは違うやろ
ガタイは良いけど危なっかしかったし
何か狩場でキョロキョロしとったで
107:名無しの探索者さん
米国の探索者なら許可あれば入れるぞ
日本とダンジョン協定を結んでるからな
日本じゃ銃が使えんからわざわざ来ないだけや
108:名無しの探索者さん
ほーん
なら俺らも米国のダンジョン入れるんけ?
109:名無しの探索者さん
ショボイ探索者には許可おりんけどな
向こうなら銃のレンタルあるし興味あるなら行ってみれば?
110:LV21天才探索者さん
なーにが銃やw俺のが強いわw
鬼畜米英死すべしw
111:名無しの探索者さん
まあ高LVモンスターには銃が効かないからな
112:名無しの探索者さん
効かないわけじゃない
効きづらいだけやから>>110程度ならアサルトライフルで撃ち殺せる
113:名無しの探索者さん
せやけどわざわざ許可とってまで
日本のダンジョン来るって何やろ?
114:LV21天才探索者さん
分かったwそいつスパイやw
スパイはぶっころせーきえーーーーーー
115:名無しの探索者さん
ダンジョン協会の関係者やろな
この前は受付のチーフが挨拶しとったで
116:名無しの探索者さん
護衛もなしで?
ただの観光客やろ
117:名無しの探索者さん
まあマジで偉い人ならゴマすってコネ作るチャンスかもな
118:LV21天才探索者さん
ギブミーチョコレートってかw
てめーは日本男児の誇りもねーのかw
119:名無しの探索者さん
>>118
お前いつの時代の人間だよ……
おっさんどころかじじいやろ
120:LV21天才探索者さん
てめーもスパイかw
スパイは抹殺やーーーww
121:名無しの探索者さん
すみません><
俺が変な話題を振ったばかりに……
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4/27(土)
イモが開けた窓から2匹のネコが室内へ入り込む。
「よし。全員揃ったな。行くぞ」
「おー」「「にゃー」」
自宅ダンジョン探索の開始である。
地下1階。2匹のネコが先行して前を歩く。
「妙にやる気があるが……大丈夫なのか?」
「だいじょーぶ。イモより先にモンスターに気づくんだよー」
猫は聴覚に優れた動物である。
聴力に関しては犬以上であり、遠く離れたネズミの足音を聞き取るのはもちろん、超音波をも捉えるという。
考えればトラもライオンも猫科の生物。手軽に雇えるハンターとして、野良猫は適任ではないだろうか。
まあ、犬に比べて気まぐれなのが難点なわけだが……
前を歩くニャン子が突然に走り出す。
「チュー?!」
次いで聞こえるネズミ獣の悲鳴。
お腹が減っているからなのか、2匹がやる気でいるのはありがたい。それにしても……
「イモ……魔石がそこら中に転がっているのだが?」
昨日、イモと2匹がモンスターを狩った戦利品だろう魔石が、洞窟内のいたる所にそのまま残されていた。
「うん。だって、ニャン太郎たち、お肉以外に興味ないんだもんねー」
猫に小判というだけあってそれは良いのだが、拾える人間が1人いるのではないだろうか……?
「イモが拾っても売れないしー。魔石はおにいちゃんにお任せだよ」
なるほど。荷物持ちは俺に任せて自分は戦闘に集中したい。そう言いたいわけだ。確かに我がパーティにおいては、それが最も効率的だろう。
いつまでも子供と思っていたが、効率を考えて行動するようになるとは……お兄ちゃんとして感慨深いものがある。
「ニャン太郎待ってー。イモの分も残してー」
2匹を追いかけ一緒に駆けまわるイモの姿。
本音はただ面倒なだけだろうと思わないでもないが……まあ良い。
俺は地面に転がる魔石を拾い2匹と1人の後に続く。
それにしても……この猫2匹。人並外れたというか、猫にしても並外れた動きをしていた。
2匹の猫を見て逃げるゴキブリ獣。それ以上のスピードで追いかけ追い付き、爪でもって殴り倒す。洞窟の壁を駆け登り、バサバサ飛び回るコウモリ獣に噛みつき押し倒す。
その身体能力はLV16である俺より上。
ギフトは近接戦闘系で間違いないだろう。
俺とイモの弱点はパーティバランスの悪さ。お互い後衛の魔法系ギフトであるため、前衛でモンスターを抑える者がいないという。その弱点が猫2匹により解消されたわけだ。
「イモ。地下の先へ進む前にモンスターゲートを掃除していこう」
疲れた帰り道を襲われては万が一がありえる。
「わかったー。じゃ、こっちだね」
さすが俺の居ない間に潜っているだけあって道を覚えているようだ。
俺はイモの後に続きモンスターゲートの部屋前にたどり着く。
「ここは俺に任せてくれ」
品川ダンジョンでは人目もあって全力デバフは試せていない。
LVの上がった今。地下1階のモンスター相手にどうなるか?
「発動。暗黒の霧。室内を闇で満たしたまえ」
通路から室内へ暗黒の霧を全力で流し込む。
霧を通して感じるモンスターの反応は、ゴキブリ獣。
うじゃうじゃいやがるな……ざっと50匹といったところか。
突如、室内を覆う暗黒の霧にゴキブリ獣が騒ぎ出すも、五感の異常に毒、腐食、麻痺、恐怖、その他もろもろ。デバフのフルコース。しばらくのち──
「よし……終わったぞ」
さながら室内でバルサンを焚いたかのような惨状に、ゴキブリ獣の群れは息絶えた。
「えー?! ボーっとしてるだけに見えて、もう倒したんだー。すごーい! おにいちゃんは最強だー!」
やれやれ……少し本気を出しすぎたか。
少々時間はかかるが地下1階のモンスター相手なら毒と腐食。
2種の継続ダメージにより何もせずとも倒せることが判明した。




