001 合格祝い
続けられました。よろしくお願いします。
「デュフ...デュフフ...フフフフフ!」
やったぞ!成し遂げた!!
私は、三枝静香はこの度!第一志望の高校に合格いたしました!!!!
受験期間中に発売されたゲーム達よ....待っているがいい!私の財布の紐はガバガバだぞ!でもちょっと待ってて、一番楽しみにしてたのが落ち着いてからね!
「あ、玲奈ー?私だよー静香だよー。今から帰るから、例のアレ用意しておいてくれる?」
『ハイハイ玲奈でーす。りょーかいした!ん...そのお願いをするって事はつまり?』
「イエス!!そーゆーことよ。詳しくは家で話すから、じゃねー」
『はい、じゃーねー』
妹―――三枝玲奈との電話を切り、電車に乗る。スマホを弄りながら、例のアレについて思いを馳せる。
ISLAND ONLINE。割りかし普及してきたフルダイブ型VRシステムのゲーム分野において、今かなり注目されている一作だ。第一志望の高校に入学することを条件に買ってもらったこのゲーム、βテスターを『マジで現実と区別がつかない』と唸らせる程の景色の美しさと自由度が売りであり、私もスクリーンショットを見てみたがホントにもう...ヤバかった。夕日とか凄いすごかった。語彙力が溶けるわ。
「うへへぇ......」
あかんあかん。一応公共の場なんだからしゃんとしなきゃ。あー、はよ家に着かないかなー!
※
「ただいまー!!」
最寄り駅から向かい、10分ほどで家に着く。リビングでは母、玲奈が寛いでいた。
「おかえりー。合格したんでしよ?」
「おかえりなさい。合格したのよね?」
(ピース&無言のドヤ顔)
二人に声をかけられ、無言で返す。荷物を片付けて椅子に座り、合格した報告をする。
「という訳で、第一志望に合格しましたイエーイ!!」
「パチパチパチパチー(棒)」
「反応薄っ!?もっとこう...無いの?」
「だって自分で『あー受かったわー勝ち確だわー』とか言ってたし」
「(´・ω・`)」
「はいはいそんな顔しないの。おめでとう、お姉ちゃん!」
「ドヤァ...」
「この後どうするつもり?」
「遊ぶ!しばらく部屋から出ないから!」
「あらそうなの。夜までには戻ってくるのよ?今日のご飯は豪華にするつもりなんだから。」
「うぇーい」
二階の自室に行き、玲奈が置いてくれたのだろうゲームのソフトウェアをVR用ヘッドセットに差し込む。夕食まではまだ時間があるし、サービス開始は日付が変わってからだ。アバターだけでも造ろうと、私はゲームを起ち上げた。