8 3人で精油作り!
茂兄が桃ちゃんを大事にしてるってだけのお話。うん、これに尽きる…
ふふふーん♫
皆さん、今幸せですか?
私は幸せです。だって…茂兄と一緒にいれるから〜
「あ、わりぃ。桃、そこちょっと邪魔。」
……。同じ空間にいれるだけでも幸せなんです…
茂兄は先生…石蕗桔梗に用があった様だ。そして何か資料を渡した時、「あ、この材料ならあるし折角だから作らない?」と先生が言った。「あ、それなら……」と何やら花を指定する。そしてニヤニヤする先生。で、その花は……ん、これは……ラベンダー?
「先輩、やり方は水蒸気蒸留法で良いですよね?」
「うん。それが1番無難だしね。」
そう言うと茂兄は、さっきのラベンダーを釜に入れて蒸した。それを取り出して、蒸したことによって気化したものを今度は冷やす。すると、液体が出来る…あ、これ精油を作ってる?てか、どうして私は知ってるんだろ……。理科の授業ででもやったかな?
「お湯の準備も出来ました。」
「んー、わかったよ。今タオル持ってくるね。」
茂兄はお湯に今作った精油を2.3滴垂らす。「良い匂い…」ふわっとラベンダーの香りな広がる。茂兄も満足そうに「だろ?」と笑う。
「はい、はい。僕抜きでいちゃつかないの。」
と戻ってきた先生はタオルをそのお湯に浸けてから、そのタオルを私の顔に載せた。「あつ⁈」……。
気持ちい……。
タオルに染みた精油の匂いは、目元というより鼻に近い位置にあり匂いがダイレクトに伝わる。
「気分は落ち着いたか?
まったく。何かに頑張るのは良いけど徹夜はするな。お前はいつも頑張りすぎなんだよ。心配するこっちの身にもなれよな!受験の時だって、何日間も徹夜して……ふらふらになって受験したの覚えてないのか?それに部活も…………」
「まぁ、まぁ。茂こそ落ち着きなよ。桃ちゃんのことが心配なのはわかるけどねー。」
「そりゃあ、心配にもなりますよ!」
……ドキドキ。
茂兄が私のことを心配してくれてる…嬉しい。
「ラベンダーの匂いにはね、リラックス効果があるんだよ。茂は、桃ちゃんのこと本当に大事にしてるよね。」と先生が言う。
茂兄もひとしきり言った後
「まぁ、あれだ、あんま無茶すんなよ」と私の頭を撫でてくれた。
……茂兄、先生有難う。
私の気持ちは暖かくなった。