表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

ステータス カード

 俺たちは城を出て街へ向かう大通りを歩いている。

 なかなか疲れた・・・。説明が長いのと、国王たちの威厳というか、威圧というか、妙に強いカリスマ性に気疲れしてしまった。

 あとは突拍子もない発言もだろう。

 少し休みたいなと思っていたら丁度いい所にベンチがあった。


 城は小高い丘の上にあり、丘を下った平地に街が造られている。

 そのため、城へ向かう通りの途中に展望台のように広くなっている所があり、そこにベンチが置いてある。


「ちょっと休もうか?」

「そうね・・・ ちょっと疲れたわね」

「うん」

 俺の提案に、サヤとルークも同意してくれた。

 やっぱり同じように疲れたようだ。



 フー・・ 三人並んでベンチに座り、一息つく。


「適正検査は大変だったな・・・」

「そうね・・・」

「うん・・・」


「・・・」

「・・・」

「・・・」

 !? イカン イカン このままだと無駄に時間を使いそうだ。


「よし! 今のうちにステータスカードを見ておこう!」

「そうね!」

「そうだね!」

 俺がちょっと気合を入れた声で提案をすると、二人にも伝わったのか、少し元気な返事が返ってきた。


『ステータス オープン』

 スッ・・ 俺の手にカードが現れた。

 やっぱりちょっと楽しい。

 三人がカードを出し、確認している。


 名前:ラルフ

 性別:男

 年齢:15

 職業:勇者Lv1

 総合能力:B

 スキル:剣術Lv7(剣閃 重撃 破邪剣衝) 


「おお! 勇者になってる!」

「ほんと! 見せて 見せて」

「兄ちゃん やったね!」

 俺が驚いて声を上げると、二人がカードを覗き込んでくる。


「ちなみに『勇者Lv1』ってどれぐらいなんだろ?」

「兄ちゃん 説明書に書いてあったよ。えっとね・・・」


 Lv1:兵士

 Lv2:上級兵士

 Lv3:兵士長

 Lv4:騎士

 Lv5:上級騎士

 Lv6:騎士団長

 Lv7:親衛隊

 Lv8:親衛隊長

 Lv9:将軍

 Lv10:真勇者


「って 書いてあるよ」

「兵士がLv1って事は、受付の人たちや、城で部屋まで案内してくれた人たちも『勇者』か・・・。まるで、勇者のバーゲンセールだな・・・ なんてな」

 ルークの説明に、俺は冗談を交えて、呆れた顔で言った。


「本当にそうね。勇者なのに世界でみたら価値は低そうね・・・」

 サヤも同意見のようだ。


「それよりも、二人のカードも見せてくれよ」

「いいわよ」

「いいよ」

 二人が返事をしてカードを差し出してきた。


 名前:サヤ

 性別:女

 年齢:16

 職業:治癒術士

 総合能力:A-

 スキル:回復魔法Lv7 解毒魔法Lv6 補助魔法Lv6 破邪魔法Lv5 蘇生魔法Lv3 火魔法Lv1 水魔法Lv1 風魔法Lv1



 名前:ルーク

 性別:男

 年齢:13

 職業:魔法使い

 総合能力:A

 スキル:火魔法Lv7 水魔法Lv7 風魔法Lv7 土魔法Lv7 阻害魔法Lv5 転移魔法 召喚


「ふ ふたり共、高スペックだな・・・。スキルもいっぱいあるし」

「そう? 私はお母さんに教えてもらってたから、自分がどれぐらのレベルか分かってなかったし。こうやって見ると結構レベル高かったのね」

「僕もおじいちゃんに教えてもらってたし、割と簡単にできたから、そんなにスゴイと思わなかったよ」

 二人共、気にしてないようだ。

 あれ? 俺って三人の中で一番弱くないか? 勇者なのに総合能力が一番低いってヤバイんじゃ?


「それよりも、ラルフはいつの間に『剣閃』が使えるようになったの? お父さんが言ってたけど、達人の剣士が長年修行して使えるような技って、昔に言ってたわよ? もう少しラルフが大きくなったら教えてあげよう。って」

「え!? 昔にヤシャさんが使ってたのを見て練習したんだけど・・・?」

 俺に剣を教えてくれたのは、サヤの父ヤシャさんと近所に住むサウロさんだ。

 たしか、7才ぐらいの時に森で遊んでいたら、モンスターが現れて危なかった事があった。ヤシャさんがすぐに来てくれて、モンスターから離れた所で剣を振ったら、モンスターが血を出して倒れていた。

 その後に、俺は剣を習いに行ったのだ。


「え!? それって7才ぐらいでモンスターに襲われた時?」

「そう! それ!」

 サヤも覚えていたようだ。


「あ-・・ その時の技は魔力を斬撃に変えたって言ってたわよ。『剣閃』とは方法が違うって・・・。人間には難しい技だから、ラルフには『剣閃』を教えるって言ってたの」

「え!? なんとなくこうかな?って、やってたらできたけど」

 衝撃の事実が発覚した。俺の大きな勘違いだった。


「え!? そうなの?」

「そう・・・。」

「まあ、兄ちゃんは剣の才能だけはスゴイからね」

「ルーク・・・。『だけ』 は余計だ」

 ルークが驚くサヤにフォローを入れるが、一言余分だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ