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巫女
長い黒髪
少し釣り目の大きな目
赤い瞳
ガラスの向こうに映る、彼女。
「答えは出たの?」
「答え・・・・・・・」
「そう、私とあなたが似てる。・・・・その答え。」
「・・・・・・」
魂が似てる。そう彼女が言った。
・・・・・その・・・答え。
つまり・・・
「私は、」
あなたの・・・・
「あなたの、生まれ変わり?」
彼女は、唇の端を吊り上げニィと笑った。
「正解。」
ガラスをするっと通り抜けて出て来た彼女は、私の唇に自分の唇を重ねた。
「これで、記憶が戻る。」
「き・・おく・・・・」
「全てが戻る。・・・私は・・・・・消える。」
「えっ・・・!?」
割れるような頭の痛みに、揺れ動き、溶けるように消えていく世界は辛かった。
目を開く。木目のある、天井。
「あぁ。」
やどか・・・・。
アクロと、カイトは戻って来たのだろうか?
ルデイに、会ってはいないだろか?
この町に長居はできない。この町は巫女を嫌う。
今夜にでも出た方が良いだろう。