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第1話 シースルーな少女

物語のさわり程度です。

俺は今日から晴れて高校一年生となった。


俺が通うことになったのは、最近出来た新設校、私立明星高校だ。新設校だけに設備はしっかりしている。


冷暖房完備、パソコン室は一階と二階に一室づつあり運動場は陸上競技場、野球グランド、サッカー場、テニスコートがキッチリ分けられている。


学生寮もあり、俺はそこから通う事になっている。ここから俺の高校生活が始まるんだ。


期待と不安が入り混じった心境の俺の後方から


「け〜い」


と何やら聞き覚えのある声が聞こえてくる。因に俺の名前は渡辺 恵(わたなべ けい)なのでこれは俺を呼ぶ声と解釈してもいいだろう。そして声の主は……


「ハァハァ、恵スマン待ったか?」

俺の幼馴染みであり、今年から同じ高校に通う中島 信(中島 信)だ。


短く切り揃えられた髪に、ガッチリとした体、豪快な性格は見ていて気持のいい奴、


それでいて結構男前だ。やっぱり少しムカつくな。こいつは、女子からも結構人気がある。過去俺を中継して、中島君に伝えてくれと手紙やら伝言を託されたは数しれず、俺はポストや伝書鳩じゃねえんだよ!


しかし何だかんだ俺といる時間が一番多かったのはコイツだ。


コイツとは、幼稚園から高校まで何をするにも一緒だった。喧嘩もよくしたし、二人で腹を抱えて笑ったこともある。互いが腹を割って話せる親友であるのも確な事実だ。


その親友に向けて俺は


「四十五分待ったな」


と言ってやった。と言うか入学式に一緒に出ようと言った本人が四十五分も遅刻とはいい度胸だ。


「うぐ、すまん」


「まぁ良いさ、待ち合わせ時間を少し早くしすぎたからな、今から行っても充分間に合うよ」


俺たちは学生寮から学校までの道のりを歩き始めた。


暫く他愛もない話をしながら歩いていたが、不意に信が口調を変えた。


「恵よ」


「ん?なんだ?」


「あの子」



俺は信の視線の先を見た。


何とそこには、綺麗だがなんとも影の薄いと言うより体が透けた少女が立っていた。


…ん?なにそれ、なんで女の子が透けてるの?ちょっと有り得なくない?


「信よ…やばいぞあれ」


「やばいな…やばい位可愛いだろ!」


えっ!?そこ!?もっと他に突っ込むとこが有るでしょうが!!


まぁ、確に綺麗な顔立ちはしてる。綺麗な黒髪?は肩まで伸びたセミロング、整った顔、スラリと伸びた細い手足、向の景色が見えるくらい青白い肌。


うん、最後のがきめてだね。アイツ人間じゃないよ信さん。


あっ、やべぇ目があった。

…笑ってるよ…こっち見て笑ってるよ。


うわっ!しかも手ぇ振ってるよ。満面の笑みで手ぇ振ってるよ。なんでアイツ、あんなにフレンドリーなんだよ。


「信逃げ…」


「おい恵、あの子笑って手ぇ振ってるぜ♪」


「いや!よく見ろ!アイツ体が…」


「ちょっと行ってみよう!」

「おい!信、目を覚ま…」


信は俺を肩に担いで少女の方に走りだした。えっ?なにこのノリ?信よ…お前の紹介文を書き直させてもらうぞ。


中島 信

俺の幼馴染みであり親友、顔は男前、運動神経抜群、豪快にして強引。そして、生粋の馬鹿。


信は少女のまえで立ち止まった。そして小刻に震えだす。


やっとアイツが人間ではないことが…


「天使だ!」


おい!


「あら、よく分かったわね。私よく幽霊とかと間違われるのよ。」


まさかの発言。


「あっ!貴方が渡辺 恵くんね?じゃあまたあとでね!」


天使?は飛んで言った。


アイツ会話する気ねえだろ。


俺はあの後、信の質問攻めにあいながら入学式を迎えた。


俺が何一つ答えられなかったのは言うまでもない。



俺は信の質問ラッシュに疲れきって寮に帰ってきた。


あれから寮まで、

「あの子とどういう関係だ?」

「お前に何の用があるんだ?」

「あの子体が透けてたよな?」…etc


質問には全部

「知らん…」で返し、寮までの道を急いだ。…いや待て。


おい信よ、お前は体が透けてるって気付いてて近付いたのか。明日覚えておけよ…


俺は寮の鍵を開け中に入った。


おっ!この匂いはカレーだな♪


…………………ちょっと待て、何でカレーの匂いがするんだ!?


「あ!お帰りなさい♪」


「☆!→%!♂#*♀@∞#☆*」


俺は声にならない叫びをあげた。


そこには今朝の透けた少女がいた。


威嚇してみよう。


「なに人の家でカレー作ってんだゴルァァァ!!」


「アハハハへんなキレ方」


…効き目は無し。


「アンタ何?」


「天使だゴラァァァ!」


キレたの?何で?マジ恐えー。つーかガラ悪!


「で何やってんの?俺の部屋で…」


「私天国で少し悪戯しすぎたみたいで神様が怒っちゃってー、天国をからこの世に落とされちゃったのよー。まぁ堕天使ってやつね。」


「ふーん、で?」


「その際に天国から何個か課題が出るんだけどそれが出来れば、私天国に帰れるんだよねー♪」


「それで今の話とお前が俺の部屋に居るのとどういう繋がりが有るんだ?」


「うん、私が出された課題ってのが、ズバリ渡辺 恵に憑いて渡辺 恵を守れ!よ!」


いやぁ〜何と言うか、怪しすぎる。しかも自分では天使って言ってるけど、俺にはアイツは幽霊にしか見えない。


「お前、見た目が幽霊にしか見えないんだけど。羽も輪っかも無いし。透けてるし」


「うぐっ!羽も輪っかもこっちに来る前に取られちゃったのよ。透けてるのが嫌ならほら!」


コイツ実体化しやがった。あっさり問題解決しやがって


「何で今まで透けてたんだよ?」


と聞いたところ。


「シースルー」


だそうだ。意味が解らない。


「さぁ!これで、憑いても良いよね♪」


「お、おい待て、憑くっていったいどういう……」


「大丈夫、私天使だし♪」


「天使ってお前さっき自分で堕天使だって言ってたろうが!」


「あ…………………………気にしない気にしない〜♪」


いや、今の間なに?めっちゃ気になる!すっげえ気になる!


「エコエコアザラークパピオンパピオン河童の屁…」


何かへんな呪文唱えてるし!!


「あ、自己紹介まだだったよね♪私はミカよ。これから宜しくね恵君♪」


奴がニコニコしながら歩いて来る。しかもその手から出てる黒いの何だよ!


「や、やめ…ぎゃぁぁぁぁぁ」


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