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世界を変える力と不思議な魔法使い 前編

 俺たちは5日間の迷子の末ついに成し遂げたのだ。

「街だーーー」

 そう、俺たちはついに街に着いたのである、ダンジョン攻略、、、出来てないけど、その後にただの紙切れを自分たちの位置を表示してくれる地図に変化させることで迷子を解消したのである、最初からそうすればよかったなんて野暮なことは言わないでほしい。

 俺たちはとりあえず休むところが欲しくて、宿屋を捜していたのだが、、、

「でも冬夜、この持ち合わせじゃ何処にも泊まれないよ」

 道中は薬草やキノコなんかを食べて食いつないでいたので、お金のことをすっかり忘れていたのである。

「何とかお金を稼ぐ方法ないのか」

「これだけ大きな街なら役場に依頼書が張ってあるかも」

「依頼書ってなんだ?」

「大きい街だと街の人が報酬を出して依頼をするの、それを管理しているのが役場なのよ」

 つまりゲームで言うクエストといったところなのだろう、お金がない俺たちにはいかないという選択肢もなく役場に向かった。




役場の中は思った以上に人でごった返していた、奥には沢山紙が貼られた板が置いてある。

「あの紙が貼ってあるところか」

「多分そうだと思う行ってみよ」

 セナは俺の手を握り提示版の方に向かっていく、こういう時はきっと男が引っ張っていかなければならないのだろか。

「いっぱい依頼あるけどどれにしようね」

「こんなのいいんじゃないか」

 俺が手にしたのはイボイノシシの討伐である、報酬は金貨3枚、銀貨10枚である。この世界では銅貨20枚と銀貨1枚が同価値で、銀貨20枚と金貨1枚が同価値らしい。

「イボイノシシか、、、冬夜がいいなら私はいいわよ」

「じゃあこれにするか」

 俺は依頼書をはがし、受付らしきところにいる女性に話しかける。

「イボイノシシの討伐ですね、討伐した証拠としていぼを持って帰ってきてくださいね」

「分かりました」

 俺はこの時イボイノシシというとあのイボイノシシを想像していた、だが俺は大事なことを忘れたいた、この世界がファンタジーであることを、、、




 俺たちは走っている、追いかけてくる巨体から逃げるため全力で走っている。

「セナ! もう一度確認するがあれはイボイノシシなんだよな!」

「うん間違いないよ、おでこにあんなイボがあるのはイボイノシシぐらいだよ」

 俺たちを追いかけてるイボイノシシはおでこに巨大なイボがついていて体長約6メートルほどの巨体である。

「どうするの冬夜、このままじゃ追いつかれちゃうよ」

「こうなったら物は試しだ」

 俺はポケットに入ってる石をボムストーンに変化させる、それをイボに向かって思いっきり投げつける。

 見事に命中しボムストーンが爆発するとイボイノシシがひるむ。

「セナ! 前足を切ってくれ」

 俺は思い出した最初の村の図書館で読んだモンスター図鑑でイボイノシシを見たことがあったのだ。

 イボイノシシはおでこに大きなイボついているのが特徴で体長は5メートルから8メートルほどで足も中々早いがイボに強い衝撃を与えるとひるむのと前足がもろいと書かれていた。

「わかった!」

 セナは魔剣を抜き光の剣を三本出現させた、光の剣はセナの指示でイボイノシシの前足めがけて飛んで行った、、、だが

「ごめん冬夜、届かない」

 光りの剣はイボイノシシの手前で消滅しセナは座り込んでしまった。

 俺はとりあえずセナを担いで走る。

「一本でいいのになぜ三本だしたんだよ!」

「とりあえず街に逃げ込むか、いや駄目だ、そんなことしたら街がパニックになっちまう」

 打開策を考えているとローブをまといフードをかぶった子が横並びになって走ってきた、体格的に女性だろうか。

「え、え? 何事」

 俺はただただ目の前で起こっていることがよくわからず焦っていると彼女は持っていた大きな本を開いて見せてきた。

「白紙、、、?」

 そのページは白紙で何も書かれていなかったがすぐに文字が浮かび上がり本から声が聞こえてくる。

「報酬金の半分であのイノシシを倒してあげますよ」

 俺は本がしゃべっていることにも驚いたが、何よりも声が篠根先輩にそっくりなことに驚いていた。

「どうしますか? 走るの苦手何で早く決めてください」

 今の現状を打開する策がなかった俺はその子に報酬の半分でイノシシの討伐を依頼した。

 彼女はその場で立ち止まりイノシシの方を向き本を開く、そこにはさっきと違って文字が書かれていた。

 彼女が手をイノシシに向けると本が光り地面に魔法陣が発生した、イノシシがその陣に入ったタイミングで彼女が手を上にあげると魔法陣から大きな剣が出現しイノシシの体を突き刺した。

「す、すごい」

 俺は目の前で起こっていることに見とれていた。

 彼女はイボイノシシのイボを出現させた魔法の剣で切断し俺のところに持ってきた。その後また本を開きまた白紙のページを見せてきた。

「それじゃあ報酬をください」

「え? それってもらってからじゃダメかな、俺たち文無しで」

「なら一緒についていきます」

 彼女は自分ではしゃべらず本が変わりにしゃべっているようだ。

「(もしかしてしゃべれないのかな)」




 俺たちは街に戻り役場を目指すが、セナは動けないため商人に頼んで店に座らせてもらい俺と彼女で役場に行くことになった。

 しばらく進むと彼女がまた本で語りかけてくる。

「こっちの方が早いよ」

 彼女はそういって俺を裏路地の方に案内してくれた。

「やっぱ住んでる人は近道とか知ってるもんなんだな」

 彼女は返事を返してくれず、気まずい空気のまま歩き続けたが、俺はある建物を見つけ彼女に質問をする。

「なあ、あの建物って役場の方向とは逆にあった建物だったような気がするんだが」

 俺がそう言った瞬間、勢いよく壁にたたきつけられる、壁には魔法陣があり体の自由が利かなくなっていた。

 彼女はかぶっていたフードをとって見せた、そこで俺はさらに驚いた、顔と髪型は笹野先輩そっくりだ唯一の違いは髪の色は銀色だったことだ。

「まさか今日来たばかりで街の建物を記憶しているとは大した記憶力じゃな」

 その声はさっきまでの篠根先輩の声とも違い、口調は古い魔法使いのようなしゃべり方だった。

「えっと何で俺ははりつけにされてるんですかね」

「単刀直入に言うと、その右手をいただこうと思っての、その右手は変える力を宿しているだろ、だからほしいんじゃ」

 俺は驚いていた話してもないのに力のことを知っていたからである、確かにイノシシの時、力は使ったがそれを見ていたとしても、それだけでどんな力かまで当てることが不思議で仕方なかった。

「まあ安心せい、右手をもらうだけじゃ命まで取る気はない」

「なんでこの右手が欲しいんだ」

「そんなのお主には関係ないかろう」

 ここで俺は現状を打開するために作戦を考えた。

「もし右手を奪ったとしても力が使えなかったらあんたも困るだろ、だから俺がお前の理想通りに変えてやろうか」

「それに書き換えるには無条件じゃなく問題に答えなきゃならない、しかも人間に対しての問題はかなり厄介だ、だから一人より二人で考えたほうがいいだろ」

「一理あるな、ただし変な真似をしたらすぐに腕と首を斬り落とすからな」

 首を斬り落とすが増えているはあまり気にしないようにして、彼女の手を握る。

「アクセス」

「(問題、この人の母親の名前は?)」

「お前の母親の名前は? だそうだ」

 それを聞くと彼女は顔を青ざめ俺の手を払いその場から走り去っていってしまった、そのあと魔法が解けたのか俺は地面に無事着地できた。

 彼女のことを少し気にしながら役場で報酬をもらい、セナのもとに向かった。

「あれ? あの女の子は」

「ああ、なんか急にどっかに行っちゃったよ」




 俺はセナをごまかし、商人に教えてもらった近くの宿屋に向かた。

「一泊いくらですか」

「一部屋銀貨2枚だよ」

「じゃあ一部屋で」

 俺が二部屋と言おうとするとセナが割り込んできた。

「いいのか? 一人の方はが気楽だろ」

「すこしでも節約できるところは節約しないとね」

 俺たちは部屋に向かうがやはりベットは一つしかなかった。

「(仕方ない、俺は床で寝るか)」

「ベットちょっと大きいから二人で寝れそうだね」

 正直少し驚いていた、年頃の旦所が同じベットで寝るという行為はよからぬものを招きかねないからである。

「いいのか?」

「全然いいよ」

 だが誘惑には勝てなかった。

「お風呂は先にどうぞ俺は少し出掛けてくるよ」

 俺はあの子の事が気になり街の人に聞いてみることにした。

「もしかして金髪の大きな本を持った子の事かい」

 さっきの商人おじさんに聞くと、その人は少しおびえながら話してくれた。

 どうやら彼女はこの辺では何人にも手を出しているらしく、魔女として恐れられているらしい、そしてもう一つ、、、

「魔女狩り?」

「ああ、あの女は街のはずれにある森に住んでいるんだが、そこを燃やすのさ」

「決行は明日の夜なんだが兄ちゃんもどうだ」

 俺はあまりかかわりがないと言って断り宿屋に戻った。

「ただいま」

 俺は部屋に入った時あまりに不用心なことを後悔していた、異世界で親しくなった女性が先に風呂に入っているというシチュエーションはたいていお決まりなことが起こる。

「と、冬夜! い、意外と早かったわね」

 ほらお決まりだろ、部屋の中でセナは下着姿でごろごろしていた。

「べ、別に服が嫌いなわけじゃないからね」

「そんなことより早く服を着ろよ」

 セナの下着姿はもはや砂月まんまだったため、驚きも興奮もなかったのである、ちなみに砂月は何度も俺に下着姿を見せているためなおさらである、それに比べるとセナは恥じらいがあってだいぶ女性らしく見えた。

 その夜セナは俺に背を向けて横になっていた、気まずい雰囲気を感じたのかセナが口を開く。

「と、冬夜、私の下着姿何とも思わなかったの」

「(どんな質問だよ)」

「まあ、セナに似てるって言ってた砂月は、私のこのスタイル抜群の体を見てなんか思うこととかなの? とか言って自分から見せてくるから、何も思わなかったのはたぶんそれが原因だろうな」

「そ、そっか」

 話はここで途切れてしまい雰囲気はさらに気まずくなってしまった、俺はここであの魔法使いについて商人から聞いたことをすべて話した。

「それで冬夜はどうするの」

「考えてるけど、どうせまとまらないから、明日また彼女を捜して聞いてみることにした」

「そう、でもまあ冬夜らしいかな」

「俺らしいね、よくわからん」

 そのあとは特に話すこともなくお互い眠りについた。




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