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このガキ、異世界のエロを満喫しまくる~女は全部俺のモノ! 母さん、俺って間違ってるかな?

作者: 海川 良

短編連作四部目

 今日で異世界に転移してきてから丁度4年目だ。


 仮に転移しない世界線を進んでいたならば、今頃は大学生になっていて、エロエロJDに囲まれて楽しくヤッていた事だろう。


 それがどうだ。今の俺、佐藤那音(さとうなおと)の現状は酷すぎる。


 毎日やっている事といえば、兵士を相手に稽古をつけるという名目の、子供の様なチャンバラごっこだ。


 御歳22歳にもなる男が、何が悲しくて勇者様なんてやらねばならないのだろうか。


 まぁ勇者というものは、ある意味ではカーストの上層に位置する職業な訳だから、たしかに良い事も多少あるのだけど、それはエロエロなJDを犠牲にしてまでやりたい職業ではないんだ。


 まだ物心がついてなさそうな幼児だけには「おにーちゃんカッコイイね」と言われた事があるけど、ただそれだけなんだ。


 良い事何てそれだけしかないんだ。しかも褒められたのはその一度きりなんだ。


 俺は魔王を討伐して意気揚々と始まりの王国に凱旋したんだぞ?


 しかしそこに待っていたものは、ハゲた大臣の真っ赤な顔だったのだ。



「なぁ兄ーちゃんよぉ、何かワレ、勘違いしとりゃせんか? あん? ワケがわからないだと? 魔王を倒した勇者様にその言葉使いは何だと申すか? へぇ~すげ~なぁ、テメェそこまでの馬鹿かよ」



 ハゲの放った言葉はあまり思い出したくもないので要約するけど、つまり俺が倒した魔王はただの雑魚だったって事だ。


 魔王は魔界という場所から送られてきた、ただの尖兵だったのだ。だから本物の魔王様は、魔界でなおも大健在なのだ。


 そんな事知らねぇよ! と、当然ハゲには反論したものの、俺が顔を真っ赤にすればする程、周囲からの視線はどんどん生暖かいものへと変っていった。


 王様は大臣ほどには辛辣な態度は見せなかったのでまだマシだったけど、問題は王様の娘で、つまり姫の態度はヤバかった。


 魔王討伐の旅に出る前に、姫とは色々と諍いを起こしていたので、姫は俺に対しその気が全く無いのだと理解していたけれど、改めてあそこまでボロクソに言われると、流石に精神的にクルものがあったのだ。


 姫に何を言われたかといえば……


「ねぇ勇者様、勇者様は言いましたよね? 出立の時に「魔王を必ず倒してきます」と言いましたよね? それが何ですか? 倒した相手は魔王の部下の、そのまた部下の、部下の部下の部下の部下、豚以下の雑魚ですって? もしかして勇者様って姫をナメてるんですか? 魔王を倒すまで、城には帰らないと約束しましたよね? 何故今勇者様はこの場にいるんですか? 豚しか倒してませんよね? おかしくないですか? ねぇどうなんですか? 黙っていてもわかりませんよ!!」


 との事だった。


 そんな酷い事を延々と言われたのだ。詰られて煽られて馬鹿にされて、時間で表すと優に3時間以上は姫に苛められたんだ。


 話を聞いている途中で、俺はおしっこに行きたくなったけど、もちろんそのような願いが叶う事はなかった。


「姫、すみませんがトイレに行かせていただき「我慢しなさい! というかですね、本当に反省している気持ちがあるならば、生理現象なんて気にかける余裕など無いはずですよね!?」


 との事で、当然ながら漏らした。22歳にもなる男が人前でお漏らだ。


 レベル99の勇者が、一応姫の許婚のはずの男が、姫の前でおしっこを垂れたんだぞ?


 しかも未来のお父さんの王様と、未来の部下達の兵士300人の前でだ。



 謁見の間の床の上の、カーペットに残る古いシミを見つめながら、俺は苦い顔をしていた。



 魔界で真の魔王と和解して後に王国に帰還した俺は、今は国王の座について、王座にも座していて、昔の事を思い出していた。



 思い出した後は右隣に座る魔王様に微笑んで、次に左隣に座る妹に笑いかけ、後方に立っている姫は無視した。



「魔王を討伐した暁には元の世界に返してやろう」などと嘘を付いた悪い王様と、口の悪い大臣には隠居をしてもらった。



 レベルの上限が9999の世界で、レベルが28万9256の俺だけど、神の如く最強な俺だけど、姫だけは許してあげた。



 最強で神の如く優しい俺だから、デレた姫を許す位は造作も無いのだ。今はまた昔と同じように姫を愛しているんだ。



 椅子が無くて後ろに突っ立っているのは、だからお漏らしとは何の関連性も無い事なんだ。



 _____




 王城の二階、広さにして二百畳程の広間の中央には、俺と魔王、妹と姫の四人がソファーの上で寛いでいた。


 煎餅っぽい菓子を頬張る魔王と妹。皿の中、煎餅の残りが一枚となった時、場には突如として緊張が走った。


 と、その時だった。


 普段であれば必ず流血沙汰の諍いに発展するこのタイミングで、俺は待っていましたと言わんばかりに口を開いた。


「なぁみんな、俺さぁ旅に出ようと思うんだ」


 スピードや反応速度等の、身体能力が向上する魔法を限界までかけて、最後の一枚の煎餅を手中に収めた後、そう切り出した。


 魔王のレベルは8300。妹のレベルは9999。限界を突破している俺の相手にはならない。


 魔王に比べて妹のレベルは上だけど、ジョブによる格差や経験の差もあるので、彼女達がもしもタイマンで戦うとなれば、互角程度の強さだろう。


 いやそんな事はどうでもいいんだ。


 今から話す事は、煎餅や「二人の嫁」の強さなんかよりも大切な事なんだ。


「それでみんなには悪いんだけど、暫くの間留守にするから、子供達の事を頼む」


 俺にはまだ子供がいない。一人もいやしない。


 子供を頼むと言った舌の根の乾かぬうちに、まるで意味不明な事を言っていると思われるかもしれないが、でも事実なので仕方ない。


「どーゆー事じゃ!? 我を倒すために世界を隈なく旅したお主が、今更どこへ行きたいと言うのじゃ!?」


「ホントどゆこと!? お兄ちゃんには三人も子供がいるのに! お腹の子供を放り出してどこに遊びに行くつもりよ!」


「里香さん、お腹の子に障りますからそんなに興奮しない方がいいですよ。ラフェイも落ち着いて下さいね」 


 半年程前に魔界から凱旋した後、俺は勇者から王様へとジョブチェンジして、王城で暮らしながら三人と子作りを始めた。


 その結果彼女達三人は、ほぼ同時期も身篭った。


 なにせ俺は勇者なんだ。レベル28万超の超人なんだ。


 当然体力は一般人とは比べ物にならない位のチートを誇るし、それに魔族の秘薬のおかげでアッチの方の備えにも抜かりは無いのだ。



 だから四六時中致した。



 二十四時間体制で三人を交互に可愛がる事が出来たので、だから同時に、だから即子供が出来たのだ。



 あの日々は本当に天国だったし、特に妹は背徳か……まぁそれはいい、そんな事よりも今はもっと大切な話があるんだ。



「みんな誤解しているみたいなので一応断っておくけど、別に遊びに行く訳じゃないんだぞ? 里香は魔界の海の街「デスデレーデレ」に寄った時に老人に聞いた話を覚えているか? あの時あのムカツクジジイは「神界」の話をしていたけど、それが最近……」


 俺が語った事は、魔王城に乗り込む三ヶ月程前に立ち寄った魔族の街で聞いた話だ。


 住民全てが「変化の術」で美少女に化けていたデスデレーデレで出会った女の子。その正体は年老いたオークのジジイ。


 魔界では高額で取引されているという「人間の男性のアレ」。


 今とは違い純潔で純粋だった俺は、見た目に騙されて酒場で酔わされて宿に帰るなり狙われたのだけど、何とか返り討ちにして、魔界や魔王の話を根掘り葉掘り聞き出すうちに、神が住まうという世界の事を知ったのだ。


「神の世界なので神界、俗に神域とも呼ぶらしいが、今はそれはどうでもいい。重要な事は名前なんかよりも神域には、とある魔法のスクロールが存在するという事だ」


 そう、それが今日話すべき重要事項だ。


 異世界へ渡るための魔法。俺が納めるこの国の王族のみに伝わるという転移魔法だ。


 500年周期でしか使えないこの国の魔法とは違い、神域にあるスクルールには通常の魔法と同じく常時使用可能な代物らしい。



 つまり、それを手に入れれば地球に帰還できるのだ。



 だからスゴク重要な話なので、お漏らしや煎餅や嫁との営みの事なんかを、いつまでもグダグダと話している場合ではないのだ。



 だけどスゴク重要な話だけど、魔王様も妹も姫も、三人共全然興味が無さそうだった。



「悪いのじゃが那音、我は行けんぞ? 地球人というのは我のように角は生えていないんじゃろう? 奇異な目に晒されるのはゴメンじゃし、それに聞くところによれば地球人というのは品性が下劣じゃし、大人は子供の様にガキ臭くてムカツク奴ばかりなのじゃろう? 元地球人の那音には悪いのじゃけど、正直我はそんな世界には全く興味が沸かないのじゃ」



「里香も帰りたくないよ? てかさ、もしも帰ったとして、お兄ちゃんはどの(つら)を下げて両親に会うつもりなの? お父さんに言えるの? 「妹を孕ませました」とかさ。お母さんには「異世界で妹と結婚させて貰いました」とでも言うつもりなの?」



「すみません、私もちょっと無理です。姫という身分にそれほど拘りがあるわけではないですし、那音様と一緒であれば、どこにでも行く覚悟はありますけど、でも異世界だけはご簡便していただきたいかと……国や国民を放り捨てていく訳にもいかないですし、それに生まれ育ったこの国には愛着もありますし、それに愛犬のバターンケもいますし、それにオペラのチケットも予約したので、それに……」




 これが俺、佐藤那音の、ラリッテ国王の現状だ。




 人生の時間の中、特に重要で大切な時期だといわれる青春を、青春の殆ど全て捧げた結果は、こんな感じで嫁尻敷かれ王様だ。




 地球には帰れない。この分だと神域にあるスクロールを取りに行くのも当分の間は無理だろう。




 暫くは王城から出れない。安定期前の嫁三人に囲まれて過ごさなければならない。 




 嫉妬深い嫁の手により王城の職員は全て男に代えられて、男塗れのお城で、嫁に四六時中監視されながら、古びて少しボロイ感じの城で暮らさなければならない。




 神域へ行くという建前の浮気の旅の計画は、そうして初っ端からアッサリと頓挫してしまった。





 その日の夜、俺は久しぶりに街の近くの森にやってきた。





 目的はスライム狩り。純真だった頃の俺が毎日お世話になったスライムだ。





 魔界に伝わる伝説の魔王の剣「れーばんていん」でスライムを粉みじんにした後は、その屍骸を木で出来た筒に詰めた。





 詰めた後は誰にも見られないように注意しながら、自身にバフ魔法を全力でかけて、そして……俺は……それを使って……





 これが俺の物語だ。





 これが俺流の異世界の満喫の仕方だ。





 親には言えない話だ。





 妹に似て気の荒い母さんに知られてしまうと、絶対に殴られるだろう恥ずかしい冒険譚だ。




約4500字の駄文稚作を、俺の渾身の魂の作文を、頑張って読んでくれてありがとな!

つまらない話だから結構長く感じただろ?

でも大丈夫だ。ムカついてもイライラしても憤慨しても、その気持ちは嘘じゃないんだ。

俺も同じだし、みんな一緒の気持ちだから、だから大丈夫だ。知らんけどとにかく大丈夫だ!

だから、だから頼むから、ポイントポチポチと辛辣な感想だけは勘弁してほしい。

うん、わかるぞ。俺も自分で読み返した所、かなりムカついてきたから気持ちは理解できるぞ。

分るんじゃなく解るぞ。

だけどな、ここまで読んだキミにも責任はあるんだぞ? 

だってさ、最初の一行目を読めば、この作文がつまらない事なんて誰にでもわかる事だろう?

な? だからそーゆー事だ。

つまりさ、ここまで読んでくれた貴方は私の同士って事です。

貴方はとても忍耐強い。それに私とは趣味が合いますし、これはもう友達って事でOKですよね?

だから友達のキミに、お願いがあるんだ。

この駄文から下のほうにカーソルをスクロールしていくと、なんか12345と数字が並んでいる、変な場所があるんだけど、そこは絶対に触れないでくれ。

具体的に言うとマウスの左ボタンを押さないで欲しい。

それと【感想を書く】とかいう変な場所もあるけど、そこもスルーしてほしい。


くれぐれも頼むぞ?

友達である俺との約束だぞ? ホント頼むぞ? 

じゃあまたな! 

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