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世界を変える力と初めての出会い

 俺は今草原に座り込んでいる、なぜ普通の学生だったはずの俺が草原にいるというと、自分が主人公の謎の本の言うとりにしたら、俺は異世界に飛ばされてしまった、とまあこんな感じである。

 俺は目の前の現状を受け入れたくなく、現実逃避がてら座って空を見ていた。

 だがふと右手に視線を向けると、手の甲に鍵のマークが描かれていた。

「このマークは何だ?」

 少し考えてみたがその理由は何となく察することができた。

「もしかして世界を変える力か?」

「だとしたら何かに触れてみるか」

 地面に転がっている石に触ってみるが何も起こらない。

「(キーはアクセスです)」

 頭の中に何か声がした、とりあえず口にしてみた。

「アクセス」

 石を持ちながら言ってみると、また頭の中で声がした

「(問題、扇子は元々何を目的に作られた?)」

「(なんだこれ?雑学か?)」

 いきなりの問題で俺は驚いてしまった。

「時間切れです、アクセス権を譲渡できません」

 またしても頭の中に声がした。

「時間切れって、時間制限があったのかよ」

 そうして無駄に時間を過ごしていると後ろの方から声がした。

「こんなところで座って何をしているの?」

 その声はまさに砂月そのものだった。

「え? 砂月」

 俺は思わず声を上げ後を振り向とそこには砂月そっくりの女性が立っていた、だが剣を腰に携えていて剣士のような格好をしていた。

「砂月? 私の名前はセナよ、セナ=アングレス」

「あ、すいません、つい友人に似ていたので」

 俺はこの段階でやっとここが異世界であることを理解した。

「えっとここはラフィレスト王国で間違えないですか」

「ええ、間違いないけど」

「(あの本のことは本当だったのか、、、)」

 俺は状況を整理しようと考えこむが俺の理解力が追い付かない。

「どうかしたの?」

「あ、いえ、ちょっと考え事を」

「何でもないならいいけど、こんなところにいたら魔物に襲われかねないし、とりあえず村に案内するわね」

「ありがとううございます」



 俺は言われるがまま村に案内してもらった。

「ここが私の家、どうせ宿の当てもないんでしょ」

 そういってセナは俺を家に入れてくれた。

 家は木造の作り、いかにもファンタジー世界のような家だ。

 しばらくすると家の奥から男が出てくる、男は大柄で筋肉質の体系をしている、その男は俺の目の前まで近づいてくる。

「セナ、誰だこいつは?」

「草原で迷子になってたから連れてきたのよ」

 迷子と言う響きは少し心に刺さるものがあった。

「草原で迷子とは面白いなお前、俺の名前はライズだ、セナの父親だ」

 似てない、その言葉をぐっと飲みこむ。

「俺は石崎冬夜です」

「変わった名前だな、どこの出なんだ?」

「それが自分でも良くわかってなくて」

「記憶喪失ってやつか? 大変だなそりゃ、まあ何か思い出すまで家にはいてくれてかまわないからな」

「ありがとうございます!」

 見知らぬ世界でこんなに優しくされ感動していると、セナが話しかけてくる。

「どこか行きたいところとかない? 良ければ案内するけど」

「この世界のことが分かる図書館みたいなところはありますか?」

「ええ、あるわよ」

「それじゃあそこにお願いします」

 そうして俺はセナに連れられ図書館にやってきた。

 図書館はそこまで大きくなく本が本棚に収まっていな本も多くあった

「ロエナ、いるかしら」

 セナがそういうと本棚の奥から女性が出てくる

 女性は眼鏡をかけて、いていかにもインテリ女子と言わんばかりのオーラを出している。

「ロエナ、紹介するわね、彼は石崎冬夜さん」

「どうも、私はロエナ=クロネリアです、どのような要件でしょう」

「実はこの世界の知識を付けたくて」

「でしたらこちらにありますので」

 ロエナは本のあるほうに案内してくれた。

「それじゃあ私は帰るから、また頃合いを見て迎えに来るわね」

 セナはそういって図書館を後にした。

 それから約3時間後

「冬夜さん、迎えに来ましたよ」

 セナは冬夜のいるほうに向かう。

「え? これはいったい」

 セナの目の前には冬夜周りに大量に積まれた本があった。

「あ、セナさん、つい夢中になってしまって」

「これ全部読んだの?」

「ええ、そうですけど」

 セナは驚きを隠せないのか顔に出ていた。

「本は戻しといてあげるから、貴方は帰ってもいいわよ」

 ロエナが奥から出てくる。

「いいんですか、ありがとうございます」

「これが仕事だからね」

 ロエナにお礼を言って俺とセナは図書館を後にした。

「(あの子、本を読む速度の速かったけど、信じられない記憶力ね)」



「ちょっとそこで待ってて貰っていいですか?」

「かまわないけど、忘れ物でもしたの?」

「ええ、そんな感じです」

 俺は図書館の方に走る振りをして裏路地に入る、さっき草原で拾った石を取り出し。

「アクセス」

「(問題、サランラップの商品名の由来とは?)」

「(問題が違う、一度失敗すると問題が変わってしまうのか)」

 少し焦りながらも特に考えることもなく答える

「(答えは人の名前)」

「(正解、アクセス権を譲渡します変更できる内容は一か所です」

 頭の中にする声とともに目の前に石についての説明が映し出された。

「名称、石、説明、ただの石ころ)」

「なんだこれ? このどれかを変えれるのか?」

 と言っても変えれるところは名称か説明文だけに見える。

「じゃあとりあえず、名前をボムストーンに」

「(承認しました)」

 その声が聞こえると目の前の石は本で見たのと同じボムストーンの見た目に変化していた。

「見た目が変わった、本当に変わったのかな? 確かボムストーンは衝撃を加えると爆発するんだよな」

「ボムストーンの威力は脅かす程度とかだっけ、ちょっと使ってみよ」

 ボムストーンを握り、腕を振りかぶる。

「何をしてるの」

「いや、なんでもないです」

「そっか、なら早く帰ろ、ご飯作らなきゃいけないからね」

 俺は石をポケットにしまい、セナと一緒に歩きだす。



「ただいま、冬夜さんご飯の手伝い頼める?」

「分かりました、僕でよければ」

 準備をして調理場に行くとセナはエプロン姿で料理をしていた。

「砂月も料理とかするのかな、きっと料理してたらこんな服装何だろうな」

「どうかしたの?」

「いえいえ、なんでもないですよ、それで僕は何をすればいいですか?」

「そこの鍋で出汁を取ってるから、焦げないように見といて」

 だが俺は鍋の中を見て顔をゆがめる。

「セナさん、これはいったい何ですか?」

「え? スライムだけどもしかして見たことない」

「見たことはあるんですけど、スライム料理は初めてで」

「そうなんだ、おいしいわよスライムスープ」

 セナはにっこりと答える。

「そのかわいい顔でその表情はずるいですよ」

「え? か、かわいい」

 セナは少し顔を赤らめる。

「冬夜さん、別に私のことはセナでいいわよ」

「じゃあ俺のことも冬夜でいいですよ」

「それじゃあ早く完成させましょ」

 数十分後、テーブルに料理が並んでいる。

「こいつはうまそうだな、早く食べようぜ」

 ライズがそういうとみんな料理をほおばる

「スライムスープおいしいですね」

「でしょでしょ! おいしいでしょ」

「俺は肉のほうがいいけどな」

「お父さんは野菜をとったほうがいいわよ」

 そんな楽しく話しながら食事は終わり、案内された部屋のベットで横になる。

「(世界を変える力か)」

「結局ボムストーンは試せなかったな、でもなんでも変えれるなら自分自身も変えれるのかも」

 俺は自分の胸に手を置く。

「アクセス」

「(問題、貴方は何ですか)」

「(え? なんだこれ、なぞなぞか何かか?)」

 俺はまったく答えが分からなかった。

「(時間切れです、この体へのアクセス権を一日剥奪します)」

「人間はアクセスに失敗すると、一定時間アクセスできなくなるのか」

「まだよくわからんことが多いな」

 そのまま俺は眠りについた。








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