武神英雄列伝その1〜ゼフとローザ〜
なんかまた変なのが始まりました
列伝では『武神英雄伝説』を彩る様々な人物に歴史学的見地から迫ってみようと思う。最初に断っておくが、『武神英雄』やその周囲の人々についての逸話は大陸の至る所に存在する。ここで紹介する説は、現時点では『武神英雄伝説』に載せることの出来ない、あくまでも一説である、という事だけはご理解いただきたい。
ソラ・アームズノアは言わずと知れた英雄であるが、彼の両親についての文献は非常に少ない。
父であるゼフはソラが生まれた頃には自らの生まれ育った村で農作業に勤しんでいた。これはソラ本人の手記にも明確に記述があり、議論は無い。一方、ギルドの公式記録から、元ギルド組員だという事が分かっているが、その現役時代の功績は謎に包まれている。
偉大な英雄の父親らしく、
・SSランクの魔物であるスキュラを単独で倒した
・コーネリア皇国の国宝である7つのヒュドラの牙、このヒュドラを討伐したのは彼である
といった伝説があるが、どれも眉唾物と言わざるを得ない。ギルドの公式記録ではゼフの生きた時代にスキュラが討伐された記録は無い。ヒュドラの牙であるが、こちらはソラ・アームズノアが討伐した伝説が混同されているという説が有力である。
反対に彼は凡庸であったという説もある。凡庸だったためにギルドに記録が残っていないという説だ。
現時点ではどちらの説が有力かの判断材料は乏しいのでここで名言するのは避けておく。
ソラ・アームズノアの母親の名はローザであるが、彼女の出自には様々な説がある。
ソラが頻繁に使った紋章に『武神章』(巻末付録その27参照)がある。これは、彼が親しい者への手記に書いた、彼本人が書いた手紙の証明印とされている。この『武神章』であるが、古代文明の遺跡に『武神章』に似た紋章が散見される。ここから、ローザは古代文明の叡智を受け継ぐ末裔の出であるとの都市伝説がある。
また、彼女がコーネリア皇国の皇族であるという説もある。コーネリア皇国に伝わる伝説によると、ソラ・アームズノアはコーネリア皇族にしか手に持つ事が出来ない『コーネリア聖剣』を持つ事が出来たとあり、この事から唱えられた説である。ゼフとローザが出会ったのはコーネリアの街(現コーネリア皇都)であり、時期を同じくしてとある皇族が失踪した記録もある。現時点ではこの説が有力であり、筆者もこの説を推している。
ソラは2人の実の子ではなく孤児であったとの学説も存在するが、証拠に乏しく俗説の域を出ない 。