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2 植物育成委員会…ふふ、ゲームヒロインとは違う委員会です!

やっと、書けましたー


 おはようございます。

朝です。とうとうゲームでいうところの1日目です。あえて、ゲーム通りに再現するなら……


「おはよう、今日も良い朝!……なにか良いことあるかも」


 ……なーんか違う、何か足りない…なんかおかしい。ゲーム通りじゃない。記憶がまだ全て戻り切って無いのか……っと、このまま考えてたら遅刻しちゃう!


 




「さっすが、大きいわ〜」

何度見てもそう思う。流石はお金持ち学校!私がこの学校を選んだのには偏差値が高い他にも理由がある。それは、学校一面に花が咲いてあることだ。以前に学校見学へ行った時に咲いてた一面の花を見て感動した。この学校が花の育成に力を注いでいることを知ったのが志望理由の決め手となった。


 私の通う『ストレチア学園』は、お金持ち学校ではあるが故にイベントが伝統的なものであり、盛大で豪華。そのイベントは生徒会が運営している。生徒の自主性を重んじる校風なのだ。


 だからなのか……


「桃さん、もう委員会は決めました?」


「うん!植物育成委員にしよーかなーと思ってるよ。小春ちゃんは?」


「んーと、私は……」


 うん。めっちゃフレンドリー!

ごめんよ、皆。お金持ち学校ってゆーから、「あらやだ、庶民がいるわ。オホホホ。」って言うイメージがあったの。だって、ゲームではそうだったから…偏見でした。すみません。

 

 そうだよね、ここは現実だもん。ゲームと全く一緒のはずなんてない。あーーー、順風満帆だわ。

なんか、このまま乙女ゲームと関わること無く生きていけそうな気がする。第一…


 学園に入ってから、始まる最初のイベントは俺様生徒会長の立葵椿たちあおいつばきと会って、花についての雑学を教える所から始まる。最初は、花に興味を示さなかった椿が段々花に興味を示す。それと同時にヒロインに恋をしていく。ざっというとこんなストーリーだ。


 椿の花言葉は『完璧な魅力』

一応生徒会長がメインヒーローとなっている。


 結局まずは、生徒会長にさえ会わなきゃ会計の竜胆楓りんどうかえでにも会わない。これで2人が、私のハーレム要員からはいなくなる。


 ちなみにゲームのヒロインは、植物広報委員会に在籍していた。その委員会は、学校全体に花の美しさを伝えるという仕事をする。例えば、「この花が旬ですよ」とか「こんな花が咲きました」などの新聞を書いたりする。

 その中には、学園の顔である生徒会室にも花束を届けるというものもある。まぁ、生徒会室には色んな人が来るから実際花を人に見てもらう場所としては良いだろう。

 ヒロインが生徒会室に花束を届ける様に言われて、生徒会室に行くことで初めて生徒会長の椿に会う予定となっている。


 私が在籍する予定の植物育成委員会は、その届けに行く植物や学園に咲いている植物を育てる仕事だ。ぶっちゃけ地味。でも、地味に生きることを決めた私にぴったりな上に私は花が好きだ。だから、自分で育てたいと思う。



 よしよし、ちょうどいいじゃないか!無事ハーレムルートを回避していってる。植物育成委員会の私は生徒会に関わることも無い。






 あれから数日後。無事に植物育成委員会に所属した私は初委員会に出ることとなった。(地味な仕事だから他に立候補者がいなかった…)


 楽しみ過ぎて委員会が始まるかなり前に来てしまった。まだ、あまり人が来てない。

 あー、楽しみ。どんな植物を作ろう?それに、皆で植物の話をしたりしたいなぁ。植物育成委員会に来る位なんだから皆、花が好きなのだろう。やはり、好きなものが共通してると話が盛り上がるだろう。それに教室には植木鉢があちこちに置かれてあり、どれも綺麗な花を咲かせている。


 うきうきして回りを見ていると丁度目があった先輩?にニコリと微笑まれた。なんか恥ずかしい…


「こんにちは。1年生の子?

私は、吉田菫よしだすみれって言います。植物育成委員会の委員長を務めています。あなたは?」


「い、委員長さん⁈えと、私は雪村桃です。よ、よろしくお願いします!」


 いきなり委員長とお話ししちゃった⁈ってことでけっこうドモってしまった。「桃ちゃん、宜しくね。」と先輩は私のドモりを気にせず、にこやかに接してくれる。


「桃ちゃんは、植物が好きなの?あなた、さっきからあちこち見てくれているわ……」


「あ、そんなじろじろ見るつもりは、その、無くてですね、えと…」


「いいの。むしろ嬉しいわ。私達が一生懸命作ったものですもの。」


「これ全部ですか⁈凄い!」


 私達は、「あの花の育て方はこうした方が良い」などと雑談していると……

「おい、菫。そろそろ委員会の始まる時間だぞ。」

と男の先輩が言った。


「あら、いけない。もうこんな時間!桃ちゃんと話のが楽しくてつい時間がたつのを忘れちゃったわ。」


と菫先輩は言ってくれた。そんな菫先輩に男の先輩は「俺は、忙しいんだ。待たせるな。」と言った。はぁ?なんて偉そうな態度だ。私の顔に嫌そうな顔が出てしまったのか、菫先輩は申し訳なさそうな顔をした。……。本当、なんなんだあいつは!



「えー、今回植物育成委員会を監督することになった生徒会長をしている立葵椿だ。」


 ……!お前だったのか!

さっき、菫先輩に話かけた男の先輩は立葵椿。私の会いたくなかった人物らしい。……いや、もう無理。もう、お前に良い印象なんかないからマジでお前と恋愛するとか無いわ。


 どうやら、新学期には生徒会がきちんと委員会が運営をしているかを監督する為に各生徒会役員が配属されるらしい。時間が無いと言ってたのは他にも委員会を管理しなくてはならないからみたいだ…だからって、言い方ってもんがありますよねー。


 委員長からの挨拶。仕事内容。色々、委員会としてと説明を終えていざ委員会が終わるって頃に


「あぁ、誰か植物広報委員会を少しの間手伝って貰えないか?」


「あら。なら、雪村さんを推薦しますわ。」


……ん?今、菫先輩の口から私の名前が出なかったか。そして、植物広報委員会って言った?


 



 委員会が終わった後、私は菫先輩の元へ行った。


「先輩!今の…」


「……お前が雪村桃か。

お前には花束を作ってもらいたい。今、植物広報委員会の委員長は病気で入院中だ。そのせいで、生徒会に飾る為の花束が出来ない。」


「それなら、他の委員さんがやれば…」


「全員、出来ないと主張してな…

まぁ、生徒会に飾る花束は大勢の人間が見る。中途半端な作品は、この学園の顔を潰すことに繋がる…」


「その点、桃ちゃんなら安心だわ。さっき話ていて思ったの。桃ちゃんは、植物について色々知ってるからきっと素晴らしい作品が作れるわ!」


 いや、知っているのと花束を作るのは全然違いますよー?花束を作るには、色を組み合わせるセンスが必要だ。

断ろうとしたが、菫先輩が「ごめんね。本当なら私がやるべきなのだけど…この時期はやっぱり忙しくて……」なんて言うから……


大人しく引き受けました。

 神は、無理にでも私をゲームヒロインとして仕立て上げたいらしい。




……これじゃあ、ゲームの展開とほぼ同じじゃんかーーー‼︎




 








 





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