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11 花束をつくるにあたって…

 今日は花束のデザイン提出日だ。

デザイン画には花の種類にどんな色の花を使うか等が詳細に書かれている。だが、それを提出するその前に私の呟きを聞いて欲しい。



 人ってさ、1つのことに対しても色々な考えを持ってるよね…

私は、まだこの学園に入ったばっかりだけど色々な人と触れ合った。

例えば、

花よりも虫!な、なずな君。花よりもお茶(ほぼ野菜)な楓先輩。花というより香りが好きな先生。……色々な考えがあって良いと思う。


だから、私が選んだ花束は……





「雪村、花束の選定の期限は今日だ。さて、お前はどんな花束にしたんだ?」


生徒会長の立葵椿が言う。

 今は、放課後…私は今度は早足で生徒会室に向かった。あの時とは、気分が違う。ただ、私の考えた作品を見て欲しかった。


「はい。コレです…」


私は紙を差し出す。

そこには私が何日間もかけて考えていた花束のデザインが書かれている。それをじーと見た椿先輩はボソリと言う。


「……お前、本気か?」


「本気ですよ。それが私の考えです。」


先輩が言いたいのは、「伝統を変える気か?」ということだ。

 今まで伝統的に一つの色で統一していた花束を私がカラフルにしようとして、今、伝統を壊そうとしている。別に規則で色の統一が決まってた訳じゃないらしい。ただ、やっぱり自分の先輩がやっていることは後輩にもなんとなく受け継がれていく。ただ、私の場合は今まで長く自分と共に同じ作業をしていた先輩がいない。所詮、代理だ。なら、自分の考えたようにさせて貰いたい。別に代理だからと舐めている訳じゃない。それが後押しになっただけだ。



「私…このストレチア学園に入ったばかりですけど、その短い期間に色々な考えの人に出会いました。それぞれに個性がある。でも、私は私の色、個性がやっぱり自分で考えてもよくわからなかったんです。」


 私は、あのピンク色の花束を作った人、望月優香もちづきゆうかさんに会いに行った。(クラスとかの情報提供者は石蕗先生)何故ピンク色をメインに据えたのかと聞くと


「恋をしていたから。……だって、ピンクっていかにも恋の色!って感じしない?」


そう柔らかく笑った。

ちなみにその人は、こないだなずな君に突っかかってた人の彼女…虫を怖がってた人だった。会いに行った時はびっくりしたよ…「あれ?」ってなった。優香さんの方も私を覚えていてくれたみたいでこうやって花束に関する話が出来た。


 優香さんに聞いた話だけど、黄色の花束を作っていた人はどうやら恋というより部活に熱中してたらしい。黄色の幸せなイメージがその人に結びついたようだ。


 私も恋をしている。だけど、私は恋だけじゃなくて友達とも楽しく過ごしたいし委員会でも頑張りたい。じゃあ、私はどんな色にすれば良いんだろう?



 先生に助言を求めたら笑ってペパーミントのアロマをくれた。おぅ、これで集中力を上げろってことですね!…良い匂いだけど何か違う。


 なずな君にも話たら

「桃ちゃんの好きな様にしたら良いよ。僕は、桃ちゃんの味方だからね!反対されても先に花束を作っちゃって飾れば良いよ。花なら家に腐る程あるから…あ、桃ちゃんも見たい?」

……これだから金持ちのボンボンは!花だって良い奴は高いんだぞ。




などなど、あちこち聞いた結果「色が決まらないならいっそのこと全部混ぜようかな?」ってなった。



そう言うと椿先輩は、苦笑いを浮かべて「わかった、これで進めてみよう。」と言った。規則に反してるわけじゃないしな、と快くとは言わないが了承してくれた。




 さーてとっ、ここからがメイン!

同じ花にも育成方法とかでだいぶ色艶が変わる。「ここまでやってくれたんだから後はこっちでやっておくぞ」という椿先輩の申し出を断って最後までやることにした。















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