さよならはどこか遠い
俺は田中蒼士 17歳の高校生。俺は同じクラスの柊翼さんに恋をしていた。彼女は図書館委員で放課後忙しくしている。
そして彼女の黒いロングの髪と凛としたその表情の虜になる男たちは多く、もちろん俺も夢中になっていた。
だけど毎週水曜日だけは一緒に帰ることができるから。その時はチャンスと思ってウキウキで帰っていた。
「……また明日柊さん! 」
「さよなら 田中くん」
いつもこんな感じだ。話したくても何を話したらいいか分からない。もはやいつも一方的に話し続けているだけで、彼女からの返答は相槌のようなものだけだ。彼女と会話のキャチボールをしようとすると意図的に暴投してくるようにも感じる。
もはや俺のことに興味が無いのかな?
疑心暗鬼なる俺を友達の石田優太はいつも優しくなだめてくれている。
「絶対大丈夫だからさ。多分柊さんはそうツンデレなんだよ。そうじゃないと蒼士と一緒に帰ってくれないだろ。」
毎週こんな感じで1週間、1ヶ月と時間がすぎていく。5月になった。柊さんとは毎週水曜日は帰っていたが進展することは無かった。だから、俺は彼女の好きな物を探ろうとしていた。
そうして俺は図書館へと向かっていた。
柊さんはずっと図書館の本を陳列していた。(まだまだ心が子供の高校生が適当に本を置くからだ)俺は勇気を振り絞って手伝ってみようと思った。
「柊さん 俺も手伝うよ。どこにこの本を置いたらいいの? 」
「田中くん これは図書館委員の仕事です。無理に手伝おうとする必要はないですよ」
やっぱりだ。こう返してくるとは最初から思っていた。だから諦めたりはしない。これを提案してくれた優太のためにも。
「いや何か手伝いたいんだ。この量は1人だと時間かかりそうだし、いつもこんな風に1人でやっているの? 」
「そうね。 他の図書館委員はみんなすぐに帰るから私一人でこの量は毎日こなしてる。むしろ今日は量が少ないくらい。
そこまで言うなら言葉に甘えて。その本はそこに置いて」
こんなのことを毎日やっているのか……正直辛いはずだでもそれを気にすることなく繰り返している。
しかも本棚に自分の好きな本があったんだろう、それを見つけた時は笑顔すら見えていた。
それから一緒に帰ることにした。
「これからは毎日手伝うよ。やっぱりさこのさぎょうを1人でするにはキツすぎるよ。だから俺にもなにか手伝いたいんだ。」
彼女は少し考えてか細くこう言った。
「本当にいいの? 」
俺はこの言葉に心が踊る気持ちを押さえつけて気持ちを噛み締めていた。
「それじゃあ田中くん 毎日きついと思いますが一緒に頑張りましょう。」
そして毎日図書館に通って柊さんを手伝うようになった。彼女の好きな本は物理の本とミステリー小説が好きだということが分かった。
柊さんの好きな本を意図的に違う所に人が移動させていた。柊さんはそのことには気づいていなかもしれないでも、彼女の美貌から意図的に意地悪をする人がいるんだ。
でも、それ以上にはエスカレートすることはないからそのままにしておこうと思う。
彼女が高いところの本をハシゴを使ってしまっていた。
「ここだからえっと……わぁぁぁぁ 」
そのままハシゴと一緒に倒れそうになっている柊さんを俺は抱きかかえた。
「大丈夫ですか柊さん! 」
彼女は赤らんで小さい声でいった。
「ありがとうごさいます 助かりました。」
これを機に少し距離が縮んだ気がする。こんな生活でもいいだからずっと一緒に入れたらなって思ってしまう。
少し日にちがたって。優太から話があった。
「最近どうなんだよ柊さんとはよ」
その時柊さんを見ると周りに人だかりができていた。そこにはみんなの人気者の本田一郎が柊さんに告白しようとしていた。
「君は僕が見てきた中で1番可愛いだからこの僕と付き合ってくれ。」
「ごめんなさい。私好きな人がいるから。」
そう柊さんはキッパリと断った。でもまだ本田一郎は諦めきれておらず。不満そうな顔をしていた。柊さんはそのまま自分の席に座った。周りのみんなからはなぜ告白を断ったのかと言う話で持ちきりだった。そして好きな人が誰なのかって話も上がっていた。
こんな話もありながら放課後柊さんに思い切って聞いてみた。
「柊さん好きな人って誰なんですか? 俺正直ちょっと気になるんだよね。あの本田一郎を断ったんだから。」
彼女は悩んだ表情をして。
「そうですね言ってもいいかもしれませんけど……
それを言うのもいいかもしれません。ただ私のことをちゃんと思ってくれているとは思います。」
そんないい人がいるのかと絶望した。俺は眼中に無いのかなって。少しでも期待していたのが馬鹿みたいだった、そんな風に思う俺に彼女はこう答えた。
「今日行きたい場所があるんですよ。
だから今日はこの仕事を早めに終わらせて一緒に行きませんか? 」
もちろん俺は二つ返事でOKした。これからどこに行くのかワクワクと楽しみでいっぱいだった。
大きな常緑樹が1本だけある小高い丘だった。
「ここ私が一番好きな場所なの。この場所だと安心できるんだ。
私はさ本田一郎は格好いいと思ってる。でも私はそれより田中蒼士くん君の方が好きだな。周りの女子が私をいじめるためにわざと本をめちゃくちゃにしてるのは薄々気づいていたんだ。だけどそれを何も言わずに助けてくれた。
正直すごい嬉しかった。もう一度言うけどそんな田中くんが好きです。付き合ってください」
「は……はいよろしくお願いします。」
そこからはあまり覚えてない。たくさん話をして一緒に笑いあって……気づいたら家に帰っていた。親からはなんかいい事あったのと聞かれてしますくらい機嫌が良かった。
そこからの生活は楽しいものだった。毎日学校で
あって何気ない挨拶をする一緒に帰ってまた明日、さようならって言って道を別れる。これが最後の言葉になると思ってなかった。あの日が来るまでは
時期は変わって6月梅雨の時期になった。
俺のスマホにある1件のメールが来ていた。
「翼の母です。翼は交通事故で――」
そこからはあまり覚えていなかった。ただ一目散に彼女の家に走り続けていた。着いた時にはもう遅かった。彼女は乗用車にはねられて壁に激突し亡くなったと聞かされた。
車に乗っていた人は高齢で認知症を患っており人を引いたことでパニックになり、
壁と車に挟まっている彼女に対してバックして下がらず、アクセルを踏みしてていたらしい。
俺は高齢者に相当怒りがあり今でもあった殴り倒してやりたい気分だがそうは行かない。認知症のため自覚責任が問われ、奴に責任があると言えるかすら怪しい
「そう……ですか……」
「うちの子の彼氏なんですよね……翼は学校で馴染めていないと聞いていたので彼氏がいて驚きました。
あなたがいたからココ最近の翼は元気に学校に行けてたんだと思います。本当にありがとね。」
涙ながらに俺に話しかけてきた。それから彼女の話を聞き続けた実はピーマンが苦手とかニンニクが好きだとか事件の話をすることなく彼女の話をし続けた。
本当に辛いのは両親なのに俺に気を使わせないようにしてくれているんだと感じた。
俺が家を去った後、外からでも聞こえるくらいの泣き叫ぶ声が聞こえた。
俺は帰って何も考えずにテレビを見ていた。するとその中で柊さんの事件の話がされていた。どいつもこいつも高齢者なら免許を返納しろだとかそんなことしか言わない。
周りを見てない被害者も責任があるとかとんでもないことを言う人だっていた。
報道番組が終わると胡散臭いテレビショーがあった。でもそのテレビに俺は惹かれていた。
そこに映っていたのは佐久間信介と言う男だった。
彼が言うには並行世界があってその中を自由に移動できる機械が完成するという事だった。
俺はこのテレビが終わった瞬間、彼の事務所に電話をしていた。
話をするとこの近くに事務所があって興味があるなら明日にも来て欲しいとのことだった。
「ここがその言っていた事務所か」
小汚い家を改築したものだった。家には蔓がそこらじゅうに這うようになっていた。
「よく来たね。君みたいに若くて興味ある人を待っていたんだよ。私の開発した装置は並行世界に移動することが出来る。過去や未来ではなく同じ場所同じ時にワープすることが出来るんだ。」
「これって俺でも使えることができるですか? 」
これを使えるなら俺にも可能性があるんじゃないのか?
「そうだね。君にも使うことはできるよだから興味ある君で試したいんだよ。」
そうして俺は頭に装置をつけ目を閉じた。すると気がついたら学校の授業中だった。
隣の席の優太に今日の日付を聞くと5月3日になっていた。
ここから俺は可能な限り彼女を救おうとした。彼女の好きな物を早めに言ったりして興味を引いてみたり、事故の場所に行かないようにしていた。
だが、今回も救うことは出来なかった。
そして俺はまたもやあの胡散臭い事務所に行くことになった。
「よく来たね君みたいな若くて興味ある人を待ってたんだよ。」
なんか聞いた事のある発言だった。ここで俺の推測されることはこの装置を使った人だけが記憶を引き継ぐだけでこの人は覚えていないという事。
それからというものの俺は何十回、何百回と並行世界を行き続けた。でも結果は変わらなかった。世界はどう頑張っても変えることが出来ないのかと思った。
もう何回繰り返しただろう、またこうして5月5日に帰ってきた。ここで柊さんから話しかけられた。
「今日の夜私の1番好きな場所で会おう」
俺は違和感を感じた。だってこの世界では一度も彼女とあの丘には行っていないから。
そう思いながらも俺は彼女の好きな丘にいった。
「いい加減私を諦める気になった? 」
「何をいってんだよ柊さんは!! 」
俺は全く彼女の言ってる言葉が理解出来なかった。でも彼女に全てを見透かされて居そうだった。
「多分だけど田中くんは並行世界に行ける装置の力で記憶を維持していると思っているでしょ
でもそれは違う私と貴方はタイムキーパーなのこの世界が時空の歪みが起こらないようにいる人。
言わば特異点だからどっちかがいる限りこの世界が改変されることが無かったってこと。」
「ってことは俺の今までの頑張りは……」
「田中くんの頑張りは意味がなかったってこと。
だからこの世界でも私は死んでしまうの」
いや待てこれを変えることの出来る手段はある。あんまりしたくないけど使うしかない。
「どっちか片方がいたら世界は改変されないのなら俺も死ぬよ二人がこの世界から消えればまた新しい世界を作ることができる。」
「そうしたら私と田中くんの記憶が全部なくなっしまう。」
「いいんだ全部これで。こうすればまた柊さんと一緒に居れるんだから。さよならまた後で」
そうしてこの世界での俺たちは幕を閉じた。
俺は田中蒼士 17歳の高校生。俺は同じクラスの柊翼さんに恋をしていた。彼女は図書館委員で放課後忙しくしている。
そして彼女の黒いロングの髪と凛としたその表情の虜になる男たちは多く、もちろん俺も夢中になっていた。
だけど毎週水曜日だけは一緒に帰ることができるから。その時はチャンスと思ってウキウキで帰っていた。
「……また明日柊さん! 」
「さよなら 田中くん」
この会話のあとの柔らかい風が吹いているように感じた。
まだ『さよなら』なんかじゃない今後も続いて行くようだ。