9 私と茂兄と先生それぞれの関係
さっきの続きです
「そえばーさ、何で私、精油の作り方知ってたの?」なんて軽く聞いてみる。
「え、桃覚えてねぇの?」
と茂兄はちらりと先生を見る。
先生は「…みたいなんだよねー」と困った様に笑う。
「そうそう、先生と私って会ったことないですよね?私のこと茂兄から聞いてたとか?」
「まぁ、桃ちゃんもあの時小さかったからねー…3回。会ったことあるよ」
え?
「そういえば、あの時も精油作ってたんじゃね?」
「えーーー、茂も忘れてたの?
あの時を再現しようと思って精油を作ってたのに!」
なんだよーと先生はいじける。
「ちょ、ちょっと待って!
茂兄と先生は大学の先輩後輩関係なんでしょ⁈なら、どうして私と会ってるの?」
「えー、だって僕が茂を同じ大学に誘ったんだよ?ね。」
茂兄はこくりと頷く。
「元々は、サッカー部の先輩だったんだよ。ほら、桃も俺の応援に来てくれてただろ?」
……サッカー部。
もちろん覚えてる。私はよく茂兄のサッカーの試合にはお弁当を持っていって張り切っていた。
まさか、そこにいるとは思わなかった……攻略対象キャラが。
どうやら、話は無事に進行してしまっているようだ。でもまぁ、見てる限り今回も恋愛に発展することはないだろう。
「雨天でサッカーの試合な中止になっちゃったことがあったんだよね、その時にじゃあ精油でも作ろうかーってなったんだよ。」
じゃあ、で精油作りってどうゆうことだよ…その間に何があった?
「まぁ、そこはおいておいて。
そろそろ帰ろうか。もう日が暮れてきてる。ついでに茂も送るよ?」
「それじゃ、お言葉に甘えて。
桃、帰る準備があるだろ?ここで待ってるから行ってこい。」
「うん。すぐに戻るね!」
……しまった流された⁈
茂兄を使うなんて卑怯な!
先生は、先に車へ向かったようなので茂兄と一緒に校庭を歩く。
花が沢山咲いている中で2人でお散歩…デートみたい!
花を見ながら「んー、やっぱりなぁー」と茂兄は苦々しく呟く。
「どうしたの?」
「んー、やっぱりこういう風に花を見ても授業でよく使ってるから…なんか落ち着かない……」
……それは何かしょぼん。こんなに綺麗に咲いてるのに…
「あ、いや花も授業も嫌いなわけでもないし……えーと、植物にも食べれるやつあるだろ?あれは、うん好きだぞ」
……私、茂兄の正直なところも好きだよ……でもデート気分は私だけか……はぁ。
まだまだ茂兄とのラブラブな関係は遠いようです……