赤
ザァアア――――
窓の外では雨が降っている。
最近では繰り返し同じ夢を見る。
大きな月
溢れ出る赤い水
赤い湖に映る私・・・・・・
私のようで、私じゃない、ワ タ シ
二人には相談したくても出来ない。否、出来ないんじゃない。したくないんだ。
何と無く、私自身で解決しなくちゃいけない気がしたんだ。
二人も私が何かに悩んでいるのに気付いて、情報収集を二人でやってくれている。
あの男・・・・・・私について、何か知っているようだった。
≪何を知っているというの?≫
――――解らない
≪知りたいとは思わないの?≫
――――解らない
≪・・・・・・≫
――――・・・・・・
解らない。あの男が何を知っているのか、夢に出てくる彼女は何者なのか・・・・・・・。
そういえば、最近夢の中で彼女を見ない。見たのは、最初の一回だけだ。
自問自答を繰り返すうちに、グルグルと回る思考。意識は暗転していき、いつの間にか眠りについた。
――ピチョン
真っ赤に染まる空間に一人、漂う。
見回してみても赤いその空間。手足を動かせば・・・・・動く。
ペタペタ
どこかを歩いているようなそんな感覚。ふと、前に何かがあるような気がして手を伸ばせば、コツリと、何かに手が当たった。
「鏡?」
よく見れば、赤の中にいる自分が写っている。
でも、
「あなたは・・・・・」
違う。
「久しぶりね。」
目の前の、鏡と思っていた所には前にあった、女の子。