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特務部隊<キズ>  作者: 中尾リン
一章
1/7

一話

 慣れてないのでそれなりに拙いです



  久しぶりに見た悪夢は、いつものように、まるで現実のようなものだった…。


 そんならしくもない感傷をしていると、アラームと蝉の声が、耳を打つ。



 鳴り続けるアラームを止めるために体を起こす。どうやら、原稿の作成途中に寝てしまったらしく手元にはプリントとシャーペン、消しゴムなど筆記用具が散乱している。


 そんなプリントの中、存在感のある一枚目線があった気がした。

そのプリントにはこう書いてあった。


始業式[司会 :夢永コウ]と


「あっ……やべぇ…」


  夢でのことなんか一瞬で頭の片隅に追いやり、机の上を見渡す。そこには書きかけのスピーチと、クシャクシャになった司会の原稿の残骸。


「…やらかした‼︎」


 スピーチ自体は八割完成している。だが、司会の原稿が汗で濡れ、ところどころ破れている。


 夢永コウ17歳 高校2年生 今月最大のピンチである‼︎


……ここ三日間いろいろあり、根を詰めていたのが間違いだったらしい。

睡眠欲と倦怠感、おまけに軽い頭痛が、さらに気分を悪くする。



原因は昨日の夜にある。


本来ならば、体調を考えて、早く寝る予定だったのが、そんな時に最悪のタイミングで会長である、双葉先輩から火急の用事と電話が来たのである。


内容は大方こんな感じだった。


「課題終わらなくてスピーチ考える暇ないから代わりに作っといて~。あっ、ついでに明日の始業式の司会よろしく‼︎」


とかふざけた内容の電話をしてきたのだ。、

そのため、急遽スピーチを考え始めるはめになったのだ。


自分でやれ‼︎ と訴えれば。


「じゃあいいもん!やってこないだけだもん」


とか言ってやらない宣言をしてくる。


そして尻拭いはだれがやるのかというと…

仲の比較的良い副会長の私がやる。という、理不尽極まりない暗黙の了解が生徒会内には漂っている。

そして実際にやらされている…。

まったくもって貧乏クジを引いた感じなのだ。


受験で忙しいとはいえ、放り投げてくる3年生にはこまったものである。


ちなみに同学年である2年生も手伝ってくれない。



そんなことを振り返り、延々と頭の中で愚痴をこぼしながら、制服を準備する。


課題と今日必要な教科書と出来損ないのスピーチ原稿をカバンに突っ込み 制服とともに、既に誰かがいるリビングに駆け下りていく。


「おはよう母さん!パン用意しといて!」

「おはよう、コウ。なに急いでるのさ?」


親の心配する声を背中で聞き流し、顔をあらいながら返事をする。今は1分1秒が惜しい。


「また会長の尻拭い!」

「またかい?…」


他愛もない会話を挟みながらも身体は動かす。

なかなか直らない寝癖と戦い。

少し伸びていた無精髭をそり。

歯を磨く。

昨日うちにアイロンをかけていたYシャツに腕を通し。

クリーニングに出していた制服を履く。

そして母親が準備してくれた。パンをカバンに入れ。

下駄箱に入れてある履き慣れたローファーを探しにいく。


玄関でローファーを履いてると後ろから母親の声が飛んでくる。


「そういえばコウ、あんた魔法課のどの部隊だっけ?」

「なんで急にそんなこと聞くのさ?」


「あんたの部隊のとこまで書類を出さなくちゃいけないからねぇ。この半年の間、あっちのことなにも話さないから忘れてしまったのだよ。」

「…傷部隊」


「…なにその名前?」

「俺らみたいな【キズアト】を集めた部隊だから傷部隊なんだよ。話はそれだけ?」


「それだけだよ。時間、大丈夫?」

そう言われてスマホで時間を確認する。

……駅まで走ればまだ学校での時間は作れる。


「いってきます!」

そういって家をでた。





がんばります

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