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プロローグ
・・・思い出した・・・・・・
どうして忘れていたんだ!!俺はのうのうと何をしていた!
俺は慌てて一度読んだ薄汚れたノートのある1ページをもう一度素早く真剣に荒々しく読み返した。ノートを持つ手には汗が急激に滲み出し、ノートを読む目は人生でこれ以上ないくらいに集中して少し血走っている。二度目の高速熟読を終え、ノートを13年物のお宝箱へとしまうといてもたってもいられず家を飛び出した。
今まで何もかも忘れて気づなかった自分に腹が立つ。・・どうして・・・いや、いまはそれよりも
後先の考えないスピードで走りだし点滅している青信号を越え
「どうしたの!どこ行くの‼」
母の声が後ろから聞こえる。そんなことはどうだっていい。今俺にはすぐにしなければ、行かなければいけない場所があるんだ。・・あの人のところへ