9話
弁護士さんに、助手さんを部屋にいてもらうため、しばらく借りる旨のメールを送り、タクシーを呼び出して、昨日のアーケード街の駐輪場までバイクを取りに行き、待たせてるのは悪いからと、寄り道をしないでマンションへと帰った。
帰り着くと、助手さんがまだ居てくれて、玄関の所で静かに動くように言われた。
三人がソファーで待っていたけど、風呂上がりで温まって、そのまま寝てしまったとの事。新しい下着姿のままで。
え〜、服は?って聞いたら寝間着は無く、さすがに昼間の服にシワを付ける訳にはいかなくて、昨日着ていた服はもうクリーニングに出したとか。
まぁ、しょうがない、のか…三人揃って下着姿のままって事に微妙に納得がいかない感じで渋っていると、
『起きたら下着姿も褒めてやってください。見てほしくて、真剣に選んでましたから』
下着姿なんてどう褒めろと?それにまだ今日一日だけで、見てほしいとか、こんな懐かれるような事はしてないぞと、少し困惑してると、
『傷付いてる時に、下心も打算も無しで、即決で保護してやるって言われたら、だれでもこうなりますよ』
即決なんかじゃなかったのだけど、これ以上あれこれ問答してるとなんとなく旗色が悪くなりそうなので、切り上げるべく、もう遅い時間ですし、弁護士さんが待ってるんじゃないですか?って聞いたら、
『ここから出勤は駄目ですか?私も保護してほしいです』
え?…冗談ですよね?
『冗談です。それでは、姉が待っているので帰ります』
そう言い残し、助手さんは帰っていった。…なんか疲れた。姉?まぁいいや。もう寝よう。